【ガンを殲滅?】RNAi治療に期待
らばQ 画期的なガンの新薬"ALN-VSP"、ついに臨床試験の段階へ…直接ガン細胞に働きかけて殲滅
→ 『この新薬ALN-VSPこそが、細胞に投入するとガンの成長を停止させる、まさに直接ガンだけに働きかけることができる画期的な治療薬だと期待されています。/人の細胞は、メッセンジャーの役目を果たすRNA(リボ核酸)がDNAの情報を他の器官に伝えることによって、たんぱく質を生成しています。新薬ALN-VSPは、ガンが生成するRNAの動きを阻害する働き(RNA干渉)を持つことで、ガンの成長を停止させるそうです。すでに臨床実験が始まっており、昨年には肝臓ガン患者19人にALN-VSPを使用しガンの縮小に成功。さらに36名の患者を追加して臨床試験を進めるとのことで、早期の実用化が待たれています。/長い間特効薬のない病気として恐れられてきたガンですが、もしかしたら明るい兆しが見えてきたのかもしれません。』
→ 『RNA干渉(RNA interference)の優れた点は、標的になるガン細胞だけを狙い撃ちにし、その成長を停止させる所にあります。長さの短い2本鎖RNA(siRNA)を導入することで、対象となるmRNAを分解し遺伝子の発現を停止させる事が出来ます。これにより、関係のない正常な細胞に影響を及ぼさない様に治療を継続出来ます。/ガン細胞を叩く薬は、身体への影響(副作用)が大きく患者の負担を軽減させる努力が続けられて来ました。上記の様な画期的な薬が利用出来るようになれば、こうした問題からも解放される日が来るかもしれません。』
WIRED VISION RNA干渉(RNAi)に大きな期待を寄せるバイオ業界 2003年11月25日
→ 『「フォーチュン」誌は巻頭の特集記事で、RNA干渉を、バイオテクノロジー界の次の「十億ドルを生み出す飛躍的な技術革新」と表現した。また「サイエンス」誌は、2002年の「今年最大の技術革新」と呼んでいる。しかし、このように大きく取り上げられたことで、人々は神経質になっている。RNA技術に基づいた事業にベンチャー投資を獲得した複数の企業では、過去にあった過熱現象で懲りたこともあり、前評判を抑えておきたいと考えている。「(RNA干渉)がうまく働かない例を目撃したとたん、ウォール街では全く価値がない技術だと思われてしまうだろう」と、米アビングワース・マネージメント社のジョナサン・マッキティー社長は述べた。同社長は、18日(米国時間)に行なわれたMIT/スタンフォード・ベンチャー・ラボ(VLAB)のパネルディスカッションで議事進行役を務めた。/米アルナイラム・ファーマスーティカルズ社の創立者で、米ポラリス・ベンチャー・パートナーズ社のジェネラル・パートナー、クリストフ・ウェストファル氏も、この技術が人間の治療に有効かどうかが判明するまでに10年はかかるとして、前評判の過熱を戒めた。』
その頃には、臨床結果がはっきり出ているかもしれない。さて人類にとって、吉と出るのか、凶と出るのか?