【街のあかり】アキ・カウリスマキ監督 敗者三部作

イメージ 1


eiga.com 映画データベース 「街のあかり」
原題:Laitakaupungin valot 監督・脚本・製作:アキ・カウリスマキ 撮影:ティモ・サルミネン 音楽:メルローズ 2006年フィンランド映画/1時間18分 配給:ユーロスペース
☆STORY:フィンランドの名匠アキ・カウリスマキによる“敗者3部作”の最終章となる人間ドラマ。ヘルシンキの街の片隅で生きる孤独な男が、人を愛することによって人間性を回復していくさまを描き出す。恋人も友人もいない夜警員コイスティネンは、カフェで声を掛けてきた美しい女ミルヤに恋をする。しかし彼女はマフィアが送り込んだ情婦だった。強盗の罪を擦りつけられたコイスティネンは逮捕され、1年間の服役を言い渡されてしまう。
☆CAST:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤルベンヘルミ、イルッカ・コイブラ、マリア・ヘイスカネン、カティ・オウティネン
オフィシャルサイト
eiga.com 新作映画評論
アキ・カウリスマキの初期に「マッチ工場の少女」という作品があった。貧しい娘が、不条理な不幸な連鎖に陥る話で、新作「街のあかり」は、ある意味、その男性版といえる。ただあれから長い歳月を経て、監督の心はかつてより澄み切った境地を感じる。(中略)古典的なフィルムノワール、終盤にはサイレント映画のような凄みさえ漂う。聞けばこの映画の前に体調を崩したという監督。いまはキートンのドライさよりチャップリンのヒューマニティーに惹かれているようだ。ただそれらは監督の好みではあっても主題ではない。監督にとって大切なのは、主人公にわずかな「あかり=希望」を投げかけることだったのだろう。

オフィシャルサイトの、著名人コメントで感銘を受けたものを、ちょびっとご紹介~♪

「アキ・カウリスマキという人は、風景も役者も、音楽でさえも徹底的に平等なまなざしで描いている、世界でも稀な監督なのだと思う。この人の真似は出来ないッス。」BY山下敦弘(映画監督)

※山下監督は、「日本のカウリスマキ」などと言われることがあるので、それを意識してのコメントなんだろな~wこれは。

「どんなにダメでも、死にそうな目に遭っても、かっこつけ続ける・・・・・そんな男の強がりに萌えまくりました。」BY辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

「あいかわらずのカウリスマキ。マッチ棒みたいに人を撮る。そっとこすれあったなら、ぽっとちいさな火がともる。」BY一乙一(作家)

※いやぁ~~、皆さん、感動的なコメントの連発デスネ!この映画は、人を詩人に変えるんでしょうか?

「煙草、犬、不幸・・・・・。カウリスマキ節は、もはや古典芸能である。僕はこの映画を能のように観た。」BYいとうせいこう(作家・クリエイター)


個人的な感想は、この、いとうせいこうさんのコメントに近いかなぁ~。因みに敗者三部作の前2作、「浮雲」と「過去の男」はムチャムチャ好きだ。特に「浮雲」は最高♪「かもめ食堂」のラストシーンにも、同じテイストを感じ取れて嬉しかった。海外旅行などには、普段ちぃい~~~~っとも関心ないのだが、フィンランドにだけはチョト住んでみたいかなぁ~~と憧れる自分がいたりする。淡々とした人間関係、清貧の生活、哀愁溢れる独特の空気感、といった要素に、ついつい惹かれてしまうのだろう。

で、今回の「街のあかり」なのだが、如何せん、主人公が打ちのめされ過ぎ、カワイソ過ぎたんである。希望の光、が希望に思えなんだ・・・。チラシにツーショットで写っている女優さん(↑)が、設定によると“絶世の美女”となっているんだが、どう見ても、“ヘルシンキの半魚人”といった趣であるのも気になったしwww 良かったのは、全体のなーんとなくの雰囲気と、犬の演技ダケ!?(どうやら、アキ・カウリスマキは、自分のペットである愛犬を、映画に出演させる傾向があるらしい。今回の出演犬は、2003年度に「過去の男」でパルムドッグ賞を獲ったワンちゃんの子供だという)/普段、ド派手な洋画ばっかし観ているような輩には絶対向いていないと思われるこの映画。観客を選ぶ映画、であると同時に、体調も選ぶ作品なのかも。また、精神的に安定している時期に観直したらば、印象も変わるかもネ(って、今、相当精神的にしんどいってことの表れなのかナァ~)。

街のあかり ショートカット



松本人志のちょっとした言葉
松っちゃんカレンダー

背が高いヤツほど 何かが低い