【崖の上のポニョ】宮崎駿版・人魚姫

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eiga.com 映画データベース 崖の上のポニョ

監督・脚本・原作:宮崎駿 製作:鈴木敏夫 音楽:久石譲 美術:吉田昇 主題歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ 製作国:2008年日本映画 上映時間:1時間41分 配給:東宝

☆STORY:宮崎駿監督が「ハウルの動く城」以来4年ぶりに手掛けた長編アニメーション。海辺の町で暮らす5歳の少年・宗介は、クラゲに乗って家出した魚の子ども・ポニョに出会う。すぐに仲良くなる彼らだったが、ポニョはかつて人間だった父・フジモトによって海に連れ戻されてしまう。ポニョは父の魔法を盗んで再び宗介のもとを目指すが……。アンデルセン童話「人魚姫」をモチーフに、人間になりたい魚と少年の心温まる交流を描いたファンタジー

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☆CAST:奈良柚莉愛土井洋輝山口智子長嶋一茂天海祐希所ジョージ柊瑠美矢野顕子吉行和子奈良岡朋子

公式サイト


●主題歌をBGMに、絵コンテ(ストーリーボード)を観賞しよう♪+(0゚・∀・) +ワークワークギュギュッ



ところで、ポニョに関しては、去年の春、制作発表が行われた頃に、アニメーターの名倉靖博さん

(「とんがり帽子のメモル」などが代表作)が、自身の作品『金魚姫』とダブるところがある!と

ブログで訴えていたはずだが、どうなったんだろうか・・・。

名倉さんのブログ またたき街雑記


※監督が「金魚」という言葉を極力使わないようにしているのは、やはり名倉さんとの確執のせいなの?こんな話題を穿り返す事自体、禁句事項なのかしらん?と、今、ちょっとビクビクしながら書いている。

え?ポニョの感想?うん、可愛らしかったッスよー。あえてエンターテイメント路線にしない、あいまいなストーリー展開(お話自体がぽにょ~んとしてたワケw)が、最近の宮崎作品らしいなー、って思ったッス。あぁ~、名倉さんが手がけていたという金魚姫ファンタジーが、つくづく観たかったナ~(もう創れんわナァ~、この状況じゃあ。。。)


ポッドキャスト 宮崎駿監督の肉声を聞け!!(映画を観た後で聴くのがオススメ)

ポニョの言葉


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★ABCラジオ「アシッド映画館」のインタビュー一部書き起こし!!

インタビュアー・平野秀朗氏のブログ(発動前)

(まずは、平野氏が「この作品のテーマは日常と非日常の紙一重の同居、というものでは?」と問いかけるも、宮崎さんは「そんな難しい事考えたわけじゃなく、崖の上のいやいやえんみたいなのにしたかったんですよ」とはぐらかして答える。「いやいやえん」を知らない平野氏、その話題を広げられず。。。)

平野「やはり、キャラクター設定には、監督の女性論であり男性論であり、父親像・母親像ってものが反映される感じですかね~?」宮崎「大体そうなんですけどネ、周りにいくらでもモデルがいるんです。ああいう父親像は周りにひしめいてますしね。遠くの方から発光信号しかできない父親とか、娘に捨てられてしまった、とかそういう・・」平野「アハハハハ」宮崎「だから父親像には全然困らなかったんです。むしろソウスケのお母さんであるリサっていうのが案外、あんまりいるタイプじゃないと思うんです。ですから描いていて非常に気持ち良かったですネ。平野「ふぅーん」宮崎「ソウスケみたいなキャラクターが成り立つためには、ああいう果断なお母さんが必要なんです。もっと行き届いてて、優しいお母さんだとソウスケはあんな風にはならないですヨ。」平野「そうですねー」宮崎「登場人物がとても少ないんですよね。で、舞台になっている街もあんまり人が住んでない。ですから一人ひとりは、こう、思いのほか手間のかかる映画でしたネ。」平野「すくないが故に?」宮崎「ええ、逆に。フジモトなんていうキャラクターは・・」平野「ポニョのお父さんですネ」宮崎「一番わかりやすいと思ったんですけど、子供たちにとっては非常に分かり難いようで・・」平野「観客の子供たちにとって、ということですネ?」宮崎「ああ、そういうことなんだって、今頃になって気が付いてますけどね~wあの人は何なのか、最後まで解らなかった、っていう声があって、一応台詞で中に入れてるんですけども、やっぱり印象としてポニョのお父さんがあんなはずない!っていう思いのほうが子供たちには強いんでしょうねぇ~。」

(スタッフの子供たちを対象に試写をした後の感想が「?」というものだったことが、今回の宮崎さんには、心にグサッ!と来たらしく、いつも以上に自信が持てず、珍しく関西にまでプロモーションに来ることとなったのだ、という事情が明らかとなる・・。)


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平野「ポニョ公開を前に、やはり多く聞かれる声は、“トトロの宮崎さんが帰って来た!”というものだと思うんですが、どうでしょう?そこら辺は・・」宮崎「あのぅー、トトロを観てくださる方は未だにいらっしゃるんで、ですから、もうトトロは創らなくていいんですよね。同じもの創ってる訳にいかないんです!で、まぁ、そういうことで、、、こういうことになっちゃったんですけど。。。」平野「僕はあのぅー、失礼覚悟で言わせて頂きますけども、観客が求めているものを、どんどん意外性を突いて、裏切って行くっていうんですかねー、そういう、ある意味、宮崎さんらしいと言うべきか・・」宮崎「いやあの、映画もドラマも、いっぱい創られてますから、昔の人に比べると今の子供たちというのは、大人も含めて、はるかに多くのものを消費してるんですヨ」平野「そうですネー」宮崎「そうすると、これはあのパターン、というようにいくつもの引き出しができてて、どのパターンが好きだとか嫌いだとかで、消費行動が決まってくると思うんですヨ。そこに、絡め取られたくないんですよね!だから、新しい引き出しをどっかから持って来ないと入りようがない作品を創ろう、っていう・・・くだらない野心はあります。」平野「いやもぅ、そここそが魅力だと思うんですよぉっ!!だから誰もがね、まぁ、あんまりネタバレは出来ませんけど、誰もが魚の話やと思ってたのに、すごい早い段階で物語がバン!って展開するじゃないですか、うわ、これはキター!!!と思ってネ♪」宮崎「いや、キター!って言うかwwまぁ、確かにポニョは来るんですけど、、とんでもないカッコして・・・。(二人w)ただあの絵解きをするとああなるだけで、実は浦島太郎が亀の背中に乗って竜宮城へ行くときに、いったい水面をどうやってもぐって行ったのかね?そん時に口からあぶくが出たかどうか?とか。平野「うんうんうん」宮崎「アップアップしたのかとか。あんまり平然と水ん中入って行くはずないですよねー?そこにカメラを向けたら、予想もしない浦島太郎になるんですよ、実は。」平野「ああ、そこをちゃんと理詰めで見せていく、と。」宮崎「ですから、人魚の姫、なんかも日本にありますし、あとそれから、安珍・清姫で、安珍を追っかけていくうちに蛇の身体になっていく、とかネ、そういう凄いメタモルフォーゼがあるんですよ。そういうものを、置いて来てしまってあんまり伝承されてませんけど、実はいっぱいあるんですね、日本には。」平野「ふぅ~ん」宮崎「例えばどこそこ山の蛇がいい男に変身して毎晩通ってくるとか、助けた鶴が綺麗な女房になってやって来るとか・・そういう話をいっぱい持ってるのに、実は映像化する時にあまり踏み込まないですよね。」平野「はい。そこのところはハショッて綺麗に見せていくんですネ」


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平野「お母さんがドアを閉める時に、足で閉めるとか、あの辺の過程をめっちゃリアルに見せようという・・」宮崎「ですから、ポニョが出てくるところ以外はネ、案外真面目な映画なんですよw地味というか・・」平野「実際的でめっちゃ常識的ですよねぇー」宮崎「それで、そこにポニョが出てくると、お祭りが始まっちゃう、みたいなことだと思ってんですけどネ。」平野「うーん、だから僕が最初にお話しした、不思議なものと日常が、紙一重で存在してるっていう世界観ですかネェ~?」宮崎「海っていうのは、やっぱり異界というか、違う世界への波打ち際というかね。崖はこの世とあの世の境目なんですよ。そこに、まさにソウスケたちはいるわけですから。海の世界がコチラに溢れて来た、と。例えば、大波が起こって来ると、それは街に災害をもたらすことですから、そうするとポニョは悪人か?ってことになるわけです。」平野「そうですねぇー、ええ。」宮崎「でも、ポニョは悪人じゃないわけですよ。そこは誰も責めない訳です。それがこの映画のややこしいとこですね。小さい子供が難しく感じるのもそこら辺にあるだろうと・・・。でも、人を好きになるってのはそういうことですっていう・・・」平野「あのぅー、ポニョの剥き出しなまでの情熱と愛がですねぇ、全ての事をなぎ倒して行っちゃう!ていうあのひたむきさって凄いなぁー、ってw」宮崎「だから、このあとソウスケは大変だろう、って言うスタッフが多いんですけど。まぁ、ソウスケは“僕は平気だ”って言う、、、言い続けるしかないからw」平野「ちょっととまどってるソウスケ、っていう絵もありませんでしたかー?」宮崎「ソウスケは、大体とまどってます!(二人www)とまどって受け入れて行くっていうね。そういう風になってますから。」平野「そうですよねー。だから、それが観客の子供さんもおんなじ心境なんじゃないですか?」宮崎「女の側に立つのか、男の側に立つのか、それもよく解らないからwでも、僕は、例えば“ソウスケみたいな子はいい子過ぎてどこか脆いんじゃないか”って一般常識ではよく言われますけど、でもそうじゃない子もいるんじゃないかって、どっかで思ってんですけどネ。だから、とてもいい子だけど、とても強い子だっていうのをネ。それを今こそ、こんな時代だから、そういう子を作りたい。で、実はソウスケこそスーパーヒーローなんだって言いたくて、この映画を創ったんです。。。」

(後略。この後、話題は「ポニョのお母さんも凄い!」「そして色っぽい♪」という話になり、美しい女性を描かせて、スタッフの士気を高めることにも成功した、などという裏話になっていくのだった・・・)

以上、ラジオを録音しての書き起こしをしてみた。若干、ニュアンスが変わってしまってるかもだが、おおむねこの通り♪徐々に宮崎さんが本音を漏らすようになっていくところが面白かった。平野さんはなかなかの太鼓持ちっぷりを発揮していたワイナァ。