【メゾン・ド・ヒミコ】「BBM」前哨戦

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『BBM』(ブロークバック・マウンテン)を観る前に、ゲイ映画の空気に慣れておこう(??)と思って、DVDを借りて観た。オダギリジョー柴咲コウ主演の『メゾン・ド・ヒミコ』を。知人のLクンがイチオシだったこともあって、割と安心して観られたかな~。彼の選球眼は結構、正確なのだ。。。



ではまず、作品解説の引用から参る↓

eiga.com ABOUT THE MOVIE

《引用》

 「ジョゼと虎と魚たち」の監督・犬童一心と脚本・渡辺あやのコンビ作第2弾。ゲイの父親が家を出て、母は病死し、ひとりで暮らす沙織。彼女のもとに、ある日、父親の恋人である青年が訪ねてくる。青年は沙織に彼女の父親は癌で死期が近いことを告げ、父親が経営するゲイのための老人ホーム、メゾン・ド・ヒミコで働かないかと誘う。最初は借金返済のために手伝いを始めた沙織だったが……。人気俳優オダギリジョー柴咲コウが初共演。

監督:犬童一心 脚本:渡辺あや 音楽:細野晴臣 出演:オダギリジョー柴咲コウ田中泯

2005年日本映画/2時間11分 配給:アスミック・エース


犬童ー渡辺コンビだけあって『ジョゼと虎と魚たち』の匂いがプンプンした。あえてドラマチックな展開に行かないように行かないようにして、緊張感だけどんどん積み上げていく。そして、予期していなかったシーンで、さり気ない台詞や所作の内に、思いの丈をドドッ!と発散させる。そんな作り。で、結局のところ、登場するゲイ役の人の魅力に尽きるのかなー。一言でいってしまえば。

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オダギリの恋人・ヒミコを演じる田中泯さん。『たそがれ精兵衛』では腕利きの剣客役で、真田広之と迫真の斬り合いを演じた奇才中の奇才。本来は舞踏畑の人らしい。この人の身のこなしが、まさにヒミコという人物そのものに見えた。いや、一瞬、新野新さんに見えた、という事実も付け加えておきたい。娘のサオリ(柴咲コウ)とのツーショット・シーンでは、なぜか新野先生と鶴瓶ちゃんを妄想してしまっただわwww  以下、映画未見の人は、太字部分を読み飛ばしてチョー。



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サオリ(鶴瓶)「先生の身勝手さが、番組を潰してしもたんよ!大勢の、悲しむぬかる民のためにも、僕は先生を許しまセブンやわっ!」


ヒミコ(新野)「あのね、鶴瓶くん。君の言うことは、しごく真っ当な結論やと思うわ。でも、それやったら僕にも、言わしてちょーだいか!アナタが・・・・・  

好き(^_-)~☆」



メゾン・ド・ヒミコが、ゲイの老人たちの集まる桃源郷だとするならば、大国町にある新野館は、松竹芸能吉本興業の、年老いたゲイ人(芸人)たちが時々集う、“メゾン・ド・シンノ”じゃないだろうか?


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そんでもって、柴咲コウ。この人の眼力は凄いわ!!マジで梶芽衣子さんに匹敵するなぁ。作品選びという意味での眼力はチョットない時もあるけど・・(ああ、つくづく『キルビル』に・・以下略)。彼女の心境の変化が、本作品の肝という感じがする。最初は嫌悪感丸出しの顔。それがだんだん、皆の愛情に触れて浄化されてゆく。。。その演技も絶妙だったように思う。ピキピキピッキー♪は最高!!


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オダジョー、ゲイと同棲を告白

この話は前にも聞いた事あったが、オダジョーの話し方に愛情を感じるな。ゲイではないだろうが、かなり強いシンパシーは感じてるんじゃないか。本人が製作した自主映画にも、ゲイっぽい裸の男が登場してたし・・・かなりゲイとの関係は深い、と見る。



結局のところ、オダギリジョーの魅力によるところ大、ではあるが、それ以上にゲイの人の優しさ、愛情の深さ、神経の細やかさ、を実感できる造りになっていると思った。『BBM』の前に観といて正解だったな。他にも、ゲイ映画に興味あり、な方へ、ゲイ映画のレビューしてるサイトを見つけたので最後に紹介しておく。

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