【善き人のためのソナタ】盗聴はアカーン!

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eiga.com 善き人のためのソナタ

解説引用

原題:Das Leben Der Anderen 監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

製作:クイリン・ベルク、マックス・ビーデマン 撮影:ハーゲン・ボグダンスキー

音楽:ガブリエル・ヤレド、ステファン・ムーシャ 2006年ドイツ映画/2時間18分

☆STORY:秘密警察による反体制派への監視が行われていた冷戦時代の旧・東ドイツ。秘密警察局員のビースラーは、ある日“反体制派”と目される劇作家ドライマンを監視するように命じられる。ドライマンの家に盗聴器を仕掛けたビースラーだったが、彼の部屋から聞こえてきたピアノ曲善き人のためのソナタ”に心を奪われてしまう……。監督は、本作でデビューを飾った33歳のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。第79回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネート。

☆CAST:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデックセバスチャン・コッホウルリッヒ・トゥクール、トマス・ティー


最初はタイトルから、音楽が重要なファクターになる作品なのかナァ~?とイメージしていた。同じドイツ

映画の『4分間のピアニスト』をこの間観たことも影響していたろう。ところが、「ソナタ」は大して

ストーリーに絡んでくる訳ではなかった。残念!しかしドイツの映画って、一種独特の、抑圧された空気

感というか、緊迫感が立ち込めてる気がして、映画の舞台としてはグッドロケーションだなぁ~、としみ

じみ思い知った。主演のウルリッヒの風貌がまずイイ!!ドイツ版・枯れたケビン・スペイシーチックなマスクに、

神経質そうな言動・・・。序盤は“なーんかとっつきにくい堅物”やのぉ~う、などと思って観

ていたわけだがw その印象がガラッと変わるのは、娼婦を呼んで「もう少し一緒にいてくれ」と泣き言

をこぼすシーン以降。急に、「あぁ、この人も淋しいんだなぁ~~~」っていう同情モードに変遷したヨ。


総体的に重苦しぃ~~いストーリー展開にはなっていくのだが、時折挿入される、ちょっとお間抜けな

学生のエピソードとかが心和ませてくれるw→東ベルリンのホーネッカー議長のジョークを言ってしま

って、目を付けられる若者のシーン。終盤の地下室シーンで手紙検閲係の一人がやはり彼で、ポイント

となる重要な台詞を叫ばせる辺り、上手にキャラの伏線を使っているなぁ~~、って感心したワー♪


The Lives of Others trailer



終盤、とある衝撃的シーンがあるのだが、それ以降、何となく唐突な展開になってしまう感じがして、

嫌~~な予感がした。「これは、自分が苦手とする、フランス映画の曖昧な結末」っぽい終わり方に

なるんじゃあないか?って。。。 しかし、予感は幸いにも外れた。実に実に爽やかな幕切れ。メッチャ

いい余韻を残してくれた。悪い予感が一瞬よぎったせいで、逆にスカッと出来た、という面も大きい。

少々長いので、途中で挫折しかける御仁もおられるだろうが、最後は期待を裏切らないので、頑張って

ラストシーンまで辿り着いてもらいたい♪ ハリウッド大作に飽きたらドイツ映画、そんな感じジャネ?