【アキレスと亀】HANA-BI再び!?
eiga.com 映画データベース 「アキレスと亀」
引用
監督・脚本：北野武 製作：森昌行、吉田多喜男 撮影：柳島克己 音楽：梶浦由記 美術：磯田典宏 編集・挿入画：北野武 製作国：2008年日本映画 上映時間：1時間59分 配給：東京テアトル、オフィス北野
★STORY：「HANA -BI」「座頭市」の北野武監督の長編14作目。出演は北野武（ビートたけし）のほかに、樋口可南子、柳憂玲、麻生久美子ら。売れない画家の真知寿は、幼い頃に両親を亡くしてからも画家になることだけを夢見てきた。そんな純朴な真知寿に惹かれた幸子と真知寿はやがて結ばれ、夫婦で創作活動に没頭していくが……。真知寿のかなわぬ夢に立ち向かう苦悩や、彼を陰から支える幸子の夫婦愛を描く。
★CAST：ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、大杉漣、筒井真理子、吉岡澪皇、徳永えり、大森南朋
●トレーラー
絵が象徴的に挿入されるところや、夫婦の愛情を縦糸に持ってくる構成は、実に『HANA-BI』っぽい。
いろいろなエピソードが交錯し、失敗も成功も結局同じようなもんだ、というテーマで収束していく
あたりは『キッズ・リターン』っぽいだろうか・・・。両作品ともワッチの大好物だったので、期待
はか～なり高まった♪町山さん曰く「最初重たくて、中盤笑わせて、終盤はしんみりするというトンデ
モない映画ですよ」ということだったので、そういう先入観で行ったのだった。
・・・で、感想だが。。。んー、前半→中盤までは予想通り。終盤のしんみり度合いが、思ってた程で
はなかったのが肩透かし、ってとこかな～？？？『HANA-BI』のラストはおいおい泣けたが、今回のは
ちょこっと涙腺刺激こそされたものの、涙さん登場までには至らず、っていう・・・。
乗り損ねた原因はいくつかある。未見の方（今後観る予定のある方）は、この先は読み飛ばしてもらっ
た方が良いかもしれない。（この下の麻生さんの写真の辺りまでﾚｯﾂﾗｺﾞｩ( ＾ω＾)つ♪）
●まず、画家に特有のストイックさがあまり感じられず、リアルでない気がした（中盤と終盤）。コレ
は少し前、『モディリアーニ』という本格的な画家の映画を観ていたせいもあるのかも知らん・・・。
●北野映画の特徴と言ってしまえばそれまでだが、登場人物が無意味に死にすぎる気がした。別にその
人殺さなくても・・と思ってしまう度に、いちいち我に返ってしまったﾜ～。
●「アキレスと亀」の引用の意味が、未だに宙ぶらりん。個人的には、画家を目指すマチス（アキレス）
が、奥さんの愛によって等身大の自分（亀）に追いついた、って解釈で納得してたんだけど・・・たけ
しさんがインタビューやらで喋ってる内容に因れば、アキレス→奥さんらしいし。そもそも「アキレス
と亀」って、教訓的な意味合いじゃなく、数学パラドックスを表す言い回しだもんな～。何が言いたい
のか、はっきりさせずにぼかすのも狙いなのかなぁ？（外国のおっきな賞に輝くとこういう芸風になる
のかﾈｪ？ｱｶﾃﾞﾐｰ獲った宮崎さんしかり･･･(´･ω･｀)？）
●中年時期のマチスをたけしさんが演じる意味はあったんだろうかと・・・。年齢不詳の柳ﾕｰﾚｲさん
で最後まで押しても良かった。ついでに青年期の妻を演じた麻生久美子さんも、十分中年期を演じ切れ
たと思うんだが・・。樋口加奈子さんは良かったんだけど・・・『HANA-BI』の岸本加代子さんほどの
インパクトは残せず。それだったら、ﾕｰﾚｲ＆麻生のコンビで観てみたかった、というのが本音だ。
●その他、いろいろ
※本気で子供殴っちゃう大杉蓮ｻﾝ、というのに爆笑。加減を知らない人なんだな～Σ(ﾟДﾟﾉ)ﾉ
役者さんはみなとてもいいですね～。特に、悪い画商役がピッタリはまってたのが、伊武雅刀さん。
コミカルな悪役もお得意ですが、こういう根っからのワルもうまい！（怖い！）黒伊武雅刀健在って
感じｯｽ。その子供の、これまた胡散臭い画商を演じた大森南朋ｻﾝも味があるぅ～♪そ言えばこの人は
マチス青年期パートでも中年期パートでも同じ役を続けて演じてたっけな～。画商が、マチスを騙く
らかして、外人に安く売りつけたら、けっこう評判が良くて、海外で先に才能が認められちゃう、み
たいな展開にしても面白かったかも♬（それじゃ北野監督そのまんま過ぎるか～w）
