【童謡の歌詞の意味】森のくまさんなど

清水義範:文/西原理恵子:絵による、お勉強シリーズ本、『はじめてわかる国語』の中の「あの歌はこんな意味だった」という章を読んで、ちょっと懐かしの童謡の意味なんぞを考察してみた。。。
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意外と子供の頃は、意味もわからずに、適当に歌っていたものだなぁ~と実感させられる。
まずは “赤とんぼ” の歌詞から・・・
《夕焼け小焼けの赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か 山の畑の桑の実を 小籠に摘んだはまぼろしか 十五で姐やは嫁に行き お里の頼りもたえ果てた 夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ竿の先》
×誤解釈・・・「赤とんぼの大群に追われて、必死で逃げながら見た恐怖体験。摘んだはずの桑の実が消失してしまうというミステリー体験。お姉さんが十五で売られて消息不明になってしまう悲しい兄弟物語www」ぜんぜん違ーーうっ!!!
◎正解釈・・・もちろん1番の「おわれて」の歌詞は“負われて”が正しい。3番に登場する姐やにおんぶされて赤とんぼを見た、懐かしくも温かい思い出だ。姐やとは、実のお姉さんではなく、子守に雇われた少女。昔は一軒の家に子供が多くて下の方の子供は、口減らしのためによそへ働きに出したのだ。ここを読んで、邦画「ALWAYS三丁目の夕日」の六ちゃん♪を連想した。そういやあの映画には赤とんぼがよく似合うや。で、十五で嫁に行った子守女の実家からの便りが来なくなって寂しいなぁ、という心境を歌っている訳だ。4番だけは回想シーンでなく現在の風景。竿の先にとまった赤とんぼが、幼い日のほのかな思い出とリンクする。

続いては、 “故郷(ふるさと)” の一節
《兎おいしかの山 小鮒つりしかの川 夢は今もめぐりて 忘れがたき故郷 如何にいます父母 つつがなしや友がき 雨に風につけても 思いいずる故郷 こころざしをはたして いつの日にか帰らん 山はあおき故郷 水は清き故郷》
×誤解釈・・・「兎は意外と美味しい。小鮒も釣って食べよう!つつが虫に刺されて病気にかかった餓鬼の頃からの友達よ、薬はないけど、ふるさとのきれいな雨風につければ、いい治療になるだよ、きっと。」
◎正解釈・・・「兎おいし」は文語体。「兎追いし」であって、決してウサギを丸焼きにして食ってはいけない。昔よく兎を追いかけた、あの(「かの」という言葉で思い入れの深さが解る)山々、そして小鮒も釣った、忘れられないあの川々、となる。「友がき」は「友垣」で友人との交わりを垣根を組むことに喩えている。「つつがなしや」は元気でやっているだろうか?との問いかけ。懐かしの山や川を思い、父母や旧友を気にかけながら、魂は故郷を巡っているのだ。メロディが激しく聴きたくなる曲だ・・・。

さらに、 “赤い靴” だ。
《赤い靴はいてた女の子 異人さんに連れられて行っちゃった 横浜の波止場から船に乗って 異人さんに連れられて行っちゃった 今では青い目になっちゃって 異人さんのお国にいるんだろう 赤い靴見るたび考える 異人さんに逢うたび考える》
×誤解釈・・・コレは有名な聞き間違い。ある一人の女の子が、いい爺さんに連れられて行っちゃう。ああ、悪い爺さんじゃなくて良かった良かったw ある一人の女の子が、ひい爺さんに連れられて行っちゃう。おーーーい。ひい爺さん!!どこへ連れてくつもりだぁっ!一緒に棺桶に入っちゃ駄目だよっ! ある一人の女の子が、異星人に拉致されて行っちゃう。生態実験で眼球を青くされて、女の子は異性人の細胞を埋め込まれる~~ギャアアアッ! ってB級SF自主映画かよ!!
◎新解釈・・・ここは、清水義範さんも引用しておられる、麻布十番のメンズショップ「ローリエヤマモト」さんのHPを紹介しておこう↓
麻布十番未知案内 上のメニューの“赤い靴”をクリック!
ちょっと切ない歌に聞こえてくるから不思議だ。

そして、清水さんが、内容を勘違いしていたという、 “叱られて” の、まず1番。
《叱られて 叱られて あの子は町までお使いに この子は坊やをねんねしな 夕べさみしい村はずれ こんと狐がなきゃせぬか》
清水解釈・・・夕べは夕方。男の赤ちゃん(弟)の子守をさせられる子と、お使いに出される子の二人。夕方のさみしい村はずれは狐に化かされるんじゃないかという怖さでいっぱいだ。親に叱られると切ないよなぁ~~。ところが、2番を知って清水さんの解釈の間違いが露出する!!!
《叱られて 叱られて 口には出さねど眼になみだ 二人のお里はあの山を 越えてあなたの花のむら ほんに花見はいつのこと》
正解釈・・・叱られていた二人は、その家の子供ではなかった。二人には「赤とんぼ」で“たよりも絶えはてた”と歌われたお里があった。そう。この二人は子守の姐やだったのだ。他人に叱られるからこそ余計悲しいのだが、眼になみだをためて黙っているしかないのだ。お里で家族一緒に花見をした時のことを懐かしく思い出す二人。悲しい。でも何だかよいなぁ~、と思わせる。やはり小学唱歌は心和む♪


童話の新解釈をしているサイトをいくつかご紹介。皆さん、本気である。文章も気合が入っているから、時間のたっぷり空いた時に、じっくりと読むことをお勧めする。


「あめふり」藤野竜樹さん解析
怪談話から妖怪人間へ・・・

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むしまるの筆先三寸 バカエッセイ
『おおブレネリ』『森のくまさん』『やぎさんゆうびん』!!!何となく合点がいかない三大童謡の謎(??)を見事に解析!!!読み応えあり!の力作です。以前、森のくまさんを読んだ事があって、今回再度訪問してみたが、作品が増えていて嬉ピーーーー♪まだブレネリとやぎさん読んでないのだが、メッチャ楽しみ~♪あとでゆっくり読もう~~っと・・・ウキo( =^_^=)oo(=^_^= )oウキ