【東京家族】小津安二郎の「東京物語」に捧ぐ
「今日の映画を紹介する。ゼロ・ダーク・サーティ、ミッション開始っ♪」
■スタッフ:/監督 山田洋次 /脚本 山田洋次 平松恵美子 /撮影 近森眞史 /美術 出川三男 /照明 渡邊孝一 /編集 岩井巌 /録音 岸田和美 /音楽 久石譲
■キャスト:橋爪功 吉行和子 西村雅彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優 小林稔侍 風吹ジュン 芽島成美 柴田龍一郎 丸山歩夢 荒川ちか
■作品データ:/製作年 2012年 /製作国 日本 /配給 松竹 /上映時間 146分 /映倫区分 G
eiga.com 映画評論 小津の代表作という意匠を活用して、大船調の家族ドラマを再創造した山田洋次の集大成
→『スローな口調で脱力気味な母親を好演する吉行和子をはじめ女優陣が健闘するなか、ひどく気になるのが長男を演じる西村雅彦の小津映画の人物を中途半端に模倣した奇怪な台詞回し、それに長女の夫を演じる林家正蔵の腰の据わらぬ浮薄な芝居だ。このふたりはどうにも全体の演技のアンサンブルを壊している印象が否めない。/山田は、おそらく小津特有の相似形の人物配置、ローアングルなどの極度の様式化、そして、その果てに現前する残酷なまでの現実凝視には興味がないのだ。むしろ小津の代表作という意匠を巧みに活用しながら、自らを育んだ伝統的な大船調のヒューマンなホームドラマを再創造したのだといえよう』
※↑この上の「評論」を先に読んでから観てしまったので、西村雅彦と林家正蔵には特に注目して
鑑賞することに・・・。で、結論から言えば、さほど違和感は感じなかった。西村雅彦はちょっと
義理の息子にしか見えなかったが(医者なんだから、実の息子なら、すぐ検診とかしてあげても良
さそうなものを、、、とか思っちゃったワ)、喋り方やなんかは『東京物語』っぽさを踏襲している
のか、淡々とした中に上品な物腰を感じさせ、総体的には好印象。林家正蔵は改名前の「こぶ平キ
ャラ」全開で、味があってむしろ良かったがなー。ダメダメな婿の役が、ピッタシはまってた♪
→ 『世の中の受け止め方の違いが、「東京物語」と「東京家族」を隔てるものだ。小津安二郎監督と山田洋次監督の人生観、哲学の違いでもあろう。「東京物語」の魅力は、家族といえどもいずれバラバラになってしまう、その事実を受け入れる無常観と寂寞感だ。それは大人の処し方でもある。「映画 鈴木先生」流に云えば、演じることで変わるのだ。いい教師や優等生を演じ続けるうちに、いつしかそれが演技ではなく、自分の身に付いたものになる。この鈴木先生の言葉のように、「東京物語」の登場人物は、いい嫁、いい舅、いい姑を演じ続ける。そうして調和のある暮らしを成り立たせている。/これに山田洋次監督は異を唱える。現代の子供にだって将来の夢はあるのだが、それは無視して主張する。山田監督は黙って世の中を受け入れることができないのだ(中略)山田洋次監督は「東京物語」のプロットを踏襲し、小津安二郎を大いに真似しながらも、その哲学にはくみすることなく、世界に名だたる「東京物語」をアップデートした。世界はどちらを受け入れるのか。これは81歳になる山田洋次監督の大いなる挑戦だ』
※この他にも、興味深い対比論が山盛り♪これ読むと、『東京物語』をもっかい観たくなるッスよー
→ 『橋爪さんはエンドロールでカップルごとに出演者の名前が出てくることに触れ、「あそこが好きで、いい映画に出させてもらったなという気持ちが最後に込み上げてきました」と嬉しそう。撮影時のエピソードを尋ねると、監督とは家が近く、訪れたマッサージ店が偶然にも監督も通っている店だったことを明かし、「2度目に行ったとき、店の人に『いま、監督が奥にいらっしゃいますけど何かお伝えしますか?』と言われて、『いらない!』って断りました。せっかくリラックスしに行ってるのに」と語り笑いを誘っていた。
吉行さんは劇中、妻夫木さんが演じた次男の部屋を訪れ、そこで彼の恋人(蒼井優)と対面するが「そんなこと一生ないと思ってたので、役のこととはいえウキウキしました」と満面の笑み。撮影が終わっても子供たち、特に末っ子の妻夫木さんのことが気にかかるそうだが「以前に出た作品を観たら、クレイジーな役ばかりやってるから気持ちが吹っ切れました」とも。妻夫木さんは慌てて「今度、温かいやつをお送りします」と苦笑いを浮かべていた。医者の長男を演じた西村さんは、母が次男ばかりをかわいがることに嫉妬気味? 司会者にそうツッコまれると「僕はそんな小さな人間じゃないので大丈夫です」とスネたような口調で語り、会場は再び笑いに包まれた』
※なんか、劇中の登場人物が感想を喋っているようで微笑ましいッスなー♪
※『東京物語』のトリビュート作、という括りで言えば、『歩いても歩いても』の方に
歩があるかな~~~。どっちにも出てたのは夏川結衣さんなワケだがーーー。結衣さんの
存在感がまるで違う!その一点だけでも優劣ははっきりしているナヤ~
→ 『Q:では、「東京家族」が描く「家族のドラマ」を通じて、感じられたことは?/妻夫木:結婚もいいもんだなあって(笑)。昌次のたたずまいがいいんですよ。恋人を両親に紹介し、その本質的な人間性をわかってもらい、絆が生まれる瞬間って、たまらなく感動できるじゃないですか。恋人同士にも絆はあるけれど、家族の、親子だけの絆って確実にあって、それを垣間見ると、本当の意味での親孝行ってこういうことなのかなと思いました。/蒼井:確かに、紀子の存在で、平山家の絆が強まるエピソードは素晴らしかったです。でもわたしは、「結婚っていいな」とまでは思わなかったけど(笑)/妻夫木:ちょっとリアルな話になっちゃいましたね(笑)。
見終わった後、ここまで心が温まる作品って、ありそうでなかったと思うんです。なんか、ホッとしたんですよ。実家に帰って「ただいま」って言うような、そういうホッとする気持ちになれる映画だよね。/蒼井:わたしは、実家があるから何とか頑張れている気がしているので、本当にこの作品に感情移入できました。/妻夫木:絶対的な安心感というか、いつでも帰れる場所があるのは、すごく自分の中で強みになるよね。しかも知らないところで支えてもらっていたりもするじゃない?/蒼井:あと、海外の方々にもぜひ観ていただきたい作品でもあります。これが全てではないけれども、「今の日本人って、わたしたちって、こうなんです!」って』
※なんだかんだでホッコリできるのが、山田映画の特徴でゴザイマスね~~~(ノン~ビリカンショウシマショウ)
※「わたくしずるいんですの」という台詞は言いそうで言わなかったナ~。吉行和子から受け取った
アレの話を最後までしないので、きっと伏線に違いない、と思ってたが結局何事もなかったミタイ~♪
けど、会って間がないのに、お母さん、お父さんに気に入られて、いろいろ貰えるというのは、原節
子同様、優ちゃんが魅力的だからかー。そういう意味では「ずるい女」でしょうねぇ、間違いなくーw
仕事のストレスは 仕事でなければ 晴れない
(よく、他の事で気晴らしをする、という人がいますが、私の持論はコレです。厳しいようですが、部下にもそう言っており、見事に結果を出してくれているように思えます)