【人間椅子・和嶋さんインタビュー】吉田豪さんグッジョブ♪

イメージ 1


ナタリー イカ天から震災まで、人間椅子の22年に吉田豪が迫る
人間椅子が通算20枚目のニューアルバム「此岸礼讃」をリリースしたことを記念し、人間椅子の和嶋慎治(G, Vo)にプロインタビュアーの吉田豪がロングインタビューを敢行。この模様をナタリーPower Pushにて公開した。今回のインタビューでは、彼らがシーンに登場するきっかけとなった「イカ天」についてのエピソードや、苦労してやめたアルコールの話、私生活でのトラブル、東日本大震災がもたらした自身の音楽への影響など、幅広くさまざまな話題を展開。かつてない大ボリュームで人間椅子のこれまでと現在を紐解いた。』
特集記事
【世界が振動を起こすというテーマで曲を作ろうと思ってた】吉「まさに彼岸(煩悩を脱した悟りの境地)と此岸(煩悩に苦しめられる現世)みたいな話ですよね。」和「そういう意味では、アルバムの話をしてなかったですけど……。」吉「ええ、ニューアルバムのタイトルが“此岸礼賛”というわけで、今そのトスを上げてみました(笑)。和「そうですね。いつアルバムの話すればいいのかと思って(笑)。いくらでも曲が書けるっていう言い方はちょっと傲慢なんですけど、題材に困るってことはもうないんですよね。書くべきことが見つかったから。」
イメージ 2
吉「それだけ自分を掘ってればいくらでも出ますよね。」和「うん。書きたいことがあるんです、言葉にならないものが。だからCD出せる状況はやっぱありがたいと思いましたね。」吉「今回、歌詞は震災以降っていう感じがしましたね。」和「ああ、それはもちろんきっかけとしてあります。アルバムを出すっていうことはずっと前から決まってたんですけど、本格的に曲を作り出したのが2月に入ってからで。最初、人間は光になるために生まれてきた存在だっていうテーマでまず作ろうと思って。あと人間の意識を覚醒させるために、大地っていうか世界が振動を起こすっていうテーマで曲を作ろうと思ってたの。」吉「うわ!」和「で、実際そういう曲を作って3月の頭にスタジオで練習して、覚醒のためにいろんなことが起こるっていうことをテーマでアルバム作ろうと思ったら地震が起こって。このテーマはちょっとヤバいと思いました。」
イメージ 3
吉「まあ、アウトですよね……。」和「すぐさま、この内容で世に問うべきではないと考え直しました。やっぱりね、あまりに不謹慎というか失礼だと思ったんですよ、被害に遭われた方々に。で、それは「沸騰する宇宙」っていう曲になったんですけど、ちょっとテーマを変えて。正直、こうしたことはいつ起こってもおかしくないと思ってました。」吉「そろそろ来るはずだっていうのは薄々わかってましたよね。」和「夢も結構見てたんですよ。たびたび見るんで、ああもう時間がないと思ったりしてね。それはすごい悲惨なことなんだけど、困難から大事なことに気がつくということも一面としてあると思って、現実に起こる前に、それを歌詞に書きたいなと思ってたら……地震が起きたわけですよね。で、地震が起きた直後ぐらいに街に出ると、すごい悲しそうな顔をしてる人とかもいるわけですよ。さっき泣いたんだな、みたいな。そういう人の顔を見ると、自分もすごい悲しいし、苦しくなって。被災された方々のことを思っても悲しいし、現に今生きててつらいんだろうなって人の顔を見ても悲しくて、泣いちゃったりしてさ。」吉「ただでさえ最近は涙もろくなったしで。」和「涙もろいですよ。自分の中である種、苦痛を消化した頃から急に涙もろくなっちゃって。そういう悲しみみたいなものっていうのは、ある意味、普遍的な愛に気づくきっかけになりうるっていうか。人間椅子が愛って言うのもなんなんですけど、フラットな愛に気づいて、そういうことをわりと曲に盛り込んだりしたんですよ。だから震災の影響はありますね。」
イメージ 4
【人間はただ食って死んでいくだけの存在じゃない】吉「震災の影響は相当大きい気がしましたね。それによって何かが変わるというか。」和「変わらないといけないと思ったんですよ。別に僕らはプロテストソングをやるわけでもないし、政治家でもなんでもなくてただのロックアーティストですから偉そうなことは何も言えないんだけど。ただ、こうじゃないかなって言うことはできるんですよね。しかも日常会話じゃちょっと恥ずかしくて言えないことも、ロックだったら実は言えるっていう。これは素晴らしいものだと思ってね。だからわりと恥ずかしい言葉を使ったりして。やっぱり震災以降にアルバム作った人はいっぱいいたけど、とにかくみんな自称アーティストでやってるんだったら、それを出さなきゃ嘘だろって思ったんだよね。曲を作ってて震災の影響がなかったらおかしいよね。」吉「mc2の理論がとうとう馬脚を現わしたんだぜ、っていうフレーズもありましたけど。」和「そう、原子力っていうのもそうだと思うし。あんまり具体的には言えないんですけど、これから根本的に世の中が変わっていく気がするんです。今の感じでいくのは、もう無理だと思うんですよ。それをみんな薄々感じてるんじゃないかなとも思って。一方で、それをなんとかして持続させようっていう働きもあるでしょうけど。それがロックだったら言えるかなと思っただけ。」
イメージ 5
吉「それまでメッセージ的なものを出したいっていう思いはあったんですか?」和「微妙には出してると思うんですよ。それこそ、人間はただ食って死んでいくだけの存在じゃないっていうことは、最初からいろんな言い方で書いてると思うんですけど、言葉はわりとわかりやすくなってきましたね、あんまり難しく書いても、あんまり伝わってないなって思ったりしたんで(笑)。とにかく、昔にはもう戻れませんからね。のほほんとした平和な時代にはもう戻れないなと思って。なにかしら意識を持たないと、これから先つらくなりますよ。お金だけがすべてじゃないっていうふうになってくれればいいなと思うんだけど。そうなりつつあるような気もするんですよ。」
人間椅子オフィシャルサイト

※ありがとう、吉田豪さん♪的確な質問、ファンが知りたがっている情報をうまく聞き出す手腕、サスガデス

人間椅子「今昔聖」(AL「此岸礼讃」より)


ジョニデ語録(ジョニー自身の発言は赤字、他者のジョニーへの発言は青字、その他は黄字で)
ジョニデ語録解説
2度の共演を通じてマーロン・ブランドから得た最大の教訓は、自分が楽しけりゃいいってことさ。その結果失敗したってどうってことない。結局、たかが映画なんだから・・・
(「ザ・ジョニー・デップ」第五章より。『ブレイブ』に対する酷評を受けて)