【ハサミ男】小説&映画

ハサミ男”と聞いて、あなたは何を連想するだろうか?


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少し前までなら、真っ先にジョニー・デップの「シザーハンズ」が思い浮かんだことだろう。

あるいは、バルタン星人か、、、はたまたアメリカザリガニのお二人か・・・(無理やりヤナァw)


どんでん返しの面白い小説がある、と聞いたのは一週間ほど前のこと。

矢も盾も堪らず、速攻本屋で買ってきて読み耽った。

3日ほどですいすい読み切れた。読後感は久しぶりにキモチヨスなものだったよ。

貫井徳郎さんの「慟哭」を読んだ後の「やられた!」感に近かったカナァー。

小説ならではのトリックに、まんまと騙された。騙され方が鮮やかなほど楽しいのがミステリーの魅力だ。


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ぜひとも、ミステリー好きの人には読んで貰いたい。

一切の前情報を入れずに読むことをお勧めする。今回のわっちの感想文も、出来得る限り内容には

触れずに、周辺の情報のみでお届けしたいと思うw


と言いつつ、最低限の情報をば・・・。amazon.co.jpからの引用を少々。

amazon.co.jo ハサミ男


『第13回メフィスト賞受賞作。連続美少女殺人事件。死体ののどに突き立てられたハサミ。その残虐性から「ハサミ男」と名づけられたシリアル・キラーが、自分の犯行を真似た第3の殺人の真犯人を捜す羽目に……。殺人願望と自殺願望という狂気の狭間から、冷徹な目で、人の心の闇を抉るハサミ男。端麗なる謎!ミステリ界に妖しい涼風が!』


『最近、推理小説らしい推理小説がないとボヤいている人へ。そんな貴方には、『ハサミ男』との心躍るひとときがお勧め。小気味よいユーモアと警句、三重四重のたくらみを秘めた構成の妙、ありきたりの「狂気」に居直らない志の高さ──異能な才気がほとばしる注目新人の1st.は、久しく忘れがちだったミステリのダイゴ味をたっぷり堪能させてくれる。気分は〈クライム・クラブ〉系、ネオサイコ・パズラーの快作!──法月綸太郎


そしてそして、感動覚めやらぬまま、何と「ハサミ男」の映画もあるというのを知らされ、メッチャ驚いた。

だって・・・小説の肝の部分は、絶対映像化不能だと思われるから。いったいどう料理しているのか、

興味津々だった。それにしても、2年前に公開されているはずのこの映画、ちーーっともその存在が

知られていないように思えるのは何故!??そっちの方が興味深いミステリーかもしんないww


ハサミ男 公式サイト

これまた基本的な大枠だけ(ネタバレにならない範囲の周辺情報)を抜粋しよう。



■ストーリー

美少女の喉元にハサミを突き刺し、意図的に美しい死体を残す“ハサミ男”。連日マスコミがこの連続猟奇殺人鬼に騒ぎ立てる最中、本人は次なるターゲットの女子高生を殺すべく犯行の下見へ。しかし、すでに彼女は美しくも無残な死体となっていた。偽者のハサミ男は誰か?犯人探しは衝撃の事実をもあぶり出し…。<R-15>


■解説

第13回メフィスト賞を受賞しミステリー・ベスト10にも選出された、新鋭小説家・殊能将之によるサイコサスペンス「ハサミ男」。その巧妙なトリックに読後“騙される快感”が襲う傑作が、情念の鬼才こと池田敏春監督と日本映画界のカリスマ・アクター豊川悦司麻生久美子によってディープなヒューマンタッチサイコとして映画化。青を基調とした映像と不安感を掻き立てるサックスの音が、美しくも残酷的なストーリーと相まって独特な世界観を醸す。


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■アフレコで魅せた豊川の頭脳演技

池田映画の定番といえばアフレコ。今回もその手法で声を収録したのだが、豊川悦司は監督をも仰天させるスタイルで挑んだ。普通は立って映像に合わせて声を吹き込むのに対し、なんと彼は座って行った。

マイクから離れた位置で拾うだけに、彼の声だけ響いて聞こえる。それは冷酷でインテリな得体の知れぬ“ハサミ男”を見事に創造。真意は不明だが、監督はそれを豊川による計算だと解釈し「さすが」と唸ったという。


DATA

公開日: 2005/05/28

製作年: 2004

製作国: 日本

上映時間: 119分

配給: メディアボックス


キャスト&スタッフ

監督: 池田敏春

原作: 殊能将之(「ハサミ男講談社文庫・講談社ノベルス刊)

脚本: 池田敏春 香川まさひと

出演: 豊川悦司 麻生久美子 阿部寛 斉藤歩 樋口浩二



小説のトリッキーな部分は、映画的な手法で見事に置き換えられていた。なかなかやるな、って感じ。

しかし、低予算のせいか、如何せん全体的にチープさは拭えず、どことなくTVドラマの域を超えて

ない印象が強い。その辺りが、イマイチ影の薄い作品になってしまった要因かも。

ただ、まだ初々しい(と言うか、素人っぽい)麻生久美子嬢のお姿が長時間拝めるというだけで、お得

感は満載である♪「時効警察」の三日月クンふぁんの方には必見の映画、とだけ言っておこう!!


池田敏春監督インタビュー・サイト

映画で新たに付け加えられたエピソードは、監督の実体験をモチーフにしたものらしい。


以下のトレーラーは、ぜひとも映画本編を観てから鑑賞して欲しい、、、ってことで、

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それにしても、この映画の麻生久美子は、顔が最近のものとはまるで違って見える。

キャストを見なければ麻生さんだとは気付かないくらい。

いったい三日月君に何があったのだろう??w

釈由美子疑惑に近い、麻生久美子疑惑も浮かんできそうだが、まぁ、女優として経験を積んだ結果、

どんどんイイ顔に変わって行った、と解すればよいのかな??

けど、例えば「アイデン&ティティ」なんかに出てた頃の麻生さんは、個人的にはあ~んまし魅力を

感じなかったナァ~。何となく中性的な部分を強く感じる女優さんだった。

やはり三日月君効果は絶大!!

まさか、「ハサミ男」に出てたあの暗~~い女優が、「時効警察」であそこまで弾けるようになろうとは・・・。なにしろ、映画の「ハサミ男」は、テーマがテーマだけに、終始どーんよりしたトーンで進むのだ。それゆえに豊川悦司の大根台詞や落下シーンが逆にコメディみたいに見えてくるほど。

やっぱり、小説の完成度からすれば、映画は中途半端なクオリティと言わざるを得ず、大してヒットも

しなかった理由が判明した思いであった。


小説と映画に興味がある人は、くれぐれも小説→映画の順で鑑賞するように。なにとぞ。