【BARカモは閉店ナリ】

西原理恵子さんの『毎日かあさん』は隔週掲載なので、次を貼るまでにまだまだ、間が空く。

ということで、めでたくまた西原御殿に、元・嫁&子供たち2人と同居できることになった、鴨志田穣氏のコラム『BARカモは閉店ナリ』を、ローテーションの谷間企画として、挿入していく事に決めた♪


まず、鴨志田サンの事をあまり知らない人のための、予備知識情報からどぞ。

鴨志田穣 ウィキペディア


一部抜粋↓

・鴨志田 穣(かもしだ ゆたか、1964年-)は日本のエッセイスト、フリージャーナリスト、カメラマン。

神奈川県川崎市出身。北海道札幌市で育つ。東海大学付属第四高等学校を卒業後、タイに渡る。そこでジャーナリストの橋田信介に会い、橋田に影響されて戦場カメラマンとして世界各地を取材して回る。1996年タイで漫画家の西原理恵子と出会い結婚。一男一女をもうける。その後、鴨志田の酒乱などがたたって2003年離婚。2006年離婚原因の一つでもあるアルコール依存症を元妻西原等のサポートを受け克服。西原が毎日新聞にて連載している「毎日かあさん」によると、復縁を希望している様子。

スタジオジブリの映画火垂るの墓が大好き。


イメージ 1

・主な著書

アジアパー伝(西原理恵子との共著。2000年、講談社

どこまでもアジアパー伝(西原理恵子との共著。2001年、講談社

鳥頭紀行 くりくり編 どこへ行っても三歩で忘れる (西原理恵子ゲッツ板谷との共著。2001年、角川書店

煮え煮えアジアパー伝(西原理恵子との共著。2002年、講談社

もっと煮え煮えアジアパー伝(西原理恵子との共著。2003年、講談社

ばらっちからカモメール(西原理恵子ゲッツ板谷との共著2003年、スターツ出版

カモちゃんの今日も煮え煮え(西原理恵子画。2003年、寿郎社

最後のアジアパー伝(西原理恵子との共著。2004年、講談社




これまでの分、全部読むのがめんどっちぃ、と思われてる貴兄に・・・【第1~4回のあらすじ】


第一回 あの頃の記憶

朝、手の震えを止めるために飲む、ウォッカ3瓶、缶ビール5本の日常。医者に「次、飲んだら、本当に死にますよ」と言われ、その足でビアガーデンに向かい、生ビールを飲んでいる有様だった。。。


第二回 やっちまった

マーライオンのように、どす黒い血液が、口から勢いよく吹き出た夜。救急車で運ばれ、緊急入院となる。


第三回 またですか

病院で。内視鏡検査の最中に出血。緊急治療に入る。麻酔で意識を失い、何日か経った後、目覚めるとそこには母親がいた。「やっと起きたのね」と彼女は呟く。


第四回 たすかった

イメージ 2

三日間、ずっと眠りっぱなしだった。危篤状態だったらしい。元・妻、西原理恵子と子供二人がお見舞いに訪れる。ほのぼのとした、普通の家族の団欒・・・。元妻とのやりとりが心に染みる(ココはぜひ原文で読んで欲しい♪)。


そして、いよいよ最新の第五回、『こんどこそ』 である!


後半部分の一部抜粋↓

《西原の紹介してくれたクリニックへ行き、お薬をもらった後の話・・・》


抗酒剤は起き抜けに毎日飲んだ。抗酒剤には代表的なものが二種類あって、ノックビンという粉状のものと、シアナマイドという液体のものがある。一般的にノックビンのほうが効く時間が長く強いとされている。僕はノックビンを愛用していた。酒の置いてある場所は、元妻の家で息子の友達とその母親たちが集まるパーティーに行く以外、すべて避けて通った。


あっという間に三ヶ月が過ぎた。酒はいっさい口にしていない。三ヶ月がんばった自分をほめてあげようと、ひさしぶりに寿司屋に入った。もちろん飲むのは“お茶”だけ。腹が減ると飲酒欲求がわいて出てくる。次から次へとにぎりを注文して、お腹いっぱいになったところ、大将が

「よかったら、これどうぞ」

と、小鉢に入った奈良漬けを出してくれた。好物の一つだったので、一気にかじった。


イメージ 3

すると、初めて気がついた。奈良漬けとはなんと酒の香りと味がするのだろうか。少し怖じ気づいたものの、すべて平らげてしまった。頭と体がぽうとしてくるのがわかる。抗酒剤に反応したのだろうか、ふと不安が頭をよぎる。勘定を済ませ、外に出ると、足が自然にコンビニに向かっていた。


気がつくと手にウオッカを握っている。

「うわっ」

とびっくりして、あわてて元に戻すも、

ノンアルコールビールならいいかも」

三本を手に取り、成分表を見ると“アルコール度 〇.五パーセント”と書かれている。

「平気さ、これくらい」


さっそくコンビニの前で、一本目を一気に空けた。「あれれ」と思っていると少し酔っている自分に気づく。しかし、もう止まらない列車に乗ったようなもの。残り二本を一気飲みした。

「あーあ、始まっちゃった」

そう思っても後悔は全くなく、少し酔った気分は最高だった。帰り道、次のコンビニで大五郎カップ三本を買い近くのベンチに座りゴクゴクと飲る。二本目を飲み終えたときに抗酒剤を飲んでいたことを思い出したが、飲み出したら止まらない。続けざまに三本空にして、「さっ、家に帰ろうか」と立ち上がろうとするも腰に力が入らず立ち上がれない。薬が効いているのだ。


しばらくベンチで深呼吸をくり返し下半身に力をこめ、「えい」と立ち上がると、切り落とした切り株が倒れるように真後ろにそのままぶっ倒れた。悪いことにちょうど岩があって後頭部をしこたま打ちつけたというのに、酔いのせいで当たった衝撃も痛みも全く感じなかった。しばらくするとジャンパーの襟元に何か冷たいものを感じた。手を伸ばしてさわり、見てみると“血”だった。


だんだんと記憶が薄れてゆく。“奈良漬け”にやられた。冷たい秋の夜だというのに、倒れたまま寝ころんだ土はほんのり温かかった。

「ああ奈良漬け」

漬物でスリップ(再飲酒の意)してしまった。


鴨チャンは、アルコールに殺されるより先に、怪我で死ぬんじゃないか?? そんな予感が走った。

中島らもさんを思い出す。やめてや、カモちゃん!

きっと、こうしてコラムに面白おかしく書いてることだし、狙ってやっている部分も多々あるんだろうと・・・信じたい。ギャグの一環やんね。本当に死んでしまっちゃあ、シャレにならないよう。


それにしても、恐るべしアル中の悪魔!!奈良漬侮りがたし!!

ファイトだ、鴨志田!あんたには全国ン万人の西原読者がついとる!!気長に酒抜けやぁ~~~~。