【終の信託】取り調べなんて一生受けたくないなー
※長尺なので、これまで何~となく避けていた「終の信託」を、「ついに選択」したっ!!~♪
■スタッフ:/監督 周防正行 /製作 亀山千広 /エグゼクティブプロデューサー 桝井省志 /企画 小川泰 市川南 小形雄二 /プロデューサー 土屋健 稲葉直人 土本貴生 堀川慎太郎 /原作 朔立木 /脚本 周防正行 /撮影 寺田緑郎 /照明 長田達也 /美術 磯田典宏 /録音 郡弘道 /編集 菊池純一 /キャスティング 吉川威史 南谷夢 /助監督 片島章三 /製作担当 島根淳 /プロダクションマネージャー 前村祐子 /音楽 周防義和 /エンディング曲 種ともこ /挿入曲 キリ・テ・カナワ
■キャスト:草刈民代 役所広司 浅野忠信 大沢たかお 細田よしひこ 中村久美
※いざ観出すと、2時間24分があっという間だったヨーーー。やっぱスゲエなー、周防監督はっ
※どうしても、最初は『Shall we ダンス?』のあの二人、という目で見てしまう自分がいたが、だんだん
物語世界に引き込まれてゆくと、また一味違う愛情の形(『Shall we ダンス?』はある意味、ゲッスい
男の欲望がテーマだから、よっぽど本作の二人の関係のほうが、上品で美しい~♪)に打ちのめされた!
→ 『「シコふんじゃった。」はあえて間の抜けた画を、「Shall we ダンス?」は見上げる視線とダンスの形式を意識した画づくりをしましたけど、今回は小説を読んだ時に感じた濃密な空気があって、それを映画として表現することに監督として初めて野心が芽生えたというか。だから、あえて“フィルム”にこだわって画を作りこみました。これは過去の僕の映画にはなかったことです」』
※これ、もっと下手な監督さんだったら、死期の近い江木秦三の家族を、もっと冷たい存在に描いて
しまいがちなんじゃないかしらん?看病疲れしている妻、子供たちを連れて見舞いにも来ない息子夫
婦・・・。でも、劇中に映し出される家族の姿は、ごくごく平凡な、一般家庭。どこにでもあるシチ
ュエーション。それゆえに、観客も我が事のように思って、感情を強く揺さぶられるんじゃないだろ
うかー。
→『彼女が語る、女優とバレリーナとの共通点にも納得させられた。「やっぱり演技って、集中力に尽きる気がするんです。踊っていた時は、どこまで集中するかなんてイメージしていなかったけど、トゥシューズを履いて回ったり、跳んだり、持ち上げられたりするのは、集中力がないと怪我をするし、失敗にもつながるんです。言ってみれば、その集中力がなければ、何も表現する事はできない。今回、取り調べのシーンを撮った後、踊った後と同じような爽快感がありました。役者として演じた実感があって、すごく楽しかったです」』
※まさに取り調べシーンのやりとりの中で見せた強弱は、大沢たかおさんとバレエを踊っている
かのような「あ・うん」の呼吸と、華麗なリズムを感じることができましたっ♪
※『藁の屑』では、クズを守り切っていた刑事さんが、本作ではは医療の現場で尊厳死を行った医師を、
徹底的に罪人に貶めようとするーーー。真逆の熱演だ。迫力スゴシ!これは大沢さんならでは!ヤネー
→ 『検事が登場する。彼は心情の真実などというものは一切受けつけない。この検察庁のシークエンスは、震え上るような怖さと嫌悪感をかき立てられて、実に見事である。 その人物描写の徹底さは、ただその一検事の再現を狙うだけではなく、ある種の人間たちのシンボルとしての造形というような意志を感じた。周防さんは、もの凄くこの種の人物を嫌いなのだろう。/他者の真実を安直に判断し、人間に起きたことの本当を知ろうとせず、世界の無限定さへのひるみもなく、自信たっぷりの人たちへの軽蔑と嫌悪は、一応彼等にも理屈があると認めながら、叫び出しそうに画面から溢れてしまう。/この映画が公開されたら、「私も終の信託をしとかなくちゃあ」というように、このタイトルが日常語となって流布することを願っている。』
※山田太一さんは、感想コメントまで素敵だぁーーー。この映画の解説を、こと細かにやって貰いたい!
→ 『取り調べとは、周防監督いわく「過去に起きたことを、過去を知らない人が、その当事者に向かって質問を浴びせ、その過去を再構築する作業」。私たち観客は、過去における綾乃と患者のやりとりを“目撃”しているから、綾乃に対する検察官の追及の理不尽さがよく分かる。その一方で、検察官に問いただされる綾乃に寄り添いながら、ついさっき目にしたことなのに彼女の言動を思い出せない自分の記憶の曖昧さに、少なからずショックを受けるはずだ』
※取り調べの怖さ、身に染みて解ります!!『くちづけ』で竹中直人演じるいっぽん先生が言っていた、
「障害を持ってる人は、あることないこと、全部言わされちゃうんだよー!」ていうのもよく解るー
→ 『草刈と浅野忠信のベッドシーンについて、周防監督は「妻が皆の前で裸になっているということに関しては、本っ当に気にならなかった。それは夫婦のさ末な問題」ときっぱり。続けて「撮影が始まって時間もたっていなかったし、映画の中できちんと成立させることに圧倒的な比重があったので、そこはものすごく気を使った」と説明した。/草刈も、「どうにかしなきゃいけないという思いが強かった感じ。私も集中すると目に入らなくなってくるので」と述懐。だが、「出発がピンク(映画)なので、よく生きるか悪く生きるか。悪く出たらどうしようとは気になっていた」と話し、笑いを誘った』
※役所広司、渾身の演技!!痛タタタタター
やりたいことをやるために やるべきことは怠るな!
(ワクワクすることに挑戦したいと思いながらも、そのためには土台となることをしっかりやっておかないといけないという、自分に対する戒めの「ことばです)