【タナカヒロシのすべて】カウリスマキぽい
『かつら工場に勤める32歳の独身男、タナカヒロシ。会社では同僚や上司との付き合いもすこぶる
悪く、プライベートでも無趣味。意外とモテたりするけど彼女はいない。そんな彼のいちばんの望み
は、誰にも干渉されずに平々凡々と毎日を過すことだった。しかし父親の急死を境にして、そんな彼
の望みどおりの生活はジェットコースターみたいに急転直下。次々に起きるツイてない出来事によっ
て散々な日々を送ることなった彼だったが、ある出来事をきっかけに、生まれて初めて自らの意思で
ある行動に出ることになる。果たしてその結末は…!? その独自のセンスで各方面から大きな注目を
・ストーリーがどうこうというよりは、雰囲気を楽しむ作品かな?イメージ的には、日本製アキ・カウ
リスマキ(フィンランドの監督)作品、というような匂いを強く感じた。ラスト近くの、前向きな二人
を俯瞰で撮るシーンなんかは「浮雲」のラストっぽかったし。(浮雲は大好きな作品だ♪)予告編で、
主だったストーリーは全部出し尽くしちゃってるからなぁ~。だから、あの後が観たいんだよう!と
やや欲求不満気味。鳥肌実さんはいつもの危ないキャラを封印し、実直な青年をなかなか上手に演じて
いて絶妙だったんじゃないかと思う。ただ、最後の最後でタガが外れて、何かとんでもない事をやらか
してくれるんじゃないか、と変に期待してしまった分、肩透かしでもあった。最初っからこんなノホホ
ンとしたお話だけだ、と解ってたらもっと落ち着いて楽しめたのに。終始無表情のヒロシが、後半にな
るにつれ、笑顔のシーンも増えてゆくところがグッド。爽やか気分になれる。立場的に、人と接するこ
とが不得手で、年とって独り者で、毎日が平凡で、、、みたいな状況は、感情移入しまくれて良かった
ところかな?(女の子にモテまくるのは、自分とは真逆なので羨ましい限りだったがw)。ムチャムチャ
面白かった!とはお世辞にも言えない作品なんだけれど、無性に続編は観たい気分。なんかへ~んなの。
「 ほ ん き で き も ち わ る い 」
と言われる始末。続編、観たいけどこりゃあ、、、ないなw100%・・・
ストーリーの本筋とは関係ない役柄で、『テルミンと俳句の会』の会長役で出演している、伊武雅刀さんが、とってもお気に入りキャラw どことなく、かつてのスネークマンショウのノリを醸し出しているのがナツカシス♪であった。その辺りの話は以下のサイトに詳しい↓