【トランス】ダニー・ボイル監督の迷宮
■スタッフ:/監督 ダニー・ボイル /製作 クリスチャン・コールソン /製作総指揮 バーナード・ベリュー フランソワ・イベルネル キャメロン・マッキントッシュ テッサ・ロス スティーブン・レイルズ マーク・ロイバル /脚本 ジョー・アハーン ジョン・ホッジ /撮影 アンソニー・ドッド・マントル /美術 マーク・ティルデスリー /衣装 スティラット・ラーラーブ /編集 ジョン・ハリス /音楽 リック・スミス
■キャスト:ジェームズ・マカボイ(サイモン) ロザリオ・ドーソン(エリザベス) バンサン・カッセル(フランク) ダニー・スパーニ(ネイト) マット・クロス(ドミニク) ワハブ・シェイク(リズ) タペンス・ミドルトン(若い女)
■作品データ:/原題 Trance /製作年 2013年 /製作国 アメリカ・イギリス合作 /配給 20世紀フォックス映画 /上映時間 101分 /映倫区分 R15+
eiga.com 映画評論 複雑なプロットを物ともしないエネルギッシュな陶酔
→『類い稀なる映像と音楽の融合により観客を陶酔状態へと誘ってきたダニー・ボイル監督。一時はハリウッド進出につまずきながらも、昨今ではその評価もうなぎ上り。むしろ巨大メジャーに迎合しないことで独自のスタイリッシュなスタイルを貫き、「スラムドッグ$ミリオネア」のオスカー受賞、舞台演出の成功、それにロンドン・オリンピック開会式の総監督としても目覚ましい成果を刻んできた。
これまでのボイル作品と同様、陶酔感溢れる演出で紡がれる本作は、ボイルが「127時間」で挑んだ内面世界への冒険を推し進め、人間の深層心理をまた別の角度から炙り出す。その手腕の鮮やかさ。作中にはゴヤやベーコンを彷彿させる凶暴性や裸婦像を思わせるエロティシズムさえ立ちこめ、さらには鮮烈な色彩のタッチが観客の脳裏に本能的な警戒心を発動させてやまない。/一方でボイルの原点回帰を思わせる節もある。メインとなるのは3人の男女。初監督作「シャロウ・グレイブ」を思い起こさせるこのシンプルな関係性は案の定、刻一刻とかたちを変える。そしていつしか語り手や主人公といった線引きさえも曖昧にしたまま、観客が抱く彼らへの先入観をことごとく覆していくのだ』
※いやー、凄く挽き込まれるストーリーだったー!!途中までのモヤモヤが、
ある一点を境にして、どんどん霧が晴れるように明らかになっていく爽快さ♪
これは記憶喪失モノの傑作!として、万人にオススメの一品でオジャルゾヨ!
→ 『Q:スリリングな脚本はもちろん、映像にも観客を惹(ひ)きつける力がありますね。/ボイル監督:映画はゴヤの絵画から始まる。彼は最初の精神世界の大画家なんだ。つまりゴヤは心の中を描いた。モダニズムの200~300年も前にね。その絵画を最初に置いたことで、観客を心の中の世界にいざなった。あとはフランスの田舎に行くシーンのように、「空想」、言い換えれば「錯覚」も映し出したね。そうやってさまざまな要素で引き込んでいくんだ。/Q:なるほど、そういう仕掛けだったのですね。/ボイル監督:映像以外にもたくさんあるよ。例えば、ジェームズ演じる主人公サイモンはいろいろ象徴的なジェスチャーをする。ひっきりなしに(テーブルをコン、コン、コンと打って見せながら)物の表面を打つとかね。ジェームズが言ったんだ。「彼の中には箱がある。完璧な箱だ。彼にもそのことはわかっている。でも、それを打ってみて確かめることくらいしかできない」と……。こういうふうにたくさんのディテールを積み重ねることで、キャラクターを作り上げていく。あと、3人というのも大好きだ。誰が誰の味方かお互いにわからないし、その関係がどんどん変わっていく。とてもダイナミックな道筋だ。/Q:つまり、最初に監督が思い描いたイメージに近づけるというより、現場で少しずつ作っていくという感じだったのでしょうか?
/ボイル監督:そうだね。説明するのが難しいんだけど、映画は有機的なものなんだ。すごく小さなことが大きなものになったりする。最初に彼(ジェームズ)が言い出したんだ。「このガラスを打ってみるのはどうだろう?」ってね。それが映画を通してのモチーフになっていった。こういう具合に、脚本にはない小さなことで役の心の中を表す。彼(ジェームズ)の役者としての心理学だね。「こんなのは?」と言っていろいろやってくれた。そういう小さな演技で肉付けされて映画が発展していくんだよ。/ジェームズ:それはダニーの監督としての自信によるところもあると思うよ。「観客を混乱させてしまうのでは?」なんて恐れない。ダニーは「どんどんリスクを冒そう」という感じなんだ。思い付きに大興奮してやってみて、結果、意味をなさなかったなんてこともあったけど(笑)。それでも、やってみたところで損はないよね』
→ 『「まんまとハメられた!」というのは放送作家の鈴木おさむ。「もう一度見直そう。そしたら自分がどこで騙されたか分かるな。おもしろいっす」とコメントし、山田五郎 も「最近ただでさえ記憶が曖昧なのに、ますます自信がなくなった。この映画に登場する西洋絵画の名作たちを、私は本当に知っていたのか? そもそも私は誰なのか? もはや何も信じられない」と混乱している様子。
また、人を幻惑させることに関してはプロフェッショナルのMr.マリックは「この映画、冒頭からガンガンきてます! アッと声を上げた瞬間、もうトランスです。操られていると思わせて、操る。ボイル監督の術中に完全にはまってしまいました。この映画は一生私の記憶から消えないかもしれない」と監督の術中にはまったことを示唆し、プリンセス天功も「不可思議な展開と予期せぬスピード感覚が最高に面白い映画でした。とても興味深く見てしまいました。仲良い2人で見ることをおすすめします」と本作の魅力を語っている』
※Mr.マリック、なんか懐かしい名前やわ。この映画を参考にして、また
トランス商法で打って出る気にならなきゃいいけどーーー
→ 『ボイル監督とはキャラクターについてはもとより、記憶や愛の本質などについてエンドレスに語り合ったという。「例えば、愛というのは記憶を失っても残るものなのかとか、精神面での記憶と肉体面での記憶を、人間はどの程度覚えているものなのかとかね」。その話し合いと自身の演技が奏功し、私たち観客は、まんまとマカヴォイさんとボイル監督が仕掛けた“わな”にはまることになる。/カッセルさんといえば「ドーベルマン」(1997年)や「クリムゾン・リバー」(00年)、「オーシャンズ12」(04年)などに出演し、鋭い眼光のコワもて俳優との印象があるが、当のカッセルさんはマカヴォイさんいわく、「バンサンはナイスガイだよ。いいやつさ。物事に動じず、クールで、それでいて気の置けない奴」と既存のイメージを払拭する。また、「7つの贈り物」(08年)や「アンストッパブル」(10年)などに出演しているドーソンさんについても、「ロザリオはラブリーな女性で、でも最もクールで知的な女優の1人だよ。自分というものをしっかり持っているしね」と絶賛。そんな共演者に恵まれ、「こんなに暴力シーンが多い大変なストーリーの作品を撮っているとは思えないほど」楽しい現場だったという』
※劇中登場する入り組んだ高速道路のように、人間関係、深層心理、
記憶と現実の感覚が、錯綜するかのように物語は進んでゆく。。。
※↓この下の動画で「途中、下世話な三角関係になっていく」と
言及している町山さんは、酷い映画の見すぎで、ちょっと感覚が
麻痺してたんだろうなー。下世話な話になっていった、と見せかけ
て、最後ちゃんと名画の強盗話に戻っているもん。騙されたワー。
さらに凄かったのは、名画の秘部の毛つながりでパイパン趣味が
登場するくだり。日本版はモザイクがかかるから解り難いヨナーーー
あ、ここに無修正動画アッターーー!コソーリ↓
※スジをボカシたせいで話の筋までボケてしまったのは、ちと残念だった。
→ 『二人は昨年、ダニーの最新監督作「Trance(原題)」にロザリオが出演したことがきっかけで交際に発展。23歳の年の差を乗り越え、順調な交際が続いていたと思われたのだが…。ある情報筋は英紙に次のように語っている。「ダニーとロザリオの関係は終わりました。大変残念ですが、二人は最初から、いろんな意味で共通点の少ないカップルではありました」/ロザリオはこれまで、「セックス・アンド・ザ・シティ」のスミス役で知られるイケメン俳優ジェイソン・ルイスとの交際が有名だった』
※映画公開時にはもう別れちゃってた訳ネン~。どうなんやろ、元カノの
パイパン姿をスクリーンに収めてしまって、それを公開しなくちゃなら
ない男の心境というものはーーー。それこそ、劇中のドーソン演じるエリザ
ベスが抱く感情と、近いものがあるんだったりして。。。
7月3日の雑学問題は・・・?(簡略解答は一番最後に!)
Q:バクはなぜ夢を食べると言われているのか?
(解説)バクは漢字で書くと「獏」だが、中国語の獏はもともと中国人が作り出した想像上の動物で、実在のバクとは全く別の動物である。この想像上の獏は鼻はゾウ、目はサイ、尾はウシ、足はトラ、全体はクマに似ているとされている。それが実在のバクと混同されてしまった。/中国ではバクの皮を敷いて寝れば邪気を払うとされ、魔除けの動物と考えられたが、それが日本では悪夢をのぞく(食べる)という面だけが強調されてしまったというわけであるー
オコタエ~(o ̄∇ ̄)σ 言い伝えの一面だけが強調された
関連雑学
・俳優の大和田獏は、テレビドラマ 『こんまい女』への出演で芸能界デビュー。その際、同ドラマの脚本家・花登筺から、「夢を食べて夢のある大きな役者になれるように」という意味で「獏」という芸名を付けて貰った。本名は「芳朗ーーヨシロウ」であるにもかかわらず、自分の兄弟や妻・岡江、自分の親からも「獏ちゃん」「獏さん」と呼ばれている。