☆今年もついに終了の時を迎え・・・。最後は恒例の年間ベスト&ワースト映画
の発表で締めくくろう!今年はいーーっぱい見落としたでござるよ~~~ぅ!
☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪
(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)
☆さ~~て、本日12月31日(月)の、「元気が出る言葉」は~?
『私は宿命的に放浪者である。旅が古里であった。』 |
出展:「放浪記」(新潮社) |
発言者:林芙美子 (小説家 1903年12月31日~1951年6月28日) |
→ 『解説:「放浪記」は脚本・演出 菊田一夫、1961年初舞台、以後2009年まで2017回、森光子が主演を続けたことで知られている。本書で何人もの放浪者を紹介してきたが、最後が林芙美子となった。これまで紹介してきた人の多くが自ら望んで旅に出たが、彼女は違う。父から認知されない子、貧困、旅商い、本だけが友達だった孤独な少女時代。高校卒業後に上京、職を転々とし、同棲と別れの繰り返し。生来の放浪者を自認し、しかし挫けずたくましく生きた女だ。つらい境遇にあるとき、「放浪記」は杖となってくれる。』
※どことなく西原理恵子さんに似ている気もするなーーー。
Amazon 浮雲 (角川文庫) 林芙美子(著)
→ 『■内容(「BOOK」データベースより):義兄の弟との不倫関係から逃れるため、戦時下、仏印へタイピストとして渡ったゆき子。
そこで出会った農林研究所所員、富岡と熱烈な恋に落ちたが、彼もまた、妻のある身であった。戦争が終わり、帰国したゆき子は、富岡の心が彼女からすでに離れていることを知る…。心中旅行、別離、そして妊娠。様々な出来事を乗り越え、二人はついに屋久島へとたどり着く。敗戦後、激動の日本で漂うように恋をした、男と女の物語。/■登録情報:/文庫 416ページ /出版社 KADOKAWA; 改版 /言語 日本語 /ISBN-10: 4041061539 ISBN-13: 978-4041061534 /発売日 2017/10/25 /梱包サイズ 15 x 10.4 x 1.4 cm /おすすめ度 5つ星のうち 4.0 /■カスタマーレビュー:Ravenclaw 5つ星のうち4.0 「代表作と呼ばれるにふさわしい、豊富で充実した内容の小説。」2018年9月22日・・・終戦後の日本を舞台にした一組の男女の物語。主人公「ゆき子」の生き方には、現代の安定した社会の常識的な立場からはいろいろ言えるのかもしれないけれども、そのことにどれほど意味があるのだろう。このたくましさはもちろん作者自身の反映であろうし、男性作家がけっして描けない生々しさだと思う。』
“百年後に第二の漱石が出て第一の漱石を評してくれればよいとのみ思いおり候(『書簡』明治41年2月4日より)” |
【大正5年(1916)12月31日の漱石】死せる夏目漱石、漱石山房の年越しを静かに見守る
夜はしんしんと更けて時計の針が時を刻んでいく。やがて日付が変わって、大正5年(1916)12月31日となった。今から100 年前の今日の話である。
東京・
早稲田南町にある
漱石山房(
漱石の自宅)の書斎は、いつもと同じように整えられていた。
漱石愛用の
紫檀の文机の上に、竜頭のデザインされた
漱石山房の原稿用紙、万年筆、銅印、玉の文鎮、眼鏡入れ、
象牙のペーパーナイフなどが置かれている。机の前の主の座る位置に置かれた毛皮と座蒲団も、平静と変わらない。書斎に続く応接間の方に
漱石の筆になる書画が掛けられているのが、従来とはちょっと異なる光景であった。
机の
上の原稿用紙の右肩には、「189」の番号だけが手描きされ、あとはまっさらな白紙であった。昨夜からその書斎で、尽きるともなく話し込んでいるのは、
漱石の妻・鏡子と
漱石門下の
芥川龍之介、松岡譲、
小宮豊隆であった。それを黙然と見守っている
漱石の頬は、深く静かな微笑をたたえているように見える。しかし、もはやそれは、死面(
デスマスク)と化している。死後まもなく、彫塑家・新海竹太郎の手で原型をとったこの
漱石の
デスマスクは、ようやくできあがり、少し前に
小宮豊隆が山房に持参したばかりであった。
日付が変わって、死去から22日目を迎えていた。3日前の12月28日には
雑司ヶ谷墓地へ遺骨の埋葬(納骨)も済んでいる。その墓地は、幼い娘・雛子が急逝したあと、その骨を納めるため、
漱石夫妻が用意したものだった。書斎にしつらえられていた祭壇も、そこに置かれていた主の遺骨とともに片づけられていた。
日付が変わってしばらくした頃、「そろそろお暇します」そう言って立ち上がったのは
小宮豊隆だった。その後ろ姿を見送ってなお、残りの3人は、
漱石のマスクの傍らで朝方午前4時頃まで話を続けた。
さまざまな思い出話を語り合う中で、芥川の口からは葬儀の日の出来事も語られただろうか。師の逝去の3日後の12月12日、青山斎場で行われた葬儀には、前日の新聞に時間を間違えて報知してあったにもかかわらず、多くの会葬者がつめかけた。芥川が受付にいると、外套に中折帽の風格ある人物がやってきて名刺を差し出した。芥川は初めて見るその人の風貌の立派さに心打たれた。名刺には「
森林太郎」とあった。
互いに尊敬の念を抱きながら、意識して淡い交流を貫いていた鴎外
森林太郎の姿がそこにあった。この日は陸軍の大先輩に当たる元帥陸軍大将・
大山巌の弔いの日にも当たっていたが、
漱石の葬儀となれば、自ら足を運びきっちりと別れを告げずにはいられなかったのである。鏡子の心の奥には、口に出さずとも、若き日、ロンドン留学中の夫と交わした「しきりに御前が恋しい」「私もあなたの事を恋しいと思いつづけている事は負けないつもりです」という書簡中のことばが思い浮かんでもいただろう。松岡譲の胸の片隅には、やがて夫婦として結ばれることになる師の愛娘・筆子へのひそかな思いが、我知らず芽生えていたのかどうか。
この日、もうしばらくすると、できあがったばかりの『新小説』の新年号が
漱石山房に届くことを、彼らはまだ知らない。その表紙には、「臨時号 文豪
夏目漱石」の文字が刷られている。故人となった
漱石を特集した、最初の雑誌である。『
漱石全集』の刊行は、一周忌に当たる大正6年(1917)12月9日から始まる。思えば、
漱石はかつて門弟・
森田草平への手紙の中にこんな一節を綴っていた。《百年の後、百の博士は土と化し、千の教授も泥と変ずべし。余はわが文をもって百代の後に伝えんと欲するの野心家なり》/その言葉通り、
漱石の遺した作品群は、世紀を超え、没後100 年を過ぎてなお読み継がれている。
(完)
細かすぎて伝わらない関連動画など
(「死後」「見守る」で動画検索してみました!!)
ジョニーAのつぶやき:死んだ家族が、霊となって見守ってくれる~的なお話は結構あると思うんだが・・・ちっともヒットせず。最後は尻すぼみになってしまった。とりあえず、良いお年をっ!!