「マンガと松岡茉優」考

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LINE NEWS 演じることが、マンガへの恩返し。松岡茉優が全ての現場で全力を尽くす理由
『都内のスタジオ。CM撮影のセットに入ると、女優・松岡茉優の表情が変わる。セットの壁に貼られた、マンガ「響」の名場面。それを見ながら、吹き出しの中の「名言」を読み上げる。カットの声。せりふを言い終え、立ち止まった際の頭の位置が、想定よりもほんの少しだけずれていた。リテイクの求めに、ほほ笑んで応える。/立ち止まった際の足の位置を調整するのとは、訳が違う。空中のどの位置に、自分の頭が止まるか。数センチ単位の調整は、最後は偶然にも頼るような作業だ。10回を超えて、リテイクは繰り返された。それでも寸分たがわぬ声色、テンションで演技を続ける。そんな彼女が、セットの中で一瞬だけ「素」の表情を見せた。壁に貼られたマンガのひとこまをのぞき込み、白い頬をほころばせる。それは本当に、一瞬のことだった。カメラの方を振り返った表情は、再び「女優」のものに戻っていた。「このセットの山吹色の世界観、マンガ好きにはたまらないんです。大好きな1ページ、1ページがセット一面にある、誰もがあこがれる空間。だから、あっという間に時間が過ぎていった気がします」
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撮影の合間、彼女はうれしそうに言った。「だから今回のCM撮影は、私が一番気負わずにいられる時間と、お仕事のマッチングというか、融合というか。これがお仕事で本当によいのでしょうか、と思うくらいでした」文字通り、目を輝かせる。「絵が描けない身からすると、うらやましい限りです。例えば役のイメージに合わせたヘアスタイルを相談するときも、年齢、世代、趣味が違うと伝わらないんです」「頭の中で考えていることを絵にできたらなと、いつも思います。イメージを形にするという意味で、女優とマンガは似ているようですけど、私が似ていると言うのはおこがましいですね」/女優としての声価は、この数年で一気に高まった。それでも彼女は「おこがましい」と言う。「毎回、自分にがっかりするんですよ」/深々と、ため息をつく。「撮り終わった後、心底がっかりします。毎回。ヘタしたら1カットごとにがっかりしますし。ちょっと今回いけたんじゃないと思っても、試写でがっかりする」苦笑いをして、気持ちを整理しようとしてみる。セットの中のようには、うまくはいかない。
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「たぶん、もっと自分ができるって過信をしているんだと思うんです。それは樹木希林さん、安藤サクラさんみたいな先輩がものすごくかっこいいから」カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した「万引き家族」。彼女は先輩2人に引けを取らない演技で、評価を高めた。しかし本人が感じたのは憧憬(しょうけい)であり、絶望でもあったという。「わたしもここまでいけるかも、って希望を抱いてしまうんですよね。全然いけないのに」/壁にぶつかった時、活路の求め方は、人それぞれだ。とことん悩んでみる。人に教えを請う。壁を避ける道を選ぶ。彼女はマンガを手に取る。「何か吸収したい時に、あらためて読んでみたりします。というよりも、読みたい時が、吸収する時なんだと思います。そういう時には逆らわず読む。身体が求めている時には、読んだ方がいいなと」マンガにしてもらっていること。それは彼女にとって、非常に大きいという。「影響を受けたマンガなら、たくさんあります。どれを挙げるか、となったら、さあどうしましょうってほどです」セットの中で一瞬だけ見せた「素」の表情。それが徐々に、垣間見えてきた。「人生が変わったマンガだってあるし、考え方が変わったマンガもあります。大きな決断をしたきっかけになったマンガもある。強いて1つ挙げるなら、『ONE PIECE』」語るスピードが、急に速まってくる。「誰になんと言われようが、って誰もなんとも言わないですけど、でも私は世代が『ONE PIECE』世代なので。小学校からずっと読んできましたから」愛する作品。それについて語っているだけでも、言葉に生気がみなぎってくる。彼女は畳み掛けるように、記者に逆質問する。「キャプテン翼ドラゴンボールスラムダンク?」好きだったマンガを聞いているのだろう。スラムダンクと答えると、食い気味に返す。「スラダン!ですよね!」腕を組んで、何度もうなずく。「そういう感じで、ありますよね。世代マンガ。私は『ONE PIECE』。80巻以上出てますけど、全部持っています。引っ越しのたびに、全部持ち運びますから」
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なぜ、女優になろうと思ったのか。壁にぶち当たった時に、何を思って乗り越えたのか。人生の節目で、彼女の傍らにはいつも「ONE PIECE」があった。ヒントをくれた。背中を押された。だから、それを読み返せば、自分の人生を振り返ることもできる。身体が酸素を欲するように。あるいは水を要するように。彼女はマンガを求め続ける。「今ハマっている『僕等がいた』は、本当はロケ先にも全巻持って行きたいくらいなんです。でも仕事柄、1日の間に現場を何度も移動したりがあるので、全16冊を持ち歩くわけにはいかなくて」だからこそ、新しいマンガのあり方にも興味を持つ。「私は紙のマンガが大好きなんですけど、でもスマホに好きなマンガが全巻入っているというのは、すごく手軽でいいツールですよね。すぐに連載開始当初のストーリーに戻れるのもいいなと」/スマホを操作する手ぶりを交えて笑った後、しみじみと言う。「そういう新しいコンテンツのイメージキャラクターに選んでいただいたことは、すごくうれしいです。今までやってきた役が生きてきたんだと思いますが、とてもありがたいことです」/マンガのあり方も変わっていこうとしている。そんな現場に立ち会ったことで、確信を得たこともある。「どんな媒体であれ、伝わることが大事だと思うんです」目を見開くようにして、語気を強める。「この広告でも、私に対して新しいイメージを持っていただける方もいると思います。ひとつひとつの作品が、次につながるのは、私たちの仕事ならではかなと」/媒体を選ばなければ、さらに多くの媒体に表現の場を求めることができる。「よい印象ばかり残したいわけではないんですけど、なるべく多く伝わるように。単に多くというより、ひとりひとりに伝わる作品をたくさんつくれるように」加速度的に、表現の機会は増える。「そのためには映画だけじゃなく、分野外のものも含めてつくれたらと思うんです。今回の広告しかり、このインタビューしかり」
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偶然、必然を問わず、伝わるチャンスは広がる。「世界のどこかで見たものが、その人の人生にとっていい影響を与えられていたら、本当にすてきなことだと思うので」/そう思うのは、演技を続ける上で支えになった、ファンの声に応えたいからこそだ。「学園ものに出演したときに『高校に行くかどうか迷っていたけど、あんな学園生活を送りたいから行くことにしました。頑張って受験勉強します』というお手紙が来て。本当にうれしかった」/演技がうまくいかない時も、こうした声が支えになる。前を向かせてくれる。「私がふさぎがちな女の子を演じたときに、ふさぎがちだという女の子から『松岡さんのその役を見て、ちょっと外に出ようと思いました』っていうお手紙をいただいたこともありました」そんな気持ちは、よく分かる。彼女自身が、マンガに同じことをしてもらってきたからだ。「いつも私がマンガにしてもらっていることを、お芝居で返せるなら、それ以上のことってないと思うので」熱っぽい語り口から一転。遠い目をして、静かに語る。「そんな気持ちになってもらえて、毎日を楽しくすごすちょっとの助けにしてもらえたら、そんなにうれしいことはないです」/CM撮影が再開された。やはり、リテイクは繰り返される。それでも、彼女は毎回、張り詰めた女優の表情で演じ切る。監督にも、自分なりの役柄への解釈をぶつける。短くとも、熱を込めた議論をする。CMでも、映画でも、伝える相手は変わらない。マンガをむさぼるように読んだ。救われた。背中を押してもらった。そんな「あの日の自分」が、今日もカメラの向こう側にいる。【取材・文=塩畑大輔(LINE NEWS編集部)撮影=宮川勝也】』

Sponichi Annex 松岡茉優 熱く「マンガが好きだっ」、LINEマンガ新CM出演
『女優の松岡茉優(23)、お笑いコンビの千鳥が11日から放送される電子コミックサービス「LINEマンガ」の新CMに出演する。松岡と千鳥は作品に囲まれた空間で“自身が愛してやまないマンガへの気持ち”を全身で表現する。 松岡はCM内で少女マンガ界を代表する名作「僕等がいた」の驚きのストーリー展開に感情移入する。「マンガが好きな私にとってはたまらない、素敵な空間。マンガをきっかけにいろんな人とお話できるのはうれしいし、思った感情を共有できるのもいいところ」と語った。
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また、千鳥が登場するバージョンでは、大悟(38)がワイヤーで「進撃の巨人」に登場する戦士のように上昇。「僕はマンガにいろいろ教えてもらいました」と語る大悟は、ワイヤーで吊り上げられている間もノブ(38)と「進撃の巨人」の好きなシーンについて語り合っていた。2018年8月10日』

動画の波状攻撃!


●【LINEマンガTVCM】松岡茉優の #マンガが好きだっ(僕等がいた篇)


●【LINEマンガTVCM】松岡茉優の #マンガが好きだっ(響篇)


●【WEB限定】松岡茉優の #30秒で #マンガが好きだっ(あたしンち篇)


●【WEB限定】松岡茉優の #30秒で #マンガが好きだっ(空挺ドラゴンズ篇)


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しょこたん以上にリスペクト魂に満ち溢れておるーー

●【WEB限定】松岡茉優の #30秒で #マンガが好きだっ(マリーミー!篇)


●【メイキング】松岡茉優の #マンガが好きだっ(LINEマンガTVCM)


松岡茉優&千鳥、「漫画愛」をアピール


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※これはマジヲタですぅ~~~~~。

デイリー新潮 苦肉の策で事務所移籍の「松岡茉優」 棄てられた社長の“複雑な胸中”と“不信感”
『女性自身(光文社)は電子版で「松岡茉優 突然の事務所移籍発表に秘めた『パワハラの苦悩』」(18年5月15日)の記事を掲載した。その内容を要約すると――◇松岡茉優は、もともと「ヒラタオフィス」に所属していた。◇だが、先輩の宮崎あおい(32)や多部未華子(29)が、ヒラタオフィスから系列「ヒラタインターナショナル」に移籍。今年5月に松岡も後を追うように移籍した。◇宮崎は3月に就任したヒラタオフィスの新社長に昔から不信感を持っていたのが移籍の理由。◇松岡は3年前、写真週刊誌「FRIDAY」に俳優とのツーショットを撮られた際、マネージャーに罵倒されるなど、ヒラタオフィスパワハラ体質に苦しめられていた。◇昨年12月、松岡は母親と共にヒラタオフィスの前社長と面会、「他の事務所に移らせてください。無理なら女優を辞めてもかまいません」と直訴。ヒラタインターナショナルへの移籍を実現させた。・・・これでは精神的に辛くて当然だろう。関係者が重い口を開く。「17年10月からTBSで『コウノドリ』の第2シーズンが放送されました。松岡さんは下屋加江という女医役で安定した演技を披露しましたが、撮影現場では荒れ気味だったんです。撮影の終了時間を確認する口調も刺々しく、周囲からは心配する声もありました。ドラマでは助産師役で吉田羊さん(年齢非公表)が出演しているのですが、松岡さんは吉田さんを姉のように慕っていて、撮影の合間に飲みに行き、色々と相談に乗ってもらったようです。吉田さんはマネージャーと二人三脚で個人事務所を経営しており、自分と全く違う働き方の世界を知り、色々考えるところがあったのではないでしょうか」
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  女性自身の記事では悪者になってしまったヒラタオフィスの新社長だが、この関係者は「同情できるところもあります」と指摘する。「この新社長は、それこそ宮崎、多部、そして松岡を自らスカウトし、ここまで育て上げた人なんです。宮崎あおいさんだけは、関係の修復は不可能だと諦めているようですが、松岡茉優さんに関しては、そもそも前社長がばんばん仕事を入れてしまうため、ヒラタオフィスに不信感を抱くようになったという経緯もあるんです。機会を見つけて松岡さんと話し合えば、やり直せるのではないかと、新社長は考えていたようなので、納得はしていないと思います」/おまけに、女性自身の記事も問題になっているという。「新社長は『松岡に極めて近い人間か、ひょっとすると本人が取材に応じた可能性がある』と不信感を抱いているそうです。それでも子会社のヒラタインターナショナルへの移籍で引き留められたのは、満島ひかり(32)や真木よう子(35)と、有名女優の独立が相次いだことも大きいと思います。さすがに松岡茉優を失うわけにはいきません。新社長としては今の状況を我慢して受け入れるより他になかったわけです。ですから当分、冷戦状態が続くかもしれません」(同)
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  これでヒラタオフィスが弱体化したのは事実だ。有名な役者は工藤夕貴(47)と長谷川博己(41)だけとなってしまった。松岡だけでなく、新社長も色々と言いたいことはあるに違いない。諺に「敷居を跨げば七人の敵あり」という。売れっ子女優にも7人の敵がいて当然なのかもしれない。だが、7人のうちの1人が「親会社の社長」というのは、どう考えても不健全だ。円満解決を祈らずにはいられない。/それにしても、改めて驚かされるのは、こんな状況でも傑出した演技を披露した松岡茉優の精神力だ。23歳と若くとも、既に骨の髄まで大女優なのだろう。週刊新潮WEB取材班』
※画像はまっつんのオフィシャルウェブサイト「ギャラリー」からの引用です。

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あまちゃんのGMT5(ジモトファイヴ)もそれぞれにいろんなことがありましてw
事務所問題もそろそろ落ち着いたら、同窓会とか公開してくれんかいねぇー。
↑これは「リーダー、待ってま~~~~す」の画像♩

その他 まっつん関連動画


●松岡苿優 ビッグコミックスピリッツ グラビア撮影風景

NTT東日本 WebCM『「つなぐ」、というエールを。』松岡茉優さんスペシャルインタビュー篇

NTT東日本 WebCM『「つなぐ」、というエールを。』松岡茉優さんスペシャルインタビュー篇


これは6年前の貴重な無声映画っぽい作品。まだおぼこいなぁ~。


●mini Movie『NOTE』Full version


eiga.com 映画.com ニュース 2012年8月19日 佐藤信介監督、連続短編をウェブ配信する新機軸
『新機軸を展開する佐藤信介監督と松岡茉優図書館戦争」「図書館戦争」のメガホンをとる佐藤信介監督が、これまでにない新機軸の短編映画を、自らが主宰する映像制作レーベルAngle Picturesの公式サイト上で配信していくことがわかった。1話1分前後の短編を全15話のシリーズにし、公式サイトで発表していくという試み。パソコンやスマートフォンから、ユーザーの好きなタイミングで観賞することが可能だ。/佐藤監督は「GANTZ」シリーズを大ヒットに導き、有川浩氏の大ヒット小説を岡田准一榮倉奈々の初共演で実写映画化する「図書館戦争」の撮影を控えるなど、引っ張りだこの存在。だが、自主映画出身で短編映画を作るのが好きだったそうで、「大きな映画ではこぼれ落ちてしまうような小さな日常の小さなエピソードを、テレビでも劇場でもこぼれ落ちてしまうような小さな映像作品にしてつくってみたいし、いつでもどこでも、時間のすき間で見られるようにしたい。今回のミニ・ムービーは、そんな気持ちで撮った掌編です」と経緯を説明する。
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第1話「vol.1 Mayu Kihara“NOTE”」のストーリーは、東京・中目黒界隈に住む、今後の進路が定まっていない女子高生マユの2日間の出来事を描く。主人公を演じるのは、「桐島、部活やめるってよ」に出演するほか、「悪の教典」「鈴木先生」の公開を控える松岡茉優。実在する場所や店舗で撮影された映像は、公式サイト上に展開されるマップに配置され、回数を追うごとにマップも広がっていくという。/松岡が参加した演技のワークショップを見て出演オファーした佐藤監督は、「とても独特で、ふだん行うようなオーディションだけでは分からない部分が見えて、ぜひにと思いました」と起用理由を語る。さらに、「表情や仕草ひとつひとつに力があるなと思いました。この作品にはセリフが全くありません。そういう意味ではサイレント映画です。それでも、彼女の雰囲気や気持ち、そしてキャラクターまでもが手に取るように分かる。松岡さんのそういう魅力が、この作品をしっかり支えています」と絶賛している。/一方の松岡は、作品の詳細を聞きワクワクしたという。初めての主演作となるが、「佐藤さんの作品で初主演なんて幸せです。佐藤さんはほのぼのと優しい方で、雰囲気の温かい方でした。アドバイスも体にすとんと、ひと言ひと言が入ってきました」と喜びをかみ締めている。』

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※音がない分、想像が膨らむのはコミックっぽいと言えるかも!




☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日8月25日(土)の、「元気が出る言葉」は~?

『生きる喜びとは、主役を演じることを意味しはしない。』
出展:「人間・この劇的なもの」(中央公論社
発言者:福田恆存 (評論家 翻訳家 1912年8月25日~1994年11月20日
『解説:福田恆存といえば、シェイクスピア(四大悲劇)やヘミングウェイ老人と海」などの名訳で知られる、戦後一級の知識人だ。そんな彼だからこそこの言葉にリアリティがある。福田は「現実はままならぬということだ。私たちは私たちの生活の主たり得ない」とも述べている。自分の人生の主役になれないとき、そこにどう生きる喜びを見出していくか。これもまた人生の愉しみだと考えると、なんだか愉快だ。』

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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・

Amazon.co.jp 人間・この劇的なるもの (新潮文庫) 福田恆存(著)
『■内容(「BOOK」データベースより):人間はただ生きることを欲しているのではない。現実の生活とはべつの次元に、意識の生活があるのだ。それに関らずには、いかなる人生論も幸福論もなりたたぬ。―胸に響く、人間の本質を捉えた言葉の数々。自由ということ、個性ということ、幸福ということ…悩ましい複雑な感情を、「劇的な人間存在」というキーワードで、解き明かす。「生」に迷える若き日に必携の不朽の人間論。
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/■登録情報:/文庫 174ページ /出版社 新潮社改版 /言語 日本語 /ISBN-10: 4101216029 ISBN-13: 978-4101216027 /発売日 1960/8/22 /梱包サイズ 15.2 x 10.6 x 1.2 cm /おすすめ度 5つ星のうち 4.9 /■カスタマーレビュー:nasdacnasdac 5つ星のうち5.0 「人間の演技性と劇的な死生観」2015年7月2日・・・人間の社会性というものは演技性を多分に含んでいるのではないか、との疑問がわき、アマゾンを検索して本書を購入した。福田恆存という人は、氏訳の新潮文庫の「ハムレット」と、小林秀雄氏との対談を読んだことがあるため、名前は知っていた。本書の一章と二章で、私の冒頭の疑問は肯定的に解消された。すなわち、人間は演技するものであると。三章以降は、おもにシェイクスピアの「ハムレット」を題材として論が展開される。全編を通して、論じられるテーマは人間の『死生観』である。死生観、とくに『死』を通じて、人間がいかに劇的な存在であるかが論じられる。本書を通じて、私自身の社会性(=演技性を含むもの)が向上していくことを望む。「愛は自然にまかせて内側から生れてくるものではない。ただそれだけではない。愛もまた創造である。意識してつくられるものである。」(本書冒頭より)』


愛は自然にまかせて内側から生まれてくるものではない。ただそれだけではない。愛もまた創造である。意識してつくられるものである。

自然のままに生きるという。だが、これほど誤解されたことばもない。もともとも人間は自然のままに生きることを欲していないし、それに堪えられもしないのである。程度の差こそあれ、だれでもが、なにかの役割を演じたがっている。また演じてもいる。

舞台をつくるためには、私たちは多少とも自己を偽らなければならぬのである。堪えがたいことだ、と青年はいう。自己の自然のままにふるまい、個性を伸張せしめること、それが大事だという。が、これはたんに「青春の個性」というありきたりの役割を演じているのではないか。私にはそれだけのこととしかおもえない。

他人に必要なのは、そして舞台のうえで快感を与えるのは、個性ではなく役割であり、自由ではなくて必然性であるのだから。(中略)生きがいとは、必然性のうちに生きているという実感から生じる。その必然性を味わうこと、それが生きがいだ。

私たちは、その鉱脈をほりあてたいと願っている。劇的に生きたいというのは、自分の生涯を、あるいは、その一定の期間を、一個の芸術作品に仕たてあげたいとうことにほかならぬ。(中略)人間はただ生きることを欲しているのではない。生の豊かさを欲しているのでもない。ひとは生きる。同時に、それを味わうこと、それを欲している。


福田恒存「痴漢をするより、うまいやり方がある」

・保守派の重鎮・福田恆存の講演
※「肉声」が聴けるというのは良いなぁー。

産経ニュース 【父の教え】気がつくと同じ道だった 明治大教授・演出家 福田はやるさん
シェークスピア劇から新作歌舞伎の演出や戯曲の翻訳も手掛ける明治大学教授の福田はやるさん(66)。父親は、劇作家で翻訳家、そして戦後を代表する保守の評論家として知られる福田恆存さんだ。「知らない人には厳しい父親だろうと思われていますが、ごく普通の父親。トランプや花札をやったり、箱根で山登りをして温泉に1泊したり、当時としては当たり前の娯楽を一緒にしてくれた。陽気で冗談好き。いつも私や兄を笑わせてくれる、家族の笑いのペースメーカーだった」/高校の頃、恆存さんに「親の書いた物なんか読むんじゃない」と言われたことがある。家の食堂に母親と3人でいたときのことで、笑いながらだが、はっきりと言われたのを覚えている。「当時、僕がシェークスピアにかぶれていたのを見て言ったのかな。ただ、その頃、既にシェークスピアの翻訳で父の文体のリズム感を学んでしまっていた。『読むな』と言われても、家にある雑誌を開くと、父の文章が掲載されている。私は父の文章のリズム感が好きで、読むと心地が良いのでつい読んじゃいましたね」
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(福田さん(左)の長男(右)を膝の上に乗せる父、恆存さん=昭和56年)
  はやるさんが戯曲の翻訳や舞台演出の道に進んだのは、明らかに恆存さんの影響だ。恆存さんは、はやるさんが幼稚園の頃から芝居や歌舞伎を見に連れて行ってくれた。はやるさんは華やかな舞台に見とれ、夢中になったという。ただ、一緒に見ていた3歳上の兄は全く興味を示さなかったといい、演劇好きの恆存さんのDNAははやるさんだけが受け継いだようだ。/「父に引きずられて芝居を作ることに魅せられた私は、父のエピゴーネン(模倣者)かもしれない。自分では全く意識していないのに、何をやっても気がつくと父の跡をたどっていた。これはもう、しようがない」。はやるさんは、自分が何を書いても恆存さん以上の文章は書けないだろうし、恆存さんの思想も超えられない。オリジナルな思想は自分の中から出てこないだろう、と感じている。しかし、こうも考えている。「私には私の書き方があり、今の時代に生きる私だからできることもある。父の手のひらの上かもしれないが、これからも私の感性と文章で表現したいと思う」(平沢裕子)』

☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
サライ 「夏目漱石」の記事一覧

“病気の時には自分が一歩現実を離れた気になる(『思い出す事など』より)”

【1910年8月25日の漱石】危篤状態の夏目漱石、病床に横たわり生死の境をさまよう

今から106年前の今日、すなわち明治43年(1910)8月25日、漱石は伊豆・修善寺の菊屋旅館の部屋で布団の上に横たわっていた。昨日、大量の吐血をして危篤状態に陥り、そのまま床についていたのである。傍らには、妻の鏡子が付き添っている。この日の早朝、午前5時50分に新橋停車場を出る東海道線の一番列車に、漱石の3人の娘たち、筆子、恒子、栄子の姿があった。漱石の兄・直矩、漱石の姉夫婦(高田ふさ、庄吉)、鏡子の弟・中根倫といった親戚、さらに友人で『ホトトギス』編集発行人の高浜虚子、門下生の森田草平、野上豊一郎らも同じ列車に乗っていた。三島、大仁を経由して、目指すのはもちろん修善寺。皆が皆、一様に緊張した面持ちだった。

彼らに先んじて、菊屋旅館に一番最初に到着した見舞い客は、漱石門下の安倍能成だった。能成はたまたま前日、沼津の千本松原にいたため、いち早く駆けつけることができたのである。世の多くの女性陣と同じく、普段から占い好きで、何かとゲン担ぎなどもしたがる鏡子は、藁(わら)にでもすがりたい気持ちも手伝って、この際、ふとした思いつきで安倍能成の名前を読み替えてみることにした。「アンバイ・ヨクナル」確かに、そう読むこともできる。これは、きっと漱石が持ち直して回復することを意味しているに違いない。鏡子は自分自身にそう言い聞かせてみるのだった。

東京朝日新聞主筆の池辺三山と、漱石門下の野村伝四は、新橋午前8時40分発の二番列車に乗った。大磯からは学生時代の友人・大塚保治も駆けつけてくる。昨日は一時完全に意識を失い死に瀕した漱石の容態は、危うい中にもとりあえず落ち着きを見せているようだった。少しくらいは口もきけるようになっていた。「体も動かされず、物も食えないから、少し眠りたいんですが」医師の森成麟造に囁くようにそう言って、目を閉じる。だが、眠りは浅く、しばらくすると目が醒めてしまうのだった。けっして油断できる病状ではない。何が起こってもおかしくない。医師は、出血を止めるための注射を数時間おきに打ち、夜には栄養補給のために牛乳の滋養浣腸が施される。

漱石はただなされるがまま、体を横たえている。急変がくることのないよう祈りながら、夜中も交代での付き添いが続く。皆が重苦しい空気の中で、息をつめるように漱石の容態を見守っていた。

細かすぎて伝わらない関連動画など

(「人名」「ゲンかつぎ」で動画検索してみました!!)

●元中日、山本昌のゲン担ぎ


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※カレーを食べて、華麗に完封、ってか?

●大石先生って本名じゃないの?名前の由来など

※因みに「揺れるまなざし」の真行寺君枝さん、、、はこの人↓
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ジョニーAのつぶやき:ラジオ番組に投稿するときのペンネームというのも、けっこうゲンをかついで付ける奴が多かったッスねぇ~~。