【トイレのピエタ】
☆~手塚治虫/1989 年1月15日最後の日記より~
今日素晴らしいアイデアを思いついた!
トイレのピエタというのはどうだろう。
癌の宣告を受けた患者が、
何一つやれないままに死んでいくのはばかげていると、
入院室のトイレに天井画を描きだすのだ…(中略)
浄化と昇天。
これがこの死にかけた人間の、世界への挑戦だったのだ!
■スタッフ:/監督 松永大司 /脚本 松永大司 /原案 手塚治虫 /製作 高橋敏弘 巖本博 和田倉和利 善木準二 岡田哲 小川昭 清水英明 /エグゼクティブプロデューサー 吉田剛 江守徹 /プロデューサー 小川真司 甘木モリオ /撮影 池内義浩 /美術 愛甲悦子 /作画 林田裕至 /照明 原由巳 /録音 橋本泰夫 /編集 宮島竜治 /音楽 茂野雅道 /主題歌 野田洋次郎 /助監督 片島章三 /プロダクションマネージャー 梶川信幸 /キャスティング 杉野剛 /ポストプロダクションスーパーバイザー 大屋哲男 /装飾 岩間洋 /スタイリスト 荒木里江 /ヘアメイク 須田理恵 /音響効果 朝倉三紀子 /スチール 太田好治
■キャスト:野田洋次郎(園田宏) 杉咲花(真衣) リリー・フランキー(横田) 市川紗椰(さつき) 古舘寛治 MEGUMI 岩松了(園田宏の父) 大竹しのぶ(園田宏の母) 宮沢りえ(拓人の母) 森下能幸 澤田陸(拓人)
■作品データ:/製作年 2015年 /製作国 日本 /配給 松竹メディア事業部 /上映時間 120分 /映倫区分 G
※別作品のオマケについていた予告編でやや興味を持って、今回レンタルしてきた!
んーーー、手塚治虫の日記とやらを宣伝に利用するやり口に、ちょっとあざとさを
感じてしまって、その分だけマイナス評価になっちゃうなぁーー。
※お話自体は普通に感動モノ。余命○か月の花嫁がどうのこうの、とかの
お涙頂戴ものに比べればずっと良かったけれどー。2015年のシネマランキングに
はとうてい届かないッスねー、今年は洋画も邦画もけっこう豊作ッスからーーー
→『「トイレのピエタ」が10月29日、第28回東京国際映画祭のJapan Now部門で上映され、メガホンをとった松永大司監督が東京・新宿ピカデリーでティーチインに臨んだ。 '
本作のストーリー、そして演出の両面において鍵となるのが、死後、十字架から降ろされたキリストを母マリアが抱く姿を描いた芸術作品「ピエタ」。松永監督は、「ピエタは多くの芸術家が作っているが、僕が影響を受けたのはミケランジェロのピエタ」と告白する。その理由を、「他の方が作ったものとは表情が異なる。表情がすごく豊かで、悲しい顔をしていない」と説明。そのうえで、「穏やかな顔で死んでしまった自分の子どもを抱くってどういうことなんだろうと疑問を持った。その答えを映画を通して見つけてみたいと思った」と明かした。
さらにミケランジェロのピエタは、演出でも多大な影響を与えている。ミケランジェロは20代で完璧なピエタを完成させていながら、以後3体のピエタを制作。松永監督はこれを例に挙げ、「ミケランジェロが最後に作ったピエタは、すごくいびつ。単純に形として捉えると、完成していない不完全なもの」であるとし、そのうえで「だから主人公が最後に描く絵は、荒々しく不完全なものにしたかった」と語る。
だが、これを実現するのは困難を極めた。松永監督は、「絵を描いてくれた人には“こういう絵を描こうとしている”と予想できる絵にはしたくない。何を描くか分からないけれど、衝動のなかで描いていく絵にしたいと要求した。ラフも何回も見せてもらった。この部分では、だいぶわがままを言いました」と述懐。こだわりはこれだけには留まらず、納得いく絵を描くため「トイレを何個も作りました。キャンバスとして(笑)。最初、中盤、最後で大きさも変えて、いくつも作りました」と明かすと、客席からは「おおー!」という驚きの声と、笑い声があがっていた。』
(製作:「海街diary」製作委員会 配給:東宝、ギャガ 監督・脚本:是枝裕和 原作:吉田秋生 音楽:菅野よう子 撮影:瀧本幹也 出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、大竹しのぶ、堤真一、加瀬亮、風吹ジュン、リリー・フランキー、樹木希林)
●監督賞 橋口 亮輔 「恋人たち」
●森田芳光メモリアル新人監督賞 松永大司 「トイレのピエタ」
●主演男優賞 永瀬正敏 「あん」
●主演男優賞 渋川 清彦「お盆の弟」「アレノ」
●助演男優賞 光石 研 「お盆の弟」「恋人たち」
●助演女優賞 河井 青葉 「お盆の弟」「さよなら歌舞伎町」
藤野 涼子 「ソロモンの偽証 前篇・後篇」
●審査員特別賞 「バクマン。」 制作スタッフ・キャスト
●特別大賞 樹木希林 「あん」
※新人監督賞、最優秀新人賞、おめっとさん、おめっとさーん!(愛川欣也風)
→ 『野田氏をキャスティングした松田監督はこう語っています。「絵を描く主人公なのでアーティストと呼ばれる人がいいと思いました。ミュージシャンは特にしっくりきて、いろんな人の音楽を聴くうちに、野田洋次郎を知ったのです。彼の歌う死生観が映画のテーマに重なり、ライブ映像で彼を見て“この人はできる”と確信しました」/とはいえ、メディアにほとんど出ないミュージシャンゆえ、「オファーはダメかなと覚悟をしていた」という監督。ところが野田氏は映画初出演のオファーを受けたのです。その理由は、脚本の良さとタイミングの絶妙さがあったそうです。
野田氏はこう語っています。「いただいた企画書の段階で”おもしろいな”と思いました。主人公が当時の自分と同じ年で、自分の通ってきた人生や思考に近く、彼の気持ちが手に取るように理解できたのです。彼がどんな風に生きていくのか、死んでいくのか他人事とは思えなくて。これほどシンクロナイズドすることがあるんだと、運命を感じました。それとデビューして10年、いい意味でタガが外れたと言うのがあると思います。それまでは期待以上の曲を作るために、手を広げてはいけないと、自分の純度を守ろうと肩肘はってきたのですが……。でもこの年になって、どこにいてもにごりなく自分でいられる自信がでてきたのかもしれません。そんなタイミングで出演依頼をいただいたのです」/運命の出会いに上手に乗ったと言えますが、それだけじゃない。野田氏自身の仕事を選ぶ目の確かさあってこそです』
キャストや背景のチョイスはバッチリ。邦画らしい美しい小品デスタ♪
「ほぼ日手帳」より、“日々の言葉”
■12月12日の言葉:終点の駅についた時、近くに眠っている人がいました。もし誰にも気付かれなかったら車庫に向かうのではと、お節介心が働き、声を掛けました。「終点ですよ」→サラリーマンの方、慌てて起きてひとこと。「‥‥大丈夫?」 え、私が?(「今日の言いまつがい」より)
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・言おうとしてたことと、違ったことを言ってしまう
そういった、失敗談を集めた名物企画。
「今日の歴史出来事カレンダー」より、“今日も明日も歴史的一日”
《幕末》文久2年(1862年)12月12日:英国公使館焼き打ち事件
・・・高杉晋作や久坂玄瑞など長州藩の志士らにより、品川で建設中だった英国公使館が焼き打ちされました。長州藩における尊王攘夷の実行の機運の高まりを背景に、その手始めとして行われたものですー