『嘘を愛する女』

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eiga.com 作品情報 『嘘を愛する女』
■解説:長澤まさみ高橋一生が共演し、恋人の大きな嘘に翻弄されるキャリアウーマンの運命を描いたラブサスペンス。オリジナルの優れた映画企画を募集する「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」の第1回でグランプリを受賞した企画を映画化した。食品メーカーに勤める川原由加利は、研究医である優しい恋人・小出桔平と同棲5年目を迎え、公私ともに充実した日々を送っていた。そんなある日、自宅で桔平の帰りを待つ由加利のもとに、警察が訪ねてくる。桔平がくも膜下出血で意識を失っているところを発見されたのだが、桔平の所持していた運転免許証や医師免許証はすべて偽造されたもので、職業も名前も全てが嘘であると判明したのだ。ショックを受けた由加利は桔平の正体を突き止めるべく、私立探偵の海原匠と彼の助手キムに調査を依頼。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ未完成の小説が見つかる。その内容をもとに、いまだ病院で眠り続ける桔平の秘密を探るため瀬戸内海へと向かう由加利だったが……。「ゆうちょ銀行」など数々の人気CMを手がけた中江和仁長編映画初メガホンをとった。
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■スタッフ:/監督 中江和仁 /脚本 中江和仁 近藤希実 /製作 市川南 /共同製作 崔相基 吉崎圭一 平野健一 弓矢政法 加太孝明 阿部秀司 高橋誠 宮崎伸夫 広田勝己 荒波修 板東浩二 吉川英作 /企画 中西一雄 /エグゼクティブプロデューサー 阿部秀司 /プロデューサー 臼井央 遠山大輔 村上公一 /ラインプロデューサー 久保田傑 /撮影 池内義浩 /照明 斉藤徹 /録音 高田伸也 /美術 林チナ /装飾 天野竜哉 /衣装 纐纈春樹 /ヘアメイク 有路涼子 高村三花子 /編集 鈴木真一 /音楽 富貴晴美 /主題歌 松たか子 /音楽プロデューサー 成川沙世子 /スクリプター 生田透子 /キャスティング 緒方慶子 /助監督 野尻克己 /制作担当 芳野峻大 /プロダクション統括 佐藤毅
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■キャスト:長澤まさみ(川原由加利) 高橋一生(小出桔平) DAIGO(木村ーキムー) 川栄李奈(心葉) 野波麻帆 初音映莉子 嶋田久作 奥貫薫 津嘉山正種 黒木瞳(マサコ) 吉田鋼太郎(海原匠)
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■作品データ:/製作年 2018年 /製作国 日本 /配給 東宝 /上映時間 118分 /映倫区分 G
オフィシャルサイト

●「嘘を愛する女」予告

※予告編で期待していた、ミステリー&ロードムービー的な面白さは
皆無だったが・・・これはこれで、高橋一生好きの婦女子の方々には
好評を博する出来栄えなんじゃないだろっかーー。

シネマトゥディ 長澤まさみ&高橋一生 単独インタビュー
『/Q:由加利は働く女性としてリアルなキャラクターですよね。/長澤:そう思ってもらえるはずです。彼女には実年齢に合った生活感があるし、相応の恋愛観も持っています。社会では中堅と言われる世代に差しかかり、そんな自分が抱える問題、会社での自分の立場や家族の問題、一人の女性として手にする幸せについてなど、自分自身と遠いものではなかったので共感できました。/Q:それでいて由加利は、人がいちばん言ってほしくないことをズバッと言ってしまうところがあったりしますね。/長澤:女性って自信過剰になると一言余計に言ってしまう部分があるのではないかなと。社会の中で男性と肩を並べて働くと、女性であるのを忘れて男になっちゃう瞬間があるというか。でもそうした瞬間を見た男性は、やはり女性には「女」であることを求めるから引いたりして……。あれ、仕事の場では同じ土俵じゃないんかい! となるというか(笑)。本当には男女平等ではないことを感じる瞬間ですよね。でも平等であることが必要なのかな? と思ったりもします。女性は「女」であることを忘れてはいけないし、男性も「男」としての感覚は譲れない部分があるというのを自覚したほうがいいのかなと。どんな関係性であれ、どちらかの一方的な努力で成り立つものではないと思います。/Q:桔平は謎めいた存在です。どこまで謎を匂わせるのか、その微妙な塩梅は事前に決めていくというより、撮影現場で考えられたのでしょうか?/高橋:この作品だけでなく、すべてにおいて僕はそうです。現場に行ってスタッフの方々や監督さん、共演者の方、この映画なら長澤さんたちとつくり上げていく。お芝居というのは肉体でやるもので、相手によって変わっていきます。事前にいくら役に近づけたとしても、作品によって共鳴性の違いはあるものです。どうしても。/Q:中江和仁監督は首の傾げ方もミリ単位で指示するなど、かなり演出が細かいとか?/高橋:そうですね。ただ中江監督とはその点で和解したんです。「和解」って、別にケンカしていたわけじゃないんですが。/長澤:ケンカはしてませんでした(笑)。
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/高橋:たぶん中江監督は自分が想像するもの、この画角内で起こりうるだろうことを超えてほしくて待ってくださっていました。だから映画の現場らしい、待つ時間というものがそこには存在していました。なんとも言葉では説明しがたい雰囲気、そういうものをミリ単位で求めていたのだと思います。ミリ単位の動きが問題だったのではなく、もっと内省的なもの、その違いによって内側にあるものがどう見えるか? それを何度も試されていた。そういうことを先日中江監督が話されていて、なるほど! となりました。その種明かしによって僕のお芝居の方向性が変わるわけではないので、今それがわかってよかった悪かった、ということではないんですけれど。/長澤:中江監督は物静かな人じゃないですからね。意外とパッションの……「呪いの手紙」をくれるような方で(笑)。熱いんです。/高橋:「呪いの手紙」ってそれこそ語弊がない?/長澤:え~っと……「熱い想いのこもった手紙」(笑)。いまどき手紙を書いてくださる監督って少ないですよね。/高橋:いないいない。/長澤:映画に対しての熱い思いとやる気にあふれ、強いパッションが伝わりました。
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/Q:お二人は過去に何度か共演されていますが、今回はがっつり向き合ってお芝居されたわけですよね?/長澤:でも……そういう感覚でもないんですよ。/高橋:作品によって毎回「はじめまして」という感覚があるんです。いつでも演じる役を通して見てしまうからかもしれませんが。/Q:何度か共演しただけに、恋人役に照れくささがあったとおっしゃっていましたが?/長澤:私が特にそうでした(笑)。一生君と恋人の役とかやるんだ、そっか……となんだか感慨深く思えて。/高橋:それは確かにあります(笑)。/長澤:不思議な感覚でした。年齢的にはちょっとお兄さんで、とはいえある年齢を超えると年の差なんてあまり意識しなくなる。感覚としては今回の役柄とは全然別のイメージがすでにあったので恥ずかしいと思ってしまって。しかも由加利と桔平はちょっと手をつないで歩くという距離感じゃないですよね。もっと深い関係性だから余計に「あっ恋人役か」という感じで。その前に共演した舞台「ライクドロシー」(2013年)ではお互いにバカな役をやってたし。/高橋:それぞれにベクトルの違うバカでした(笑)。
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/Q:久しぶりの共演で変化や成長を感じるところはありましたか?/高橋:本質的なことはなにも変わってなくて、しっかりとお芝居をされる女優さんだと。やはり僕は役として向き合ってしまうので、由加利さんだと思ってしまって。成長を感じるという感覚ではなかったかもしれません。/長澤:よかったです。/Q:桔平役をつくる上で、相手が長澤さんだからこうなったと思える部分はありますか?/高橋:ええ。長澤さんのお芝居のつくり方として、芯の強さみたいなものが役柄ににじみ出ていると思うんです。そこに感化された部分はあると思います。そういう由加利に対し、桔平がこういう在り方だと女々しく見えてしまうかもしれないとか。そこは上手くバランスを取りながら。そういうことは感覚的に、反射としてやっていたと思います。/Q:完成した映画を観た感想は?/長澤:……どうだったかな(笑)?/高橋:……どうだっけね(笑)?/長澤:(笑)。まだ一回しか観ていなくて。でもただの恋愛物語じゃないなって思いました。人は誰かを想い、その相手もまた誰かのことを想う。人生はその繰り返しで、終わりがないんだなと感じました。それが一方的なのか、双方向なのかはわからないですけど。それでやはり想い合うという関係性でないと、パートナーというのは成り立たない。それを思ってジーンときました。/高橋:由加利は桔平のすべてが嘘だとわかった時点で、真実を見にいこうとするわけです。それで桔平の過去を追うんですが、最後に今現在の真実に立ち戻る。その構成が素晴らしいと思いました。結局は今しかないんだ、と。桔平の過去は彼が残した小説や足跡を追うことでわかっていくけど、それはあくまで由加利さんの中での想像であって、実際の桔平を見ているわけではない。わからないけどきっとこういうことではないだろうか? という由加利の見た真実を抱え、桔平のもとに戻ってくる。過去や未来ではなく、今ここで眠るこの人だけが真実で、そこに由加利が戻るところがとても素敵な映画だと思いました。
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/10年以上前からお互いのことを知り、時をおいて何度か共演してきた長澤まさみ高橋一生。その安定した信頼感が、二人の間の空気に漂う。30代を迎えて女優としての深みを増す長澤と、まさにいま旬の輝きを身にまとう高橋。それぞれを「変わらない」と言い合い、会話をすると、ごく自然に内容が深く濃くなっていく。そんな二人が、偶然の出会いに始まり、恋に落ち、至福のときを過ごす恋人同士を演じる。その恋のトキメキがリアルで心惹かれるからこそ、「彼は何者か?」という謎への興味が強くなる。今現在の二人だからこそ、可能だった演技なのだろう。』

映画ランド 長澤まさみ×高橋一生が「Oggi」表紙、9ページのグラビア&インタビュー掲載
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『映画『嘘を愛する女』で共演している長澤まさみ高橋一生が、1月27日(土)に発売されるファッション誌「Oggi」3月号の表紙を飾っている。/大人のラブストーリーを描く本作さながらの世界を、表紙と9ページのグラビア&インタビューページで再現。3月号の特集は「印象美人が、2月に「始める」おしゃれ」。インタビューでは、長澤と高橋がが出会った「印象美人」のエピソードも披露。映画のこと、大人の恋愛について、30代と仕事など、「Oggi」世代が最も気になる2人の今にフォーカス。ふたりが着こなす“大人のファッション” にも注目だ。』

☆主演2人を起用したCM
長澤まさみ CM ドコモ dTV 「ふたりをつなぐ物語」篇

※「嘘を愛するようになった」まさみタンが、その後、「コンフィデンスマンJP」
のダー子さんになったのだ、という説はどうだろうか?んー、繋がらんか・・・。

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川栄李奈「調子に乗ったら私なんてすぐ消える」


・川栄さんのオフィシャルブログを引用~!
明日1月20日(土)映画「嘘を愛する女」公開!byスタッフ
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『明日1月20日(土)より、映画「嘘を愛する女」が公開になります。知り尽くしていた愛する人の素性が全て嘘だったら...?全てを失った果てに知る本物の愛を描いた新たなラブストーリーの傑作がいま誕生する。そんなテーマのこの映画で川栄は、ゴスロリファッションに身をつつみ、高橋一生さん演じる桔平への愛が重すぎるあまりストーカーまがいな行動をする大学生役を演じます!!なんとも強烈なキャラでしょう!?笑 気になるぅ~。/よろしくお願い致します!お願いざすざすお願いbyジャーマネ子/ぜひ劇場でご覧ください!!』

◎脚本の着想は新聞記事だったーーー
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☆主題歌 「つなぐもの」松たか子
PV755 松たか子 つなぐもの
→「つなぐもの」松たか子 歌 新曲 PV完全版 フル動画視聴音源
※透明感あふれる歌声はいつもながら、心の奥底を揺さぶりよります・・・

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●メイキング映像“ビハインド・ザ・シーン・オブ『嘘を愛する女


●完成披露試写会 舞台挨拶


堀ちえみ オフィシャルブログ TOHOシネマズで
『今日は昨日から予約済みの映画を、観てきました!!!/塩ポップコーンとチュロス。主人は烏龍茶。私はカフェラテを買って。
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嘘を愛する女。実話をもとにしたストーリーです。意外なストーリーで、ちょっとびっくりしました‼!!!久しぶりの映画、いい時間でした♬』
堀ちえみさんの、最初の旦那さんがたしかお医者さんじゃなかったです
っけー?その辺りは自分のことのように感情移入できて楽しめたのでは?
逆に3番目のいまの旦那は気が気でなかったりして。。。

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今藤洋子オフィシャルブログ お知らせ初め
『冬真っ盛り、2018年になって早くも20日が過ぎ、14日の誕生日からは早くも一週間が過ぎ。大変大変遅ればせながらですが、どうか今年も、よろしくお願いします。/去年は悲しい出来事もあったけど、仕事面では映画やドラマ等、いろんな作品に関わらせていただき、ご縁に恵まれた嬉しい一年でした。年末には、前々から腹の底にありながら、持ち前の腰の重さでグズグズと実現できずにいたソロ公演を、遂にスタートさせることができました。ご来場いただいたお客様を始め、たくさんの方の力をお借りしました。ありがとうございます。次回「相席」第二弾、近日中にお知らせさせてください。そしてその前に、また別のお知らせをさせて下さい。お知らせお知らせうるさいですね。
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昨日から公開中の映画『嘘を愛する女』に出演しております。予告にもチラリ出ているので見つけて下さい。きっと若い女性も大人の女性も、自分だったら……と妄想せずにはいられない作品。参加できて幸せです。43才になりました。世の中の43才と比べたら、いろんなことが大分不器用だけど、今年はこれから複数同時進行なことが急増するので、気分だけでもデキる女で全部、楽しみます。』
※「ウチに小出はいませんよ」の人ですね、たぶん・・・。

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※瀬戸内の美しい風景も堪能できる映画ですたーーー。

●おまけ ロケ地のゆるキャラとコラボ
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※パロディ・ポスターとか創っちゃったんだネェーーーーー。
 宣伝効果は果たして、あったんでしょうか~?




☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日9月13日(木)の、「元気が出る言葉」は~?

『ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ。』
出展:「男はつらいよ」マドンナの吉永小百合に向かって寅さんが言うセリフ
発言者:山田洋次 (映画監督 脚本家 1931年9月13日~)
『解説:山田洋次のファン層は広い。戦後の日本と日本人を最も巧みに表現し続けてきた映画監督だ。「家族」「同胞」「幸福の黄色いハンカチ」のような心温まるヒューマニズム作品もあるが、何といっても代表作は「男はつらいよ」シリーズだ。ここで紹介するのが、山田の言葉か渥美清の言葉か悩ましいが、いかにも2人にふさわしい、寅さんの名台詞。この短い台詞に、山田の描く人間の美しさと悲しさが見事に凝縮されている。』

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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・

Amazon.co.jp SWITCH Vol.33 No.12 山田洋次 映画という夢に出会うために 雑誌
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『■内容紹介:この12月、山田洋次は新作映画『母と暮せば』を発表する。故・井上ひさしの遺志を継ぎ、長崎の原爆を描いた母と子の物語、坂本龍一の復帰第一作、そして吉永小百合の119本目の出演作となる。戦後70年、運命のように巡り会った企画で伝えようとしたものとは・・・/■登録情報:/雑誌 160ページ /出版社 スイッチパブリッシング /言語 日本語 /ISBN-10: 4884183754 ISBN-13: 978-4884183752 /発売日 2015/11/20 /商品パッケージの寸法 1 x 22 x 28 cm /おすすめ度 5つ星のうち 3.6
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/■カスタマーレビュー:おばさん 5つ星のうち5.0 /2016年2月2日・・・「小さなおうち」に続いて、戦後70年の歳に山田監督の思いに触れました。庶民の何気ない生活の中にも戦争は影を落とし、いかに反戦を訴えていくか,,,,。静かな闘志に感銘を受けました。』

山田洋次監督、「寅さん」の新作に意欲

※これは楽しみに待っていても良さそうだな~~。

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ダ・ヴィンチニュース シリーズ第1作公開50周年を前に『男はつらいよ』のエピソード・ゼロが刊行!山田洋次監督が書き下ろした初小説作品『悪童』
『この小説の魅力は、寅さんの過去を寅さんが語り続けるところにある。場所は居酒屋だろうか…。居酒屋だとすれば、人情あふれるマスターがいる常連でにぎわうお店だろう。そのすみっこの薄暗い場所で2人きりになって、寅さんが私たちにずっと語りかけるのだ。
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生い立ちを話せとおしゃられてもねえ。どうってことはないんですよ。しょうもねえ悪ガキが場末の町で馬鹿なことばかりしてナリだけデカくなったという、つまらねえお話です。お酒ですか?いただきます。酒の力でも借りなきゃできませんよ、思い出話なんて。終始ずっとこんな調子だ。寅さんだ。寅さんがここにいる。お酒を片手にほろ酔いで語り続ける寅さんの思い出話が楽しめるのだ。/「男はつらいよ」の“お決まり”といえば、やはり旅先で出会うマドンナとの色恋だろう。本作では、寅さんの初恋の模様が描かれている。寅さんがまだ11歳の頃、葛飾を襲ったキャサリン台風の被害を受けて、家の裏手にある朝日印刷の女工・サトコが避難民として同居することになった。色が白くて、ほっぺたが赤くて、切れ長のこけし人形のような目をした18歳の可愛い娘だ。台風の影響で飲む水がなければ食べるものもない。そんな辛い日々がこれから始まろうというのに、寅さんは浮かれていた。びしょぬれに濡れた服を着替えるときにチラッと見えた白い肌。その光景にゾクゾクする背中。あっという間にサトコの虜になった。こうして初恋の日々が始まる。なにかにつけて「寅ちゃんはいい子だなっす、さくらちゃんに優しくて」と山形訛りでほめてくれるサトコ。寝静まった夜、隣で眠る彼女の寝息にドキドキしていると、寝返りを打ったサトコの太ももが寅さんの手に当たる。眠れるわけがありません。避難生活の間じゅう、私は睡眠不足でボンヤリしていて、親父に拳固で思いっきり殴られたりしたもんですよ。誰もが経験する甘酸っぱい初恋に思わず微笑んでしまうが、幸せな日々は長く続かなかった。大人になった寅さんが失恋を繰り返すように、ここでも恋敵に出会ってしまう。鰻屋「うな芝」の店員・千吉だ。この女たらし千吉と寅さんが巻き起こす、甘酸っぱくもクスっとくるお話は、ぜひ本作で楽しんでほしい。
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■寅さんの父親・車平造という男:本作よりもう1つ、寅さんと父親のエピソードも取り上げたい。寅さんは、遊び人だった父親・車平造と、当時柴又で売れっ子だったお菊という名の芸者の間にできた子どもだ。産み落として間もない頃、お菊が京都に身売りすることになったので、邪魔になった赤子の寅さんを父親の家の前に捨てていってしまった。ここから寅さんのフーテンな人生が始まるわけだ。本作では、自分で仕込んだクセに、ヤケに寅さんを嫌い続ける父親の姿が目につく。読んでいて胸が痛い。実の父親から「こいつは馬鹿だ」と罵られ、疎まれ、邪魔者扱いをされる。ときには近所のオヤジたちの前で罵られて笑い者にされる。そのわりに自分は働かないし、空気を読めずに妙な行動を繰り出すし、どうもロクでもないのは父親のほうだと感じる。唯一の救いは、育ての母・光子から愛されたことだ。しかしそんな光子も病気で亡くなってしまう。居場所をなくした寅さんがのちに父親と大喧嘩して家を飛び出すのもうなずけるし、その後再び柴又に帰ってきて巻き起こす型破りさにも納得できる。
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この父親があって、あの寅さんがいるわけだ。寅さんの言葉を抜粋しよう。私が茶の間のラジオに合わせてこの歌を黄色い声で歌っていますとね、親父がジロッと睨んで「馬鹿な奴だ、どうせロクなものにゃならねえ」と云うんでございます。ああいうことを親が子どもの前で云うもんじゃありませんね。なにかにつけ馬鹿だアホだ、と云われているうちにとうとうこんな人間になってしまいました。せめて、懲役にいかなくてよかったぐらいなもんです。言葉にできない複雑な思いがわきあがる。だが、こんな父親にも同情すべき点はある。寅さんが生まれたのは、まだ日本とアメリカが戦争をしていた頃のこと。だから父親も出征した経験がある。そして、もう二度と会えないと思った父親が無事に生還。家の前で迎えると……変わり果てた姿をしていた。何日も口にしていないのか、干からびたスルメのような身体で、風呂に入れると木の葉っぱのようにプカプカ浮かぶ。大好きで溺愛している娘・さくらと再会しても、冷たい瞳でじっと見つめるだけ。無事に身体が回復したあとも夜中にうなされる。光子によれば、戦地で現地の罪のない人を、それも子どもを殺したのではないかという。想像を絶する経験に心が壊れてしまったのだ。
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なにひとつ家長らしいことをせず、自分の責任でつくった子どもを愛さず、ひたすら酒を飲んでアル中になった父親。憎むべき存在だが、彼は彼で事情がある。この人の人生の複雑さを描くのが本作や『男はつらいよ』の魅力だ。そして、人それぞれの事情を推し量って理解し支え合う度量を失ったのが、現代人ではないだろうか。この他にも、妹のさくらが誕生したエピソード、戦時中や戦後の混乱、タコ社長や御前様などあの登場人物とのエピソード、そして最愛の母・光子の死など、『男はつらいよ』エピソード・ゼロにふさわしい魅力がたっぷりつまっている本作。読んだ者の心を動かすことは間違いない。こんな時代だからこそ、この作品を知らないイマドキの若者や仕事を頑張る壮年の人々にも観てほしいと感じる。寅さんの生き方は、普通に考えれば、けして褒められたものではない。しかし、その褒められない生き方が、ギスギスした生きづらい現代に心がすり切れてしまった人々に、ちょっとした気づきと潤いを与えてくれる。/人が生きるということは簡単ではない。色々ある。いがみ合って、すったもんだがあって、けれど助け合う人々がいて、最後はお互い笑い合えるような結末が――。少なくとも、そんな結末をめざすことはできる。そんな生き方を、人情を、この作品を通して目にしてもらいたい。文=いのうえゆきひろ』

☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
サライ 「夏目漱石」の記事一覧

“墓標の左右に硝子の罎(びん)を二つ活けて、萩の花をたくさん挿した(『永日小品』より)”

【1908年9月13日の漱石】愛猫の死を見届け墓標を立てる

今から108年前の今日、すなわち明治41年(1908)9月13日、漱石はひとつの生命の終焉と向き合っていた。夏目家に飼われていた猫が死亡したのである。『吾輩は猫である』のモデルとされる猫だった。思えば、この猫が夏目邸に迷い込んだのは、4年前の夏の初め。猫嫌いの妻の鏡子は、すぐに外につまみ出した。ところが、何度つまみ出してもいつの間にか戻ってきて、飯櫃の上にちゃっかり座り込んでいたりする。ある日とうとう漱石がこの猫の存在に気づき、「そんなに入ってくるんなら置いてやればいいじゃないか」とお墨付きを与えた。さらに猫に幸いしたのは、鏡子のもとに出入りしていた按摩の婆さんの一言だった。婆さんは、全身黒ずんだ中に虎斑のあるその毛並みをつくづくと眺め、「これは珍しい福猫ですよ」と呟いた。この時から鏡子の猫に対する態度が一変した。「福猫」ならもっと大事にしなければ、というわけだった。

そんなわけで、最後まで名前はつけてもらえなかったものの、新聞を読んでいる漱石の背中に乗ったり、子供たちの蒲団にもぐりこんだりしながら、可愛がられて暮らし、天寿を全うした。その名前にしても、改めて振り返れば、迷い込んだ頃からずっと夏目家の人たちは「ネコ」と呼び続けており、それがそのまま名前のように馴染んでしまったということであったのかもしれない。猫の遺骸は、木箱に入れて北側の裏庭に埋められた。「何か書いてやってください」/鏡子にそう求められ、漱石は白木の角材に「猫の墓」と書き裏面に一句をしたためた。《此(こ)の下に稲妻起る宵あらん》

暗闇にも光る猫の目を稲妻にたとえたのか、あるいは小説中の「吾輩」の如く、地下に眠った猫が人間社会に向かって雷鳴のような警句を発することもあろうとの意をこめたのか。いずれにしろ、これが猫の墓標となった。以降、祥月命日がくると、鏡子はこの墓標の前に、鮭の切身一片と鰹節一椀を供えたという。翌14日、漱石は門弟や友人たちに向けて、次のような文面の葉書を書いた。《辱知猫義久々病気のところ療養相叶わず昨夜いつの間にか裏の物置のヘッツイの上にて逝去致候。埋葬の義は車屋をたのみ箱詰にて裏の庭先にて執行仕候。但主人「三四郎」執筆中につき御会葬には及び申さず候。以上》/葉書の周囲には墨で黒枠をつけた。数え42歳(満41歳)、男の厄年を迎えている漱石先生の哀悼の思いが、そこに塗り込められていた。

細かすぎて伝わらない関連動画など

(「愛猫」「お墓」で動画検索してみました!!)

ホーンテッドマンション猫の墓下の地面にご注目ください


●亡くなる直前のチィちゃん(2016年3月21日撮影)


●2017/10/24放送「ペットと一緒に入れるお墓」


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ジョニーAのつぶやき:例えば、「フランダースの犬」のネロとパトラッシュなら、一緒のお墓に入りたいと願うだろうな~~~。