『怪物はささやく』

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eiga.com 作品情報 『怪物はささやく』
■解説:イギリスの作家パトリック・ネスによる世界的ベストセラーを、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が実写映画化。孤独な少年と怪物による魂の駆け引きを幻想的な映像で描いたダークファンタジーで、スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で9部門を受賞した。裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。「PAN ネバーランド、夢のはじまり」のルイス・マクドゥーガルがコナー役で主演を務め、母親役を「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のフェリシティ・ジョーンズ、祖母役を「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーが演じる。リーアム・ニーソンが怪物の声を担当し、モーションキャプチャーにも挑戦。
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■スタッフ:/監督 J・A・バヨナ /製作ベレン・アティエンサ /製作総指揮 パトリック・ネス ビル・ポーラッド ジェフ・スコール ミッチ・ホーウィッツ ジョナサン・キング パトリック・ワックスバーガー エンリケ・ロペス・ラビニュ ジスラン・バロワ アルバロ・アウグスティン /原作 パトリック・ネス /脚本 パトリック・ネス /撮影 オスカル・ファウラ /美術 エウヘニオ・カバレロ /編集 ベルナ・ビラプラーナ ジャウマ・マルティ /音楽 フェルナンド・ベラスケス
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■キャスト:ルイス・マクドゥーガル(コナー) フェリシティ・ジョーンズ(母親) シガニー・ウィーバー(祖母) トビー・ケベル(父親) リーアム・ニーソン(怪物ー声ー)
■作品データ:/原題 A Monster Calls /製作年 2016年 /製作国 アメリカ・スペイン合作 /配給 ギャガ /上映時間 109分 /映倫区分 G
オフィシャルサイト
※主人公の少年が、心に闇を抱える微妙な部分をうまく体現できてるなー、と感心。
ちょっと、銀シャリ・鰻くんの幼少時代?と思わせてくれるよな風貌の子だったw

●『怪物はささやく』本予告


・東京・ユジク阿佐ヶ谷では「ファンタジー映画特集上映」があったみたい~。
映画ナタリー ダークファンタジー特集で「ミス・ペレグリン」「パンズ・ラビリンス」など4本上映
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「ダークファンタジー映画の特集上映が、2月3日から16日にかけて東京・ユジク阿佐ヶ谷で行われる。この特集では、第90回アカデミー賞で最多13部門にノミネートされている「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督作「パンズ・ラビリンス」を上映。そのほか、ティム・バートン監督作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」、「パンズ・ラビリンス」の製作スタッフがパトリック・ネスの児童文学を映画化した「怪物はささやく」、赤子が突如消えてしまったことをきっかけに家族が狂気に陥っていく「ウィッチ」といった2017年公開作3本がラインナップされた。上映スケジュールなどの詳細は公式サイトを確認しよう。/詳細:2018年2月3日(土)~16日(金)東京都 ユジク阿佐ヶ谷 <上映スケジュール> /2月3日(土)~16日(金)「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」 /2月3日(土)~9日(金)「ウィッチ」/2月10日(土)~16日(金)「パンズ・ラビリンス」「怪物はささやく」・・・料金:一般 1200円 / 学生、シニア 1000円 / 会員 800円 ※木曜サービスデー1000円』
※上映終了後に載せても、なんの意味もない情報ですが・・・。

BILLY'S映画レビュー(ネタバレ無し&余談あり)
『原作パトリック・ネス「怪物はささやく」を映画化したものが本作となります。/◉ルイス・マクドゥーガル(コナー・オマリー役)・・・病気の母親と一緒にく暮らす12歳の少年。学校ではいじめられており、いつも一人ぼっちで過ごす。本作の子役に選ばれたのは、オーディションで1000人の頂点に立ったルイス君。彼の演技力に惹かれた方は多いはず。私も彼の演技に引き込まれた1人です。
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特典映像にて、他の出演者たちが揃ってルイスを絶賛しており、将来が恐ろしい俳優でもある。ちなみに他の映画では「PAN ネバーランド 夢のはじまり」にも出演している。/◉怪物(声優リーアム・ニーソン)・・・突然コナーの前に現れた巨大な怪物。コナーに3つ話をする為現れる謎の存在。怪物の声優を演じたリーアム・ニーソンは、声優だけでなく怪物の動きもモーションキャプチャーで演じている。
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そんな貫禄のある俳優リーアムは、出演作が多すぎて紹介出来ないほどである。中でも有名なのは新スターウォーズ・シリーズや「96時間」シリーズの3作、「バットマン」シリーズなどetc…。「ナルニア国物語」シリーズやその他作品でも本作同様に声優を担当している。色々な映画にカメオ出演もする人気者である。特典映像ではリーアムの貴重なモーションキャプチャー時の姿も少しだけ観ることが出来るので必見である。/◉シガニー・ウィーバー(クレイトン役)・・・コナーの祖母。娘(コナーの母親)の容体が悪いので、コナーを引き取り一緒に暮らす為現れる。映画「エイリアン」シリーズで超有名になったシガニーは現在68歳(今年69歳)。大分お年を召されたが今でも十分美しい。そしてどの作品に出演してもだいたい存在感が強く、目力(メヂカラ)が凄い。※主演じゃなくても。
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/◉フェリシティ・ジョーンズ(エリザベス・クレイトン役)・・・コナーの母親。離婚している為オマリーでなくクレイトンとなっている。そんなフェリシティは、スターウォーズシリーズの「ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー」や「博士と彼女のセオリー」、「ダヴィンチ・コード」シリーズの最新作「インフェルノ」などでも活躍している。特に、有名なスター・ウォーズシリーズのスピンオフ作品「ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー」に出演したことで認知度が急上昇したはず。本作では病気の優しいお母さん役を演じており、演技良し。子役のルイスとは親子役を演じるにあたり、信頼関係を築く為一緒にプライベートで出掛けたりもしたそうです。※特典映像のインタビューは必見!この映画を分かりやすく2秒で説明しろと言われたら以下の通り。★【ダイソン並みに心を吸引してくる】映画★』
※やはり、役者の巧みさと、怪物の造形のカッコ良さ(語られる物語のアニメクオリティの高さも相まって)で成立している部分は大きいでしょうね♬

★ネタバレありの感想サイトですが、ネタバレを避けて引用しまーーす。
三角絞めでつかまえて 怪物はささやく(ネタバレ)
『80点。怪物が語る物語は、アニメで表現されたりと、なかなか凝ってました。
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ギレルモ・デル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」は100点の映画だと思っている僕ですよ、「現実が辛くて妄想の世界に逃避する子どもの話(「でも、妄想じゃなかったのかも…?」という余韻込み)」となれば、そりゃあ大好物だし、目がもげるほどに泣かざるを得ない。つーか、自分に娘ができてから“苦しむ子ども”を見るのが本当にキツくて、ルイス・マクドゥーガルの名演もあって、もうコナーが可哀相で仕方なかったです。いや、僕自身だって、中学生になる前ぐらいまでは、「もしお母さんが死んじゃったら… (ノω・、) ドウシヨウ」と枕を涙で濡らす夜もあったワケで。当たり前だけど「子どもが親の死と向き合う」なんてのはヘビーすぎる体験だし、そんな子がいたら周囲の大人は優しく接するべきなんだよな…なんて、いたって普通の感想 (・ε・) フツー /あと、ビジュアル的に見事なシーンも多くて、この場面(怪物に追われているのではなく、むしろ「マジン、ゴー!」な感じ)とか超カッコ良かった。
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スゲー良い映画だなぁと感動しつつも、僕はどうしても「パンズ・ラビリンス」と比較しちゃって、なんとなく80点止まりなのでした。実はまだあちらこちらで上映されていたりするのでね、ファンタジー的な作品が好きな方はチェックしてみてはいかがでしょうか。で、その後は町山智浩さんの解説(216円)を聴いて補完してみてくださいな(リーアム・ニーソンが奥さんを亡くしたことまで言及してるのはさすが!)。』
※そうそう、『パンズ・ラビリンス』との比較で鑑賞されてしまいがちなのは、
本作のもっとも不幸な部分だろうて・・・。

リーアム・ニーソン インタビュー映像


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※ビッグフィッシュとの大まかな共通点
 今では死期が近くなった人から、作り話を聞かせられて育った主人公
 その語り部(父親と怪物)に嫌悪感を抱く主人公
 聞かされる物語に否定的だったが最後は自分の口から物語を紡ぎ出す
 死後に明かされた、語られた物語の秘密

★有名人 感想ブログ


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佐伯日菜子 オフィシャルブログ 日菜歩路(ヒナブロ)ギリギリ今月の映画
『今日で6月も終わりー。ということで今月観た映画の中で好きだったものをいくつか・・・/試写状が来た瞬間から観たかった「怪物はささやく」。予想以上に素晴らしかった!少年のもとに毎晩同じ時間に現れる怪物(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のグルートっぽい。)ささやくどころか叫ぶしめちゃくちゃ暴れるし・・・でもその一見荒療治とも思える怪物の存在は少年が自分の心に閉じ込めていた自己を認め、解放し、いろんなことを乗り越えていくパワーとなるのである。ラストには思わず驚きと感動の涙。』

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グレートサスケ オフィシャルブログ 怪物はささやく
『少年が悪夢にうなされる。25点』
※サスケはん、それだけでっかーー?さては、途中で寝たな~w

高見恭子オフィシャルブログ ここで待っています 映画「怪物はささやく」試写
『ストーリーも、映像のことも、いっさい目に耳にしないで、心の扉を開けるようにして見てください。かつて出会ったことのない素晴らしい物語、映画にすとんと引きずり込まれ、釘付けになります。夢のような現実、現実のような夢の世界へ。少年とともに、心の旅に出ましょう。』
※高見さん、映画のPRお上手ですなーー。サスケとは違うww

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くまモンもクマの怪物です、ある種の。ま、くまモンはささやけませんけど・・・。

●メイキング映像【怪物をつくりあげるまで】


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※イチイには癒やし効果があるそうな。
 あと、英国では墓地に植える木なので「死」の象徴とされる

◎以上、2ちゃんからの拾い情報デシタ。

・最後は原作本のご紹介!
Amazon.co.jp 怪物はささやく (創元推理文庫 F ネ 2-1) パトリック・ネス (著),‎ ジム・ケイ (イラスト)
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『■内容(「BOOK」データベースより):真夜中過ぎ、墓地にそびえるイチイの大木の怪物がコナーのもとに現われて言う。「おまえに三つの物語を話して聞かせる。わたしが語り終えたら、おまえが四つめを話すのだ」母の病気の悪化、学校での孤立、そんなコナーに怪物は何をもたらすのか。心締めつけられる物語。(ゴヤ賞本年度最多9部門受賞)/■登録情報:/文庫 254ページ /出版社 東京創元社 /言語 日本語 /ISBN-10: 4488593070 ISBN-13: 978-4488593070 /発売日 2017/5/28 /梱包サイズ 15.1 x 10.6 x 1.6 cm /おすすめ度 5つ星のうち 4.7 /■カスタマーレビュー:みなちん 5つ星のうち4.0「昔 子供だった大人たちへ」2017年7月31日・・・映画を観て もう一度 怪物が話す三つの物語を ひとつひとつ 考えたくて 原作を読んでみた。映画で わかりにくかったところもよくわかった(当たり前だが)し、主人公の 周りの人の気持ちも 知ることができた。なにより 怪物が何もので 何をしに来たのか 映画とは違う手法で 理解させてもらった。たまに入る挿絵で 読みづらい部分もあったけど。深いなぁ。人間は 本当に複雑で、マルかバツか、白か黒か、正義か悪か、その二択だけでは割り切れない。それを 主人公が 自分1人で抱え込んでいるのが 辛かった。主人公が この年齢だからこその話かな。これより年下でも年上でもだめ。そして これは 子供より 大人に読んで欲しいと思った。「その年頃」を 通って来た大人に。』
※なるほど。原作を読んだら、3つの寓話の内容ももっと深く理解できるかもしれんな~。




☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日2月22日(木)の、「元気が出る言葉」は~?

『春風や 闘志抱きて 丘に立つ』
出展:?
発言者:高浜虚子俳人 1874年2月22日~1959年4月8日)
『解説:この句は、虚子が高校の同級生でもあり、共に同郷松山の先輩、正岡子規に兄事し、俳句を教わった仲である川東碧梧桐と対決する決意表明として読まれたらしい。難しい俳句が多い中、心機一転、決意表明として使いたい。率直で、絵の浮かんでくる熱い俳句だ。』

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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・

五・七・五のこころ旅 吟行ナビえひめ
『闘志を抱いて、丘の上に立った。この闘志を後押しするかのように、春の風が吹いてきた。虚子は、一時小説家を志し、俳壇から遠ざかっていた。その間、俳壇の主流は、碧梧桐を中心とする新傾向俳句であった。これに対して虚子は、「俳句は伝統文芸である」と考えていた。新傾向派に対峙するように、39歳で俳壇復帰を決めた。句は、大正2年、東京芝浦の三田俳句会で詠まれたもの。虚子の俳壇復帰宣言のような句である。虚子は子規没後、「ホトトギス」を主宰して、花鳥諷詠の客観写生を説いた。※校内に立ち入る際には、小学校に事前にお電話もしくは職員室にお声掛けください。』

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・句碑データ:/住所 二番町4丁目6-1 番町小学校 /建立年 昭和53年3月 /建立者 卒業記念として

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真空管ラジオで聴く【歴史的音源】 高浜虚子 本人肉声 俳句朗読


[郡山市立緑ケ丘中学校HP 百日紅(ヒャクジツコウ)? 【行事風景】 2011-08-13]
『緑ケ丘中に続く街路樹は、今を盛りと華麗な花を咲かせる「百日紅」からなり登下校する生徒の目を楽しませ勇気づけてくれているようです。百日紅(ヒャクジツコウ)とは、一般には「猿滑(サルスベリ)」という名で親しまれています。たくさん花を咲かせるこの時期に、樹皮がはがれやすく幹がなめらかなので、木登りの上手な猿でさえ滑り落ちてしまういそう、ということから「サルスベリ(猿滑り)」。また花色が美しいうえ、夏の盛りから10月ころまで100日間咲き続けることから漢名である「ヒャクジツコウ(百日紅)」とも呼ばれています。
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真夏の炎天下に美しく咲き乱れるサルスベリに「散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」 加賀千代女/「炎天の 地上花あり 百日紅高浜虚子、と素敵な俳句も詠まれています。まさに、この炎天下に次々に花を咲かせるサルスベリの力強い生命力を感じさせてくれます。花言葉は、「雄弁」「愛敬」「活動」「世話好き」白やピンク紅そして紫と、一本一本個性を発揮し「生き生きと学ぶ緑中生」を励まし、勇気づけてくれるように感じました。文責 中村』
花言葉、勉強になりました!!

☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
サライ 「夏目漱石」の記事一覧

“隣り近所の賞賛を求めず(『書簡』明治39年10月21日より)”

【1911年2月22日の漱石】文部省が送ってきた文学博士の証書を突き返す

今から105年前の今日、すなわち明治44年(1911)2月22日、午後4時10分、数え45歳の漱石は、入院中の長与胃腸病院で、オブラートに包んだ薬を飲もうとしていた。そこに門下生の行徳二郎がやってきた。二郎は「昨夕、文部省から届いたので、とにかく持って参りました」そう言って、古新聞に巻いた1通の証書を差し出した。漱石はそれをいったん広げ目を通した。文部省(現・文部科学省)による文学博士の学位記の証書だった。漱石は言った。「じつは昨日、文部省へ断りの手紙を出したんだよ」

漱石の留守宅へ、文部省から突然、博士号授与の通知が届いたのは2日前であった。夏目家にはまだ電話が引かれていなかったので、妻の鏡子は近所の家で電話を借り、入院中の漱石に急ぎ連絡をした。漱石は早速、病院から文部省へ辞退申し入れの手紙を出したのだが、それと入れ違いに、自宅へ証書が届けられていたのだった。漱石の博士号辞退の手紙の一節は、こんなものだった。

《小生は今日まで、ただの夏目なにがしとして世を渡って参りましたし、これから先も、やはりただの夏目なにがしで暮したい希望を持っております。従って私は博士の学位を頂きたくないのであります》へそ曲がりのようにも映るが、別に気張っているのではない。既成の権威によりかからず、個を貫く気概を大切にしたい漱石なのだ。漱石はいつに変わらぬ静かな調子で、二郎に文部省への証書の返却を頼んだ。漱石は、じつは若い頃から「博士になどならない」と思い定めていた。英国留学中、鏡子夫人の妹が何の気なしに「博士になって早くお帰りなさい」と手紙に書いて寄越したのに反発し、鏡子宛ての手紙に《博士になるとはだれが申した》《博士なんかをありがたがる様ではだめだ》などと書いたこともあった。

さらに、こんな後日談もある。この辞退騒動から4年余りが経過した大正4年(1915)4月、漱石の知人で教育界の先達である杉浦重剛(天台道士と号す)の還暦祝賀会が開かれることになった。それに先立ち、前年の秋、その発起人に名前を連ねてもらえるよう、準備を進める祝賀会事務所から漱石のもとに依頼があった。漱石はこれを快く引き受けたが、ほどなく送られてきた印刷物の趣意書を見ると、発起人氏名の欄に「文学博士 夏目金之助」とある。/漱石はこれを放置しておくことができず、「文学博士」の4文字を削除するよう願い出た。申し出を受けた祝賀会事務所でも、誤って勝手に「文学博士」と入れてしまった責任があるだけに、すぐにこれに対応した。まずは訂正の葉書を印刷し、すでに趣意書を送ってしまった関係者200 人に送付。一方で、残りの1万枚の趣意書は、「文学博士」の4字を墨で塗りつぶしてから配布することにしたのである。

漱石も、この迅速な処理に応えた。次のような手紙とともに、祝賀会事務所に寄付金を送付した。《天台道士祝賀会寄附金五円御送附(ごそうふ)候間(そろあいだ)、御落掌(ごらくしょう)相成(あいなり)たく、規定は壱円に候(そうら)えども過日小生の姓名御訂正のみぎり葉書二百枚と右印刷代とを御支出(ごししゅつ)相成候故(ゆえ)、壱円にては差引不足にて寄附にも何にも相成らず候故、例外として五円差出候次第に御座(ござ)候》(大正3年12月11日付)/すなわち、訂正の葉書の印刷代と郵送代をもらってもらうため、4円増額して寄付金を納めたというわけ。漱石先生の「博士号辞退」は、ここまで筋金入りだったのである。

ジョニーAのつぶやき:「細かすぎて伝わらない関連動画など」を、今回は辞退で・・・