【異人たちとの夏】青天の霹靂つながりで・・・
※浅草の劇場。独特の雰囲気が、不思議な世界へと誘(いざな)ってくれるー
■ストーリー:原田英雄(風間杜夫)は40歳のシナリオ・ライター。妻子と別れ、今はマンションに一人暮らしをしていた。ある日、原田は幼い頃に住んでいた浅草に出かけ、偶然、死んだはずの両親に会ってしまう。二人は原田が12歳の時に交通事故で死亡したが、なぜかその時の年齢のまま、浅草に住んでいた。原田は懐かしさのあまり、浅草の両親の家へたびたび通うようになる。一方で、原田は同じマンションに住む桂(名取裕子)という女性と、愛し合うようになっていた。彼女は、もう両親には会うなという。異人(幽霊)と近づくと、それだけ自分の体は衰弱し、死に近づくのだ。原田はようやく両親と別れる決心をし、浅草にあるすき焼き屋で親子水いらず別れの宴を開いた。暖かい両親の愛情に接し、原田が涙ながらに別れを告げると、二人の姿は消えていった。しかし、原田の衰弱は止まらない。(後略)
■スタッフ:/監督 大林宣彦 /脚色 市川森一 /原作 山田太一 /製作 杉崎重美 /プロデューサー 樋口清 /撮影 阪本善尚 /美術 薩谷和夫 /音楽 篠崎正嗣 /録音 島田満 /照明 佐久間丈彦 /編集 太田和夫 /助監督 松原信吾 /スチール 赤井博且
■キャスト:風間杜夫(原田英雄) 秋吉久美子(原田房子) 片岡鶴太郎(原田英吉) 永島敏行(間宮一郎) 名取裕子(藤野桂) 入江若葉(今村綾子) 林泰文(原田重樹) 奥村公延(管理人) 角替和枝(仲居) 原一平(下足番) 栩野幸知(地下鉄公団職員) 桂米丸(落語家) 柳家さん吉(落語家) 笹野高史(歯科医) ベンガル(タクシー運転手) 川田あつ子(川田淳子) 明日香尚(女性マネージャー) 中山吉浩(原田英雄ー少年期ー)
■作品データ:/原題 The Disincarnates /製作年 1988年 /製作国 日本 /配給 松竹 /上映時間 108分
※大林宣彦さん、市川森一さん、そして山田太一さん・・・めくるめく大好きな
作家陣の面々によって創られた、キラキラ光る宝箱のような小品であったー♪
で、タイムスリップものなのかな?と思ってたが、、、全然テイストは違ったナ
お盆に帰ってきた幽霊ネタだった。軽く驚かされる終盤の展開もポイント高し♪
→ 『山田太一節をいくつか引用しておく。この人はほんと言葉はよくないけれどクソ庶民なのだと思う。いいのか悪いのかおかしな影響を受けている。「それにひきかえ、現実は野菜がのぞいているビニール袋だ。「そんなもんだ」駅へ向かいながら、私は苦笑した。そうそう簡単に人は死なない」(P30)/「ひき返しても、たいした人生があるとも思わなかった」(P100)/「われながら想像が過ぎるが、ひどいことを考えておく方が、打撃が少ない」(P113)/「このまま自覚なしに、ある日、死んでしまうのなら、それも仕方がない、という気がした。死んだ両親と逢えた人間があまり欲を出してはいけない」(P140)/「長い歳月の関係ならともかく、浅いつき合いで、このように深く心をこめてくれるケイに、私は諭されたような気がした。人というものを、安く見すぎていた。女というものも」(P150)/「しかし、お門違いじゃないか。赤の他人が酒の誘いを断ったからといって、道連れにしようというのは、滅茶苦茶じゃあないか。もっとも、人生なんて、そんなもんだともいえるけど」(P207)』
展開だけが残念。ビジュアルセンスが 「ハウス」っぽかったー。
原作だとまた違った味わいがあるのかもナァーーー。機会があれば、
ぜひ買って来ようー
Amazon.co.jp 中年クライシス (朝日文芸文庫) [文庫]
→ 『レビュー:「異人たちとの夏」は、さらに現代の中年を迎えた人が、今までの多忙の中で内部との対話を忘れている間にポッカリと空いた、心の孤独な空洞に現われる・・、彼の死につつあるかのような「情動」を回復させる要素としての異界人との接触を、彼の必然として訪れた・・危機でもあり、心の隅に追いやっていた半面、その情動との出会い、心の全体性へ治癒・再生を促される物語として読み取るあたりは、講演の中でも聞き入ってしまう人が多いのではないだろうか。by sow-seed 』
→ 『河合隼雄さんの講話では、この映画を「中年の危機」のテーマと絡めて話をしています。「…ところで俺って何のために生きてるんだろう?」って考え始める年(←老眼が出始めるとコレ切実な事として考えはじめるみたいよね)になって、心の奥底からそれまであまり意識してこなかったゆかりの人たちが急にぶわっとすごいリアリティを持って生活の中にあふれ出して不思議なことがいっぺんにたくさん起こります。/で、時に死の方へグッと惹かれたりしながら、最後の最後は「自分はやっぱり生きるよ、ありがとう」って事で軌道修正しながら自分の生活に戻っていく話なのです。そういう、すごく老いや死に近くもあって恐ろしくもあるストーリーを、おかあちゃんのかわいらしさ、とかおとうちゃんの軽快な下駄の音、とか、なぜかすぐに服脱いで下着一枚になりたがるような獣臭い下町情緒の中にすごくうまく溶かしこんでいて、こんな話なのに見ていてとても楽しいのですよね』
※このブログを読んで気付かされた。あぁ、この作品も『青天の霹靂』同様、“生きる事の意味”を確認する作品だったんだなぁ~~~~、と。
※鶴太郎のお笑い芸人らしからぬリアリティ演技、風間の飄々とした感じ、カッコイイ
秋吉さん、のトリオは、奇しくも『青天の霹靂』の3人と、微妙~~にリンク
するものがあったような気がする~
※因みにベストテンを全部書き挙げておくと、第1位 となりのトトロ(監督:宮崎駿)/第2位 TOMORROW/明日(監督:黒木和雄)/第3位 異人たちとの夏(監督:大林宣彦)/第4位 ロックよ、静かに流れよ(監督:長崎俊一)/第5位 郷愁(監督:中島丈博)/第6位 火垂るの墓(監督:高畑勲)/第7位 さくら隊散る(監督:新藤兼人)/第8位 木村家の人びと(監督:滝田洋二郎)/第9位 リボルバー(監督:藤田敏八)/第10位 快盗ルビイ(監督:和田誠)である。トトロに負けたか~~~wある意味トトロも、子供たちが遭遇する「異人(異形のもの)たちとの夏」と言える作品だよナァー
※「空気吸うだけ男」こと高橋ユキヒロさんが出てたヨ♪貴重じゃな~い?
※ラストシーンは何度でも繰り返し観たくなるッス~
6月12日の雑学問題は・・・?(簡略解答は一番最後に!)
Q:初期のサッカー、意外なルールとは?
(解説)サッカーが誕生した当初は、プレーヤーは手を使うことができた。地面に転がっているボールを拾い上げることは違反行為だったが、難しいボールを手でさばいても違反にはならなかった。1863年にフットボール協会が結成され、統一ルールが決められたが、そのルールでも手を使うことができたのである。/ちなみに、サッカーという名称はアソシエーション・フットボールを簡略化したもの。この名称を用いているのは、日本、アメリカ、カナダなど、一部の国だけであるー
オコタエ~(o ̄∇ ̄)σ 手を使うことが許された
関連雑学
・サッカーが他のスポーツよりも圧倒的に世界中に広まったのは、とても大きな理由がある。それはイギリスで19世紀に始まった産業革命だ。蒸気機関などの発明が相次ぎ、イギリスからは世界に様々な製品が輸出された。そのときに外国に行った技師などがサッカーを広めることになった。また、サッカーはボールさえあればフィールドはどんな大きさになっても遊ぶことができる。他のスポーツのように特別な道具は多くは必要ない。これが道具を買えない貧困な国や地域であっても広まりやすかった第2の理由と言えるだろう。