【演出とやらせの境界線】

「あるある」捏造事件に関しては、書くまいと思ってたんだけど・・・
関西テレビ社長の千草宗一郎サンの辞任の見通し強まる、なーんていう記事を見てしまったからには、ひとこと言わずにおれようか!!という心境になってしまったよ!!
読売新聞 「あるある」捏造、関西テレビ社長の辞任見通し強まる

記事引用↓
 フジテレビ系で放送された情報番組「発掘!あるある大事典2」のデータ捏造(ねつぞう)問題で、関西テレビ放送千草宗一郎社長(63)が責任を取って辞任する見通しが強まった。

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千草社長は7日夕、電波法に基づいて総務省へ事実関係を調査した報告書を提出する。その中で、納豆の効能に関する1月7日放送分以外でも、疑惑を呼ぶ内容があった。

 また、関西テレビは「発掘!あるある大事典2」を放送していた日曜午後9時台の全国放送枠の番組制作から撤退することを決めており、広告料など「30億円程度の減収」(関係者)につながるため、社内でも批判が高まっている。

 テレビ放送に対する国民の不信も強まっている。今後、千草社長が国会に招致されるとの見方もあり、責任を問う声が一段と高まることも予想される。

あるある大辞典2の事件の詳細をお知りでない方は、ウィキペディアをどうぞ↓
発掘あるある大辞典Ⅱ ウィキペディア

千草宗一郎社長、および、チーフプロデューサーの矢野さん、などは、かつて関西テレビの土曜の夜を華々しく盛り上げてくれた、名物番組『エンドレスナイト』で、シーチャカ千草、矢野ピョン、などと呼ばれていた人気者だった。司会のばんばひろふみ兵藤ゆきの面白さに加えて、コーナーの手作りの温かさ、アシスタントの女の子たち(エンギャルと呼ばれた)の気さくさ、などがウケて、かなりの高視聴率を稼いでいたのだ。

その番組のイラストコーナーで、シーチャカさん(現社長!)をさんざん、変な髪形ネタでおちょくってたイラスト職人たち・・・。私もそのうちの共犯者でしたwスミマセン!下品でどうしょうもない似顔絵を描かれて、毎週千草さんは(当時、すでにプロデューサーとしてかなりの偉いサンだったにも拘らずw)怒りもしないで、 「イヤイヤ・・・勘弁してください!」 と笑顔で最高のリアクションをしてくれました。受験祈願の視聴者に向けて、番組特性キーホルダーに「運ゲゲェ~ッ!!」と念を入れてもくださりました(どおくまんプロのキャラクターと千草さんの風貌が被ってたんですナ~)。

エンターテイメント番組の何たるかを、きっと誰よりもよくわかってらっしゃる方だと思います。なぜその千草さんが、責任を取って辞めさせられなければならないような事態に陥ってしまったか・・。本当に残念でなりません!もちろん、今回の捏造は、視聴率至上主義の行き着いた、醜い失態だったことは間違いない真実でしょう。しかし、それってある種、業界内ではお約束というか、演出としてみなが普通に見過ごして来たことではないの?出演者の志村けんあたりが、「そんな捏造が行われていたなんて知らなかった!」と異常に驚いて見せるのは、ちょっと違うんじゃないか?と・・・。

業界全体の問題として、議論なり討論なりしていくべきなんじゃあないのか、と強く思う。トカゲの尻尾切りみたいに、一部の関係者の首だけはねるのって、絶対おかしいと思うんだけど。。。

あと、この「あるある」事件の余波で、バラエティ番組の重箱の隅を突っついたような、ウソ探しが始まっているように思えるのも悪しき風潮だと思う。「オーラの泉」で江原さんが事前に、相談者のプロフィールを教えてもらっていただの、格闘番組で八百長があったらしいだの・・・。
かつて朝日放送のIディレクターはこう言った。「バラエティ番組に演出は絶対必要。それはやらせじゃあないんです・・。」と。けだし名言だと思う。

100%真実だけの番組しか認めない、なんていう世の中になっちゃったら、どんなに虚しいだろう。ウソだろうなぁ~、って薄々感じていながら、でもそのキワキワを楽しむことができるのが人間だと思う。プロレスが真剣勝負だと信じて疑わなかった猪木信者の大多数は、「プロレスは作り物だったと知って裏切られた気分だ!」と言い残し、プロレス鑑賞をやめて行った。しかし、それでもなお、プロレスを愛してやまない人も大勢いるのも事実!!我々は後者のプヲタの心意気に学ばねばならない、と思うのだがどうだろうか??

ではその線引きは一体どうしたらよいのか、という問題になってくる。要は、視聴者の側に立った、番組作りの姿勢を持てるかどうか、漠然としているようだがそれに尽きるように思う。「視聴者なんてすぐ騙せて、ちょっと納豆がイイって流せば、情報操作できるもんだぜ」みたいな思考回路の人間が、製作サイドにいられる状況を打破していくしかなかろう。それは、スタッフ、番組出演者、ディレクター各人が、己のモノサシでもって測るしか手はないのだ。

隠し味でチョコッと使うウソ(演出ネw)は、大阪の金龍ラーメンに入ってる「味の素」の如く、素晴らしい効果を発揮するだろう。「味の素」が「金の元」や「視聴率の元」になってしまってはいけないのだ!番組のファンを心から大事にしていた「エンドレスナイト」は、そのさじ加減がほんっとうに絶妙だったように思う。そんな素晴らしい番組を世に送り出した名物プロデューサーが、今は社長となり、今回の事件で矢面に立たされ、窮地に陥っている姿を見て、ついつい思いの丈をブチまけてしまいたくなった夜であった。

まとまりのない記述になってしまい、 「イヤイヤ、勘弁してください・・・。」