【ロアルド・ダールの『へそまがり昔ばなし』】ブラック童話

イメージ 1イメージ 2この挿絵ムッチャ味があるぅ♪


公開中の『チャーリーとチョコレート工場』の原作者、ロアルド・ダールのブラックな童話集、

『へそまがり昔ばなし』を注文、取り寄せて読んでみた。純粋に子供向けの、コンパクトな

本なのでアッ!と言う間に読めてしまったのだが、その韻を踏んだリズミカルな文体も、スラ

スラ読めた大きな要因であろう。


原作はもちろん英語だから、だいぶん内容は変えてあるはずだが、頭韻、押韻を散りばめて飽き

させないその手法は、翻訳者の力量も相当なものである事を伺わせる。まずは翻訳者情報から↓



コピーライターの経験もあるという事で、その辺は言葉の面白さを十二分に解っている最適な

人選だったように感じる。英語のライムを日本語のシャレに直す作業を強いられるわけで、こ

れはかなり大変な作業だったのではないだろうか??実は明日あたり、「チャリチョコ」の日本

語吹き替えバージョンを観て来ようかなぁ~~~、と思ってるのだが、ウンパルンパの歌がどう

日本語に翻訳されているか、というのは楽しみの一つなんであ~る!


さて、本題の昔ばなしの内容に入るが、いやはやどうして、子供向けとは思えぬシュールな

展開が目白押し!シンデレラのいじわる姉は残酷に首チョンパされるわ、ジャックと豆の木

の大男は母さんをボリボリ食っちゃうわ、白雪姫の魔法の鏡は悪用され放題だわ、赤ずきん

ちゃんに至っては、凄腕のオオカミ・ハンターと化しておるわ!♪三匹のこぶたの話のオオ

カミ退治にまで赤ずきんちゃんがしゃしゃり出てくるところには思わずワロタわwww


さて、原作のライム(押韻)の面白さをも、多分じゅうぶんに翻訳しているであろう、お気に

入りのワンシーンをチョビッとだけ引用してみようと思う。赤ずきんちゃんとオオカミが対峙

する、あの有名な場面である!!


「おばあさんたら、なんて大きなお耳なの?」「おまえの話をよく聞くためさ」

「おばあさんたら、なんて大きなおめめなの?」「おまえの顔を、よく見るためさ」

いすにこしかけたおおかみは、少女を見てホクホク。「うまそうなにおいだ」と、鼻をヒクヒク。

すじっぽいバアさんにくらべたらしるけもたっぷりやわらかそうだと、胸がワクワク。


さて赤ずきんちゃんが言いました。


「おばあさんたら、なんてごうかなふかふかの毛皮のコートなの?」

「ちがうぜ」と、おおかみはずっこけた。「おばあさんたら、なんて大きなお口なのって

きくんだぜ。でもまあいいか、どっちでも。どうせおまえを喰うんだから。」

小さな少女はパチッとウィンク。それからズロースのゴムにはさんだ、ピストルをサッととりだして、


おおかみのあたまにズドンと一発、おみまい。
あわれおおかみ、バタンと即死で、おしまい。

さてさてあれから何週間かたちました。森をさんぽするミス赤ずきんの、なんて大人っぽくなったこと。

やぼったい赤いコートをやめて、りゅうこうおくれのずきんも捨てて、今では着ているごうかな毛皮。

「うふっ、おおかみの毛皮のコートよ」とニッコリ。

こちらは、心臓ギックリ 目はパチクリ 口はポッカリ。


引用おわり。 どーです?クールでしょ?www


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ロアルド・ダールは「南から来た男」という短編の作者でもあったことを、さっきサイトを回ってて思い出したよ。クエンティン・タランティーノと他3人の共同監督で撮られた『フォールームス』という映画があったが、あの4話目、タラちゃんが担当したエピソードの元になったのが「南から~」であった。ライターで十回連続、火を点けられなければ罰として指を切り落とされる、というワンアイデア勝負のブラックなお話で、3話目のロバート・ロドリゲス監督のエピソードに次いで面白かった、という印象が残ってる。(それにしても1つ目と2つ目のエピは酷かったよナァ~~)タラちゃんも注目するくらい、カルトな人気を誇る人なんだろう・・・。ちょと興味が広がって来つつあるので、また他の作品も手を伸ばしてみよっかな~♪っと。