『劇場版 パワーレンジャー』

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eiga.com 作品情報 『パワーレンジャー』
■解説:日本の「スーパー戦隊」シリーズを英語版ローカライズしたテレビドラマを、最新の映像技術を用いてリブートし、映画化したアクション大作。紀元前、世界の運命を決める大きな戦いが起こり、5人の戦士によって地球は守られた。そして現代。平凡な毎日を送っていたジェイソンら5人の若者は、偶然にも同じ時間・場所で不思議なコインを手にしたことから、超人的なパワーを与えられる。戸惑う彼らの前に、かつて世界を守った「パワーレンジャー」の1人であるゾードンと機械生命体アルファ5が出現。再び地球を滅ぼすべく復活した悪の戦士リタ・レパルサを阻止するため、ジェイソンたちが新たなパワーレンジャーに選ばれたと告げられるが……。パワーレンジャーの5人には本作がハリウッドデビューとなるデイカー・モンゴメリーや全米ブレイク中の歌手ベッキー・Gら、フレッシュな顔ぶれを起用。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でBB-8の声を演じたビル・ヘイダーがアルファ5役、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンがゾードン役、「ピッチ・パーフェクト」のエリザベス・バンクスがリタ・レパルサ役をそれぞれ演じる。
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■スタッフ:/監督 ディーン・イズラライト /製作 ハイム・サバン ブライアン・カセンティーニ マーティ・ボーウェン ウィク・ゴッドフリー /製作総指揮 アリソン・シェアマー ブレント・オコナー ジョン・ゲイティンズ ジョエル・アンドリク 鈴木武幸 /原案 マット・サザマ バーク・シャープレス ミシェル・マローニー キーラン・マローニー /脚本 ジョン・ゲイティンズ /撮影 マシュー・J・ロイド /美術 アンドリュー・メンジース /衣装 ケリ・ジョーンズ /編集 マーティン・バーンフェルド ドディ・ドーン /音楽 ブライアン・タイラー /音楽監修 シーズン・ケント ■キャスト:デイカー・モンゴメリー(ジェイソン・スコット/レッド・レンジャーー) ナオミ・スコット(キンバリー・ハート/ピンク・レンジャー)RJ・サイラービリー・クランストン/ブルー・レンジャー ベッキー・Gトリニー/イエロー・レンジャー) ルディ・リン(ザック/ブラック・レンジャー) エリザベス・バンクス(リタ・レパルサ)ブライアン・クランストン(ゾードン)ビル・ヘイダー(アルファ5ー声ー) デビッド・デンマン(サム・スコット)
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■作品データ:/原題 Power Rangers /製作年 2017年 /製作国 アメリカ /配給 東映 /上映時間 124分 /映倫区分 G
オフィシャルサイト

●予告

※特撮ドラマの「パワーレンジャー」が米国で社会的現象と言われるくらい
大ヒットしたわけだが、やはり日本人が滾るシーンとアメリカ人が面白がる
ところには若干の違いがあるんだろう。それが証拠に、今回の劇場版では、
巨大ロボの合体シーンはなく、5人の戦士が協力して敵を倒すお約束の技も
出てこなかった。『トランスフォーマー』や『パシフィック・リム』を観た
後に感じた、一抹の悲しさといったモノは共通している。しかし、ここまで
日本文化をリスペクトしてくれる設定への感謝が、そのマイナスを吹き飛ば
してくれるのだ!(その部分も『トランス~』『パシフィック~』と同様。)

eiga.com 特集 パワーレンジャー、本気でスゲェぞ!!
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※本国で、この盛り上がりを期待したんだろうけど、興収はイマイチだった
模様。どうしても、ハリウッドで映画化すると、学園ものの、落ちこぼれ
奮戦記になってしまうのネン~。少なくとも、昔パワーレンジャーに熱狂した
層には響かなかったんだなぁー。

eiga.com 「パワーレンジャー」の“通”な見方は?デイカー・モンゴメリー&ナオミ・スコットが解説
『製作費約120億円を投じ、日本の特撮「スーパー戦隊」シリーズの英語版ドラマを映画化した「パワーレンジャー」に出演した若手スター、デイカー・モンゴメリーとナオミ・スコットが来日し、作品の舞台裏について語った。(あらすじ略)
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オーストラリア出身のモンゴメリーは本作に続いてNetflixの人気SFドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の新シーズンに出演し、イギリス出身のスコットはガイ・リッチー監督の実写版「アラジン」のジャスミン役候補に挙がるなど、スター街道を今まさに駆け上がっている最中。「本作ですごく成長したと思う。大学を卒業する直前にこの役が決まったんだ。泳ぎ方も知らないのに、プールの1番深いところにぽんと投げ込まれたような感じさ! 本作でハリウッドデビューできて本当にラッキーだったよ」(モンゴメリー)、「アクションものは初めてだったから、トレーニングや殺陣について多くを学んだわ。それが1番の成長といえるかもしれない」(スコット)と充実の表情を浮かべる。/とはいえ、アクション満載の本作で、しかもヒーロー役に挑戦するのは並大抵のことではなかった。「スタジアムでの撮影は、朝の3時に50テイクも撮影してね……しかもカットされたんだよ(笑)。(ディーン・イズラライト)監督は何度も撮り直すんだけど、(演技指導を受けたのは)特に僕。苦労したのはそこかな」(モンゴメリー)、「水中シーンが1番つらかった。1日中水に浸かっていなければならないし、メンバーの1人の体を支えながらもぐるシーンで、実際にはダミーを使ったんだけど、なぜかとにかく重いのよ(笑)。どんどん沈んじゃって死にそうになったわ」(スコット)と過酷な撮影を振り返る。
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「谷を飛び越えるところで、(空中で)手足を動かさなきゃいけないんだけど、あれが意外と難しくって。デイカー(・モンゴメリー)なんか、「E.T.」の自転車をこいでるシーンみたいだったのよ!」とスコットがぶっちゃけると、すぐさまモンゴメリーが「僕はE.T.です」とボケるなど息のあった会話を繰り広げ、劇中さながらのチームワークを見せ付ける。/本作の前身となるテレビ版「パワーレンジャー」は、1992年に日本で放送された「恐竜戦隊ジュウレンジャー」を基にしている。本作の劇中にも、20年以上の歴史を誇る「パワーレンジャー」のファンはもちろん、「スーパー戦隊」シリーズの生誕地・日本のファンにはなじみ深い描写がちりばめられている。
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モンゴメリーとスコットに、日本のファンに教えたいコアな注目ポイントを聞くと「“タイタンバトル”というか、パシフィック・リムでも描かれていたような巨大バトルかな。ビルと同じような大きさのクリーチャーと戦うのって、日本的なものだと思う。本作にはオリジナルのシリーズに基づいている部分はかなりあるんだけど、アップデートも必要だった。「パワーレンジャー」が始まってから23年間経っているから、映像技術もものすごく革新されているんだ。その結果、本当にスペクタクルな映画になっているよ」とモンゴメリーは旧シリーズの魂を受け継ぎながらも、最新鋭の映像技術がふんだんに盛り込まれていると手ごたえ十分。対するスコットは「あまり多くの方が知らないポイントとして、スーツの胸の部分だけがCGで表現されているの。宇宙を象徴しているのよ。見ただけではなかなかわからないと思うから、そこもちょっとチェックしてほしいな」と語った。』
※いまや、娯楽映画の主流がアメコミヒーローものとなっているような時代に
戦隊ヒーローの登場!!・・・っつっても盛り上がらんのは当然という気もする。

RIVER 【独占スクープ】映画『パワーレンジャー』が続編に向けて始動中!グリーンレンジャーも登場か
『THE RIVERでは、2017年6月3日に本作プロデューサーのブライアン・カセンティーニ氏にWeb媒体独占インタビューを行っていた。実はその際、『パワーレンジャー』続編制作に関する発言を引き出していたのである。ブライアン氏によると、進行に向けて鋭意努力中の『パワーレンジャー2(仮題)』は、アメリカでも人気が高いグリーンレンジャーをフィーチャーした内容になるという。
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筆者が「続編も期待しています」と尋ねると、ブライアン氏は「第二作を手がけることにとても興奮しています」と回答。「進行中なのですか?」の問いかけには「イエス」と明言していた。「パワーレンジャー」のポスト・クレジット・シーンでは、グリーン・レンジャーことトミー・オリバーの存在を示唆する描写があった。続編では、ティーンエージャー版のグリーンレンジャーとして登場するという。原案となった米TVシリーズ版「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」では、当初はヴィランであるリタ・レパルサに洗脳された悪のレンジャーとして登場するのだが、ブライアン氏は「その設定は変更するつもりだ」と明かした。
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「第二作では、トミー・オリバーがグリーンレンジャーとなる様子も描かれますよ。まだキャスティングは決まっていませんが、既にいくつかアイデアはあります。」ちなみに、「パワーレンジャー」終盤の戦闘シーンでメガゾードの写真を撮影していた夫婦は、オリジナル版「マイティ・モーフィン・パワーレンジャー」のピンクレンジャー役エイミー・ジョー・ジョンソンとグリーンレンジャー役ジェイソン・デビッド・フランク。ブライアン氏は、ロサンゼルスで開催されたワールド・プレミア上映時、このカメオ出演の場面で会場から歓声が上がったと振り返るが、それ以上に大きな絶叫が響いたのが、トミー・オリバーの示唆シーンだったという。「もの凄い歓声でした。グリーンレンジャーはアメリカではとても有名なキャラクターなんです。」
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なお、「パワーレンジャー」続編の制作は現時点(2017年8月)でサバン・ブランドやライオンズゲートより公式にアナウンスされているわけではない。あくまでもプロデューサー一個人の発言ではあるが、主要関係者による続編実現への動きは事実のようだ。日本のファンは、「パワーレンジャー」続編では、どんなシーンに期待すべきだろうか。』

●Tokkyuu Shirei Solbrain / 特救指令 ソルブレイン

※戦隊ヒーローのカッコ良さが凝縮されてる!!

飛石連休 藤井ペイジ オフィシャルサイト [映画]パワーレンジャー
『日本の少年たちは、誰もが一度はお世話になる「スーパー戦隊」シリーズ。それがハリウッドの映像技術を駆使してリブートされ、日本に逆輸入されたのがこの映画です。監督はディーン・イズラライト。なんと32才!やっぱり映像の迫力が凄いっすね。さすがハリウッドパワー。
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そもそも僕なんかは「秘密戦隊ゴレンジャー」や「ジャッカー電撃隊」など、初期の初期の時代に見ていた世代なんで、最近の戦隊シリーズをたまに見かけると、その凝った映像の演出に驚くばかりなんですがこれはまた、ケタが違いました。笑 /でもやっぱり、戦隊ヒーローは子供向けのもので。(大人のファンも多いのは知ってますけど)ハリウッドリメイクされたからと言って、大人向けに転身するわけではないのですね。ストーリー自体も、戦隊ヒーローとしてはオーソドックスなパターンを集めたような造りで。5人のチョイス的なものも、「偶然居合わせた」みたいな感じだったので、僕としては、もっとベタに攻めてもらって「かつての戦士の生まれかわり」だの、「実は本人も知らなかったけど宇宙人」だのと作り上げて欲しかったです。とは言いつつも、やっぱりメカだのロボだの変身だのには男の子の血が騒ぎ、楽しんじゃったんですけどね。自分の中で「パシフィック・リム」ばりの高揚感を勝手に期待してしまっていたので、さすがにあれには及ばなかったです。』
※藤井さんは、『パシフィック・リム』肯定派のようッスな。解る気がするわーー。

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※敵ボスのリタが孤軍奮闘している姿は、ちょっと切なかったゾヨ。
(どことなく『里見八犬伝』の夏木マリ様のようだったー。)
いっそ、「タイムボカン」シリーズを参考にして、ボンクラな手下
を二人、お供につけると良かったんじゃあ?その二人のうちの一人
南海キャンディーズ山ちゃんを声優として起用したら良かったカモ。

しょこたん☆ぶろぐ ケジャン
『いまだからいうアメリカのライブでスカシカシパンマンの中のひとが、パワーレンジャーの中のひとだったの!!へけけっだから機敏でばく宙までしちゃうスカシカシパンマンだったおっお!!パシャッ! Σp[【◎】]ω・´) 〓しょうこ〓

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※このパワーレンジャーの人、ってーのは、TVドラマ版で演じている人ってこと
 なのかしら~~~ん?

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 2017年07月29日
(『パワーレンジャー』解説は、28分過ぎから50分30秒あたりまで!)

※ドラマ部分が『ブレックファスト・クラブ』だ、という蘊蓄を戴く。。。
 いつか鑑賞してみまひょ。




☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日3月4日(日)の、「元気が出る言葉」は~?

『「運」ってやつは、たえず変わる。いま後頭部にがんと一撃くらわせたかと思うと、次の瞬間には砂糖をほおばらせてくれたりする。問題はただひとつ、へこたれてしまわないことだ。』
出展:「長距離走者の孤独」(新潮社)
発言者:アラン・シリトー (イギリスの作家。1928年3月4日~2010年4月25日)
『解説:「長距離走者の孤独」は、感化院に入れられた不良少年アランが長距離走をすることで成長するが、院長のおもわくで出場させられた大会でゴール直前にレースをやめてしまう、若者の怒りと反抗を示した名作で、映画もアカデミー賞をとった。一度は読みたい青春の書だ。』

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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・

Amazon.co.jp 長距離走者の孤独 (新潮文庫) アラン・シリトー (著),‎ Alan Sillitoe (原著),‎ & 2 その他
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『■内容(「BOOK」データベースより):クロスカントリー競技会で優勝を目前にしながら走るのをやめ、感化院長などの期待に見事に反抗を示した非行少年スミス―社会が築いたさまざまな規制への反撥と偽善的な権力者に対するアナーキックな憤りをみずみずしい文体で描いて、青春の生命の躍動と強靱さあふれる表題作ほか7編収録。/■登録情報:/文庫 246ページ /出版社 新潮社;改版 /言語 日本語 /ISBN-10: 4102068015 ISBN-13: 978-4102068014 発売日: 1973/9/3 /梱包サイズ 15 x 10.6 x 1.2 cm/おすすめ度: 5つ星のうち 4.2 /■カスタマーレビュー:JsYa 5つ星のうち4.0 「葛藤する若者が描かれている」2016年1月11日・・・権威あるいは社会で一般的とされることに対して、何かしらの疑問、反発を抱いている若い人に読んでほしいと思いました。大人になれば、良くも悪くも処世術を身につけ、社会との折り合いをつけて生きていくが、青年期は疑問・反発を抱き、葛藤することが多いかもしれない。本書では、社会に抵抗する若者が描かれており、その葛藤の内面がうかがい知ることができました。』

☆映画にもなってた。。。
eiga.com 長距離ランナーの孤独
『■解説:「土曜の夜と日曜の朝」のアラン・シリトーの同名小説を彼自身が脚色、「蜜の味」のトニー・リチャードソンが製作・監督した反抗青年のドラマ。ウォルター・ラサリーが撮影を、ジョン・アディソンが音楽をそれぞれ担当した。出演は新人のトム・コートネイ、アヴィス・バンネージ、ジェームズ・ボーラム、アレック・マッコーウェン、ジェームズ・カンクロスほか。一九六三年マル・デル・プラタ国際映画祭賞、同年イギリス・アカデミー最優秀新人賞を受賞している。
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■ストーリー:ボースタル感化院へ送り込まれたコーリントム・コートネイ)は長距離レースの選手にされた。貧困な町に生れ育って十八年、見すぼらしい家を想い出すにつけ、社会の現実に大きな抵抗を思う。父親は僅かな週給のために汗水流して働き、癌でポックリ死んだ。母親は家計をやりくりしながらも色男と遊んでいた……父親が死んだときの給付金も豪勢に使ってやった。兄弟達もよろこんでいた……ガールフレンドのオードリー(T・ジェーン)と盗んだ車で週末旅行をやったのも楽しかった……相棒のマイク(ジェームズ・ボーラム)とパン屋に押し入り、雨樋につめておいた隠し金が生憎の雨で流れ落ちて……つかまってしまった……。彼に特別目をかけて選手に仕立てた院長(マイケル・レッドグレーヴ)は、そのポリ公から逃げ出すことに特技のある彼をレースに優勝させて感化院の名声を望んでいるに違いない。権力と威厳で屈従させる院長への反感は、レースが近づくにつれ、大きくなっていった。さて、レースの日。彼は案の定トップを独走している。院長は満足げに紳士、淑女を見渡す。ところが、期待を一身に集めた彼はゴール間近で、急にスピードを落し後のパブリック・スクールのライバルに優勝を譲った。これが霜のおりた凍てつく早朝にトレーニングをさせられた彼の淋しい孤独の勝利の小さな復讐であった...
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■スタッフ:/監督 トニー・リチャードソン /脚色 アラン・シリトー /原作 アラン・シリトー製作トニー・リチャードソン撮影ウォルター・ラサリー音楽ジョン・アディソン編集アンソニー・ギブス/■キャスト:トム・コートネイ アヴィス・バンネージ ジェームズ・ボーラム アレック・マッコーエン ダーヴィス・ワード ジェームズ・カンクロス ジョー・ロビンソン マイケル・レッドグレーブ T・ジェーン
■作品データ:/原題 The Loneliness of the Long-Distance Runner /製作年 1962年 /製作国  イギリス /配給 昭映フィルム』

☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
サライ 「夏目漱石」の記事一覧

“先生を敬うこと、父に対する如し。先生もまた弟子に対すること、真の子の如し。これでなくては真の教育ということはできない(『愚見数則』より)”

【1915年3月4日の漱石雪舟の墨絵の魅力を門弟たちに語る

今から101 年前の今日、すなわち大正4年(1915)3月4日、漱石山房の木曜会には、門下生たちが集っていた。漱石山房とは、漱石が教職を辞して東京朝日新聞社に専属作家として入社した明治40年の9月から没するまでの10年間を過ごした旧居である。集まった門弟は、小宮豊隆、松浦嘉一、森田草平久米正雄漱石は彼らに向かって一幅の掛け軸を示した。先頃、門下生のひとりである岩波茂雄からもらった、室町時代後期の画僧・雪舟(せっしゅう)の墨絵であった。

岩波茂雄東京帝国大学哲学科の出身。2年前に古書店岩波書店を起こした。出版業へ進出したいというこの若者の志を応援するため、漱石は半年前、朝日新聞に連載した小説『心』(『こころ』『こゝろ』とも記述される)の単行本を、ほとんど自費出版のような形で岩波書店から刊行した。これを実質的な出発点にして、いまに続く老舗出版社「岩波書店」がスタートしたのである。

雪舟の墨絵を見て、皆は一様に感嘆の声をもらした。漱石が口を開く。「狩野探幽(かのうたんゆう)、俵屋宗達(たわらやそうたつ)、尾形光琳(おがたこうりん)といった人たちの一派に比べると、雪舟の方が気品が高いように思う」/この時期、人間臭さを離れ、人情を取り除いたような雪舟の作風が、漱石を魅了していたらしい。文学の仕事が、人情と密接したものであるがゆえ、正反対の趣に惹かれた面もあったのだろうか。漱石はさらにこんなふうに続けた。「動くということは下品なものだ。動くよりじっとしている方が品がよい。だから、文学や音楽は動かない絵より下品なものと言えるかもしれない」

漱石の美術趣味は一朝一夕のものではなく、幼少期にまでさかのぼる。随筆『思ひ出す事など』の中に、こんな一節がある。《小供(こども)のとき家に五六十幅の画があった。ある時は床の間の前で、ある時は蔵の中で、またある時は虫干(むしぼし)の折に、余(よ)は交(かわ)るがわるそれを見た。そうして懸物(かけもの)の前に独り蹲踞(うずく)まって、黙然と時を過ごすのを楽(たのしみ)とした》/文中の「余」は「私」の意味。要は、名主であった漱石の生家にはたくさんの軸物の絵画があって、漱石は幼い頃からそれに親しんだというのだ。これらは、いわゆる日本画であろう。その後、漱石は美術館見学や美術雑誌、画集の講読などを通して、和洋の絵画にふれて趣味を深めた。近年、人気の高い伊藤若冲(じゃくちゅう)を先駆的に評価してもいる。この頃に漱石が描いた『秋景山水図』なども、雪舟山水画を含め、様々な美術作品を味わった上での取り組みだったに違いない。

漱石と門弟たちとの間に、絵画をめぐるこうした会話のなされている部屋の片隅には、この日、門弟のひとり寺田寅彦から返送されてきたトランクが置かれていた。大きくて頑丈なこのトランクは、漱石が英国留学時に使ったもので、その後、寅彦の欧州留学に貸し出された。寅彦から返却されたそのトランクは、今度は米国へ行く門弟の野間真綱に貸す手筈となっていた。/漱石先生が愛用したトランクが、門弟たちの孤独な異国暮らしに、大きな慰めと励ましを与えたことは容易に想像できる。異境の地で、ふとそのトランクを眺めると、まるでそこに師の漱石がいてくれるような温かな思いが、彼らの胸にわきあがったことだろう。

細かすぎて伝わらない関連動画など

(「雪舟」「語る」で動画検索してみました!!)

デジタルアーカイブ総社市で生まれた画聖 雪舟


●「雪舟」東京シネマ1956年製作 イーストマンカラー 20分


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・没後450年にあたって、雪舟の画風と作品を紹介した。この作品が製作された経緯は定かではないが、この年の前後に、左翼系の世界平和評議会が、世界平和に貢献した人物の一人に雪舟を選んだことと無縁ではないようだ。他の東京シネマ作品と異なり、自主製作作品、製作者が複数であり、当時活躍していた多くの左派系映画人が、名を連ねている。

ジョニーAのつぶやき:雪舟が岡山出身だとは知らなんだーーー。