【ベルヴィル・ランデブー】芸術アニメ

イメージ 1

る~ぷさんオススメのフレンチアニメーション『ベルヴィル・ランデブー』をDVDで鑑賞。

普段、日本製のリアル描写重視のアニメを見慣れているせいか、とても新鮮な驚きがあった。


ベルヴィル・ランデブー公式サイト

↑公式サイトもセンス抜群!ストーリーのところで、本をめくっていくような作りがサイコウ!!!


押井守の「イノセンス」や今敏の「妄想代理人」、湯浅政明の「マインドゲーム」あたりが、

アニメでは世界のトップクラスだろう!と誇りに思っていたりしたが、なんのなんの、フラ

ンス人の感性を甘く見ておったw フランス人は、ジャパニメーションの良さを早くから見抜い

てファンになるだけあって、やはりセンスが秀逸なのかも。マフィアの親玉のキャラがどこと

なく手塚治虫先生に似ていたような気がしたのは偶然だろうか???ほかにも、ホントにキャ

ラの個性が凄過ぎ♪主人公のオバアチャンはキモカワイイだけじゃなく後半思いくそカッチョヨスだし、

無表情で現代人の悲哀を暗示しているような孫のシャンピオンも筋肉のデフォルメがスゲエ~。

オモチャの電車に尻尾を踏まれて以来、列車が通る度に吼える豚犬・ブルーノがギザカワユス♪♪


イメージ 2

ベルヴィルの三姉妹老婆が、新聞紙や冷蔵庫、掃除機などを使って見事に演奏するくだりでは、思わず「横山ホットブラザーズか!」とツッ込みたくなったよwノコギリ演奏もして欲しかった。さらにさらに、もう出てくるキャラがいちいちオモロイ。四角いマフィアも捨てがたいし、真っ直ぐ立てないウェイターもツボw全てがデフォルメされまくりの造形なのに、何故だろう?命の息吹を感じるのだ。疲弊した体にたかる虫だの、爆破されて半死半生のカエルだとか・・・。


ある意味、ジャパニメーションとは対極の見せ方で、ここまで完成度が高い作品が存在するとは“驚き”の一言。

終盤のカーチェイス(?)の迫力たるや、宮崎アニメにだって負けてないクオリティですぞ!

宮崎アニメと言えば、盟友の高畑勲監督が、ベルヴィルを評してこう述べている↓



突き放した人間描写に驚き呆れ、笑いながら超一流の表現を楽しむうちに、

人生のほろ苦さが、側々と伝わってくる


ホント、まさにその通りだ。そう言えば高畑作品にも通じる味わいがあるかもなぁ~、とチョット

感じた。「セロひきのゴーシュ」とか「平成狸合戦ぽんぽこ」チックな地味な味わいが共通かも。


良い作品を紹介してもらった。る~ぷさんアリガトウ。

ただし、2005年のベストテンに入るかは微妙な所。一応自分の中で、アニメ作品は一個だけ、

と決めているので、ん~~~、「Mr.インクレディブル」のエンターテイメント傑作と比較して

どうか!???と言ったところダ。ひょっとしたら、ルールを破って2つとも入れるかも知れんが。


台詞は極限まで少なく抑えられており、その代わり音楽が見事にストーリーを引っ張っていってく

れる。心地よい気分に浸れる作品。一枚一枚の絵が、美術館に飾られている緻密な絵画のように感

じられる。それが、アニメとなって動きまくってしまうのだから恐れ入る。


ここはひとつ宮崎駿センセイあたりにもコレ観て奮起してもらって、さらにすんごいジャパニメー

ションで、世界をアッ!と言わせて欲しい。個人的には、最近の数本は、「アッ!」と言うよりは

「ア~ア」とため息をついちゃう方が多くなってきているので・・・www