『羊の木』映画&コミック
■スタッフ:/監督 吉田大八 /原作 山上たつひこ いがらしみきお /脚本 香川まさひと製作長澤修一 太田哲夫 藤島ジュリーK. 中村家久 水野道訓 小佐野保 高橋誠 吉羽治 岩村卓 牧田英之 荒波修 /エグゼクティブプロデューサー 豊島雅郎 福田一平 /プロデューサー 井手陽子 アソシエイトプロデューサー 青村麻実 橋本竜太 /撮影 芦澤明子 /照明 永田英則 志村昭裕 /美術 安宅紀史 /録音 石寺健一 /整音 矢野正人 /装飾 山本直輝 /衣装 小里幸子 /ヘアメイク 酒井夢月 /編集 佐藤崇 /音楽 山口龍夫 /主題歌 ニック・ケイブ・アンド・ザ・バッド・シーズ /スクリプター 工藤みずほ /制作担当 坪井力 /助監督 甲斐聖太郎 /キャスティングプロデューサー 坪井あすみ /ラインプロデューサー 榊田茂樹 /アシスタントプロデューサー 中野有香 /VFXプロデューサー 小坂一順 VFXスーパーバイザー 白石哲也 /音楽プロデューサー 緑川徹 濱野睦美
■キャスト:錦戸亮(月末一) 木村文乃(石田文) 北村一輝(杉山勝志) 優香(太田理江子) 市川実日子(栗本清美) 水澤紳吾(福元宏喜) 田中泯(大野克美) 松田龍平(宮腰一郎) 中村有志(雨森辰夫) 安藤玉恵(内藤朝子) 細田善彦(田代翔太) 北見敏之(月末亮介) 松尾諭(須藤勇雄) 山口美也子(志村妙子) 鈴木晋介(神崎良作) 深水三章(目黒厚) 川瀬陽太 木原勝利 白神允 中沢青六 村上和成 江原政一 大矢敬典 西山清孝 中野剛 鈴木隆仁 山口尚子 白川朝海 船崎良 渡邉蒼 大智 三宅希空 川上凛子 安藤結埜
※不協和音だらけの群像劇。こういう不穏なムードもまた趣き深し・・・。
※『怒り』を観に行ったとき、こういうストーリーを期待したんだった。
その意味で、本作は“怒りの敗者復活戦”とでも呼べる出来映えじゃった♪
→ 『山上たつひこ、いがらしみきお原作による実写映画「羊の木」の初日舞台挨拶が、本日2月3日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた。/舞台挨拶には月末一役の錦戸亮、石田文役の木村文乃、杉村勝志役の北村一輝、太田理江子役の優香、栗本清美役の市川実日子、福元宏喜役の水澤紳吾、大野克美役の田中泯、宮腰一郎役の松田龍平、吉田大八監督が登壇した。
本日行われた初日舞台挨拶は、全国の劇場で生中継されていることから、錦戸は「全国に届いているんですよね?」と中継用カメラに笑顔で手を振る。映画を鑑賞したばかりの観客たちの独特な雰囲気を感じ取った松田は「これ、ムード的にどうなんですかね。そんな“わー楽しかった”って気軽に言える映画じゃないですもんね」とぽつり。すると木村から「そう言ってほしかったんですか?」と突っ込まれた。/初日を迎えた感謝の言葉を述べた北村は、本作に目黒厚役で出演している、去年年末に亡くなった深水三章について触れ「深水さんは、僕が駆け出しの頃からお世話になっていた先輩。この映画で同じシーンを一緒にできたことをうれしく思います」と続けた。そして吉田監督は「この映画の取材を受けると、いつも以上に俳優の質問が多かった。それは俳優が素晴らしい仕事をしてくれたおかげだと思う」と振り返り、「映画を観に行くのは、俳優を観に行くことだと思っている。自分の作りたかった映画が作れて、皆さんとステージに立っているのが晴れがましい気持ちです」と挨拶した。
挨拶を終えた登壇者たちは、映画の設定にちなんだお題「誰も知らない町で新生活を始めるとしたらどんな職業に就いてみたいか?」でクロストークを展開する。映画の余韻が抜け切らない観客を盛り上げようと「ちょっと大きめの声でしゃべります」と前置きし、錦戸は「僕が興味あるのは、左官屋さん。細かい作業も結構得意なので、TOKIO兄さんを超えるくらいの職人技を磨きたいです!」と元気いっぱいに答える。また北村も錦戸同様に声を張り「僕はなんでもいいです。映画みたいに船に乗ってもいいし、家具作るのも好きなので、こもって何かを作ってもいいし。とにかく、しがらみとかが苦手なのであまり人に会わない仕事が好きですね」と述べ、笑いを誘った。/そんな錦戸や北村とは対照的にマイペースに語りだした松田は、北村や市川に「大きい声でしゃべりなよ」と突っ込まれつつ「映画でも運送業をやってるんですけど、制服がしっくりきて。だから運送業ですかね。でも方向音痴なのでたどり着けるかわからなくて心配ですけど」と続ける。また木村は「今の事務所に拾われていなかったらずっと続けていたかも」とウェディング関連のアルバイトをしていた過去を明かし「幸せな場所を作って、送り出せる仕事はステキだなと思います。もしそういう役をいただけたらうれしい」と話した。同じ質問に「私は動物に懐かれないので、牧場とかで働いて大きい動物から攻めていきたい。動物に愛される男の人ってカッコいいですよね」と答えたのは水澤。そんな彼に錦戸が「僕らは愛してますから」と冗談交じりに声をかけると、水澤は「本当ですか?」とうれしそうに聞き返す。また優香は、田中が作ったうどんが美味しかったことから「私もうどんを作りたい。育てるところからちゃんと作ってて、1日5食限定で出したり」と笑顔。この優香の言葉に、田中は照れながらもうれしそうな表情を浮かべた。そんなキャストたちの回答に錦戸は「やっぱり職人気質の人が多いんじゃないですか。こういう世界の人は」と納得した様子を見せた。
イベント終盤には、映画のヒットを願って鏡開きを行うことに。鏡開きをするのが初めてだという錦戸は「今会議中です!」と登壇者たちと木槌を下ろす位置やタイミングを真剣に相談する。そして錦戸の「せーの!」の掛け声を合図に、勢いよく木槌を酒樽に打ち付けた。/最後の挨拶で錦戸は「1回見ただけではなかなか消化できない、今日朝から観てくれたお客さんは、朝イチですき焼きを食べてるみたいだったと思う。でも少しずつ消化して、またもう1回食べたら『こんな味してたんだ』って気づけることがあるはず。時間に経てば経つほど、いろんな感覚に陥る映画です」と作品の魅力をアピール。それを聞いていた吉田監督も「飲み込みにくいし、どんな映画って聞かれても感想を伝えにくい映画だと思う」と同意しながらも、「生きていくうえでは疑うことも必要です。でもわからなくても信じるっていう気持ちが、疑うことより多いほうが生きてて楽しんじゃないかなと思いながら、映画を撮っていました。よかったらまたこの俳優たちに、劇場に会いに来てください」と述べ、舞台挨拶は幕を閉じた。』
(※「のろろ」のビジュアルで「ぼのぼの」思い出したww)
スキタイの羊、ダッタン人の羊、リコポデウムとも呼ばれるこの木は、本当の名を「プランタ・タルタリカ・バロメッツ」といい、ヒョウタンに似ているものの、引っ張っても曲がるだけで折れない、柔軟な茎をもっているとされた。時期が来ると実をつけ、採取して割れば中から肉と血と骨をつ子羊が収穫できるが、この羊は生きていない。 実が熟して割れるまで放置しておくと、「ぅめー」と鳴く生きた羊が顔を出し、茎と繋がったまま、木の周りの草を食べて生き、近くに畑があれば食い散らかしてしまう。周囲の草がなくなると、やがて飢えて、羊は木とともに死ぬ。ある時期のバロメッツの周りには、この死んだ羊が集中して山積みになるので、それを求めて狼や人があつまって来るのだと言う。この羊は蹄まで羊毛なので無駄な所がほとんど無く、その金色の羊毛は重宝された。肉はカニの味がするとされた。
→ 『・あなたが孤独で寂しくて泣いている時も友達がいなくても、路頭に迷って何もかも分からなくなっても 、あなたは希望をなくして何もかもなくしても 、神にすがっても何も解決しなくても 、そして死んでもそれは終わりではないんだよ。 生命の木は成長し精神は死ぬことは無い 。街は悲惨なことになっている 。炎に人が焼け死んでいる。 忘れるな、死は終わりではないんだよ』
※翻訳ドヘタw
※実在するんや、このラーメン屋さんwww
※作品ごとに進化が感じられる大八監督!次作も楽しみではないか!
→ 『【最新公開シネマ批評】映画ライター斎藤香が最新映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、レビューをします。/今回ピックアップするのは映画『羊の木』(2018年2月3日公開)です。『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞ほか各映画賞を受賞した吉田大八監督作で、主演は関ジャニ∞の錦戸亮。これがヒトコトでは言えない風変わりな作品なのですよ。/「殺人を犯した人と過ごすことができますか? 受け入れることができますか?」と聞かれたら、皆さんはどう答えますか? この映画は全編ずっとそう問われているような気がしました。
もしも自分が月末だったら、平静を装いつつも、どこか「怖い」という気持ちは抑えられないでしょう。この映画を見て、そんな風に思ったのは、6名の描写が素晴らしかったから。床屋の福元(水澤紳吾)がカミソリを手にすると恐怖を感じますし、クリーニング屋の大野(田中泯)と目が合うとゾッとしますし、釣り堀屋の杉山(北村一輝)にからまれたら緊張するでしょう。彼らは全員、どこか危ない。何をしでかすかわからない危険人物に見えてしまう。でも何もしていないのにそう見えてしまうのは「あの人は殺人者だから」という色眼鏡で見ているからかもしれません。でも月末は、恐怖をうっすら感じながらも、6人を殺人者ではなく「この町に引っ越してきた人達」として接しようと努力するのです。「月末、エライ」「月末、がんばれ」と思いましたよ。月末は彼らを受け入れようと一生懸命だからです。
映画が進むに従って、魚深の住民と深い交流を築く元受刑者もいるし、自ら壊してしまう人も出てきます。そして明らかになる彼らの真実と、新たに起こる殺人事件!静かな港町をじわじわと揺らしていく6人の中で、ついに牙をむいた殺人者が暴走し始めるのです。月末が必死に何とかしようと行動に出る後半からは、怒涛の展開! サイコパスの殺人はこのように、ふとしたきっかけで突然起こるものなのだと、リアルな殺人プロセスを見るようでした。』
ナガの映画の果てまで 【ネタバレ】映画「羊の木」:感想・解説:脱パサージュ論とのろろさまがもたらす救済としての死について考察
→ 『 本作において個人的に最も評価したいのは序盤の登場人物紹介パートなんですね。ここは映画的に極めてハイレベルな脚本・構成・演出だったと思います。/冒頭の時点で、錦戸亮演じる月末は魚深にやってくる6人の男女がもと殺人犯で仮釈放中の身であることは知らなかったんですよね。そして映画を見ている我々もそれを知らない状態です。そのため我々は次々に町にやって来る登場人物たちの様子に一抹の不可解さを感じてしまう月末の心情を追体験できるようになっているわけです。
提供されたラーメンを早食いする福元。甘いものを幸せそうに頬張る太田。新聞紙を丁寧に伸ばす栗本。これらは全て刑務所特有の癖とも言えます。食事の時間が限られているために受刑者は早食いになりがちと言われます。また刑務所では、甘いものや味の濃いものが献立に登場しないために、釈放されるとついそういったものと食べたくなるとも言われています。このように何気ない仕草ですが、見ている我々に落ち着かなさを感じさせ、うっすらと刑務所の存在をちらつかせる観客心理の煽り方が非常に上手かったように感じました。/また登場人物の説明という点でも序盤のパートは非常にスマートでした。というのも月末の「いいところですよ。人も良いですし、魚も美味しい。」というワンフレーズを6人の登場人物全員にぶつけることで、その微妙な反応の違い、表情の機微から彼らの性格や人間性が何となく比較できるようになっているからです。登場人物の紹介に使うパートのテンポが悪く、間延びしている作品をしばしば目にしますが、本作「羊の木」はその辺りが非常にスマートでかつレベルの高い仕上がりになっていました。』
※Jの時代遅れ圧力?のせいで、主役が木になっちゃってるよ~~ぅ。
Amazon.co.jp 羊の木(1) (イブニングKC) コミックス いがらしみきお(著), 山上たつひこ(原著)
→ 『■内容紹介:本年度漫画界,最高の話題作、ついに単行本化!原作/山上たつひこ氏、作画/いがらしみきお氏、ギャグ漫画の巨匠2人が奏でる「不安」「願望」そして「笑い」の先にある物語!/とある日本の地方都市。かつては海上交易で栄えた港町。名を魚深市という。その町が、犯罪を犯し刑期を終えた元受刑者を地方都市へ移住させる政府の極秘プロジェクトの試行都市となる。一般市民には何も知らせずに元受刑者の過去を隠し転入させるこのプロジェクトの全容を知るのは市長とその友人月末、大塚の3人のみ。移住するは、凶悪犯罪を犯した11人の元受刑者。はたして、このプロジェクトの行方は!?/■登録情報:/コミック 208ページ /出版社 講談社 /言語 日本語 /ISBN-10: 4063523837 ISBN-13: 978-4063523836 /発売日 2011/11/22 /梱包サイズ 18.8 x 13.8 x 2.1 cm /おすすめ度 5つ星のうち 4.4 /■カスタマーレビュー:5つ星のうち5.0 「おすすめ漫画」 投稿者Eri 2015年2月9日・・・ネットで面白い本は無いかと探していると、これにいきつきました。中身も全く想像もつかない表紙でしたが、失敗してもしょうがないと思い購入。届き中身を見た瞬間失敗した!!と思いました。でも、買ったからには中身を少しでも見てみないと思い、しぶしぶ見てみると…止まらない!!笑 /絵のタッチは、女性が観る側としてはなれないタッチではありましたが、内容が面白い!笑いもあり、考えさせられる部分もあります。内容は他の方が書いているので割愛しますが、1巻買って読み終わると、次がすぐに読みたくなりました。久々に次の巻が待ち遠しい漫画に出会いました。愛読書にしたいくらいですね。笑』
(錦戸亮演じるところの月末からして、コミックじゃこんな↑オサーンなのだからしてw)
※受け入れる人数が、まず原作の11人に対して、映画じゃ6人に減っている。
じゃあ、人数をただ半分にしただけかというと、、、その人物設定から何から
ほとんどオリジナルと言っていい程に改変されていた!!
そもそも 山上たつひこさんの原作と、いがらしみきおさんによる漫画も、随分
改変がされているらしいし、してみると、今回の映画と山上たつひこさんの原作
は、まったく別物になっているんじゃないだろうか~~。
それぞれにそれぞれの面白さが詰まっているのかもネン~。
『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ』 |
出展:? |
発言者:前島密(政治家 1835年2月4日~1919年4月27日) |
→ 『解説:多くの人が意外と知らない事実。日本の普通郵便切手の絵柄で人物が描かれているのは一種だけ。それが1円切手の前島密だ。前島は近代郵便制度の父と言われている。「縁の下の力持ち」、日本人の美風だが、最後の「人のためによかれと願う心を常に持てよ」ときて、はじめてその意味合いが積極的になる。』
※1円切手は1947年から一度もデザインが変更されていない。
→ 『■内容(「BOOK」データベースより):郵便事業の創業だけではない偉大なる遺産の数々。/■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):小林/正義・・・昭和10年1月島根県出雲市に生まれる。昭和32年同志社大学文学部(文化史専攻)卒業。同年郵政職員となる。郵政百年史編集室、広報室、人事局要員訓練課、葉山郵便局長、郵政大学校主席教官、国際花と緑の博覧会郵政省・NTT・KDD共同館館長、郵務局郵便事業史編纂室長、中央郵政研修所養成部長、鳥取中央郵便局長などを歴任。平成6年退官。退職後、郵政研究所客員研究官、中央郵政研修所講師(郵便文化史)、広島国際学院大学非常勤講師(情報メディア論)などを務めた。所属学会:文化史学会、日本思想史学会、情報通信学会、文化経済学会日本、日本宗教文化史学会(理事長)。神西雅美のペンネームで、音楽、美術、季節関係のエッセイを執筆。平成17年3月、第50回前島賞受賞。現在、鳥取県米子市在住。/■登録情報:/単行本 295ページ /出版社 郵研社 /言語 日本語 /ISBN-10: 4946429204 ISBN-13: 978-4946429200 /発売日 2009/04 /梱包サイズ 18.8 x 12.8 x 2.2 cm /おすすめ度:未登録 /■カスタマーレビュー:まだなし』
→ 『前島密は1835年、新撰組で有名な土方歳三と同じ年に現在の新潟県上越市に生まれました。前島の家は三百年続く豪農でしたが、彼が生まれてすぐに父親が病死してしまい、教育熱心な母親に「誓って父亡き者との嗤いを取る莫れ」(前島密著「自叙伝」)と言われながら育ちました。/前島は今では意外なことと思われますが、小さい頃は漢方医学を専門にしていた叔父の影響もあり、医学を志していて、十二歳の半ばになった時、蘭方医学を学ぶために家に遊学をしたこともありました。この江戸で彼の人生を大きく変える出来事が起こりました。黒舟の来航です。彼はそのとき幸運にも、浦賀奉行・井戸岩見守弘道の従者としてアメリカ側との接見の場に立ちあっていました。
外国の脅威を肌で感じた前島は国防強化の必用性を痛感し、この翌年、誰に指示されたわけでもないですが日本の防衛のため、全国の湾港を見て歩きました。そしてその頃から西洋航海術に没頭し、幕府の諸術調所の武田斐三郎(佐久間象山の弟子で五稜郭を設計した人)に指事するようになりました。やがて彼は薩摩藩の目に留まり薩摩で学校の先生をしていましたが、兄の急な死を受け、余命少ない幕府側である前島錠太郎の養子となったのです。(このとき初めて前島という姓を受けました)/彼は幕府の開成所(東大の前進)で翻訳の仕事をしていましたが、幕府が明治政府に負けてしまったことにより、徳川慶喜に随行して謹慎先の駿府へと居場所を移しました。その後、明治政府側でありながら、有能なものなら旧幕臣でも寛容に新政府に向かえることで有名な大隈重信からオファーを受け、新政府に出仕するようになります。(渋沢栄一も前島を大隈の推薦した人によって新政府に入りました。)新政府内に入った前島は、日本初の鉄道事業(東京~横浜間)に関わった後、1870年、ついに前島は日本の郵便制度改革を任されるようになりました。
前島は郵便制度を導入するにあたって、従来の飛脚制度をそのまま踏襲するのではなく、一気に欧米と同様の近代的制度を導入しようとしました。しかし、当然のことながら日本に参考になるような文献はなく、海外の文献を探しても、欧米諸国にとって郵便制度はすでに日常的なものだったのでわざわざその運営ノウハウを出版するところはありませんでした。海外経験のある人を探して訪ね歩きもしましたが、郵便制度に関心を払って研究した人などいません。この段階で郵便制度について唯一分かっていたことは、切手を書上の表に貼付けて郵送する仕組みであるということだけでした。(これも渋沢栄一がフランスから一枚の切手を持って返ってきていたことからわかりました)切手で料金を前納することはわかっていましたが、消印をすることに考えが及ばなかった彼らは、再使用を防ぐ方法として、濡らすと破れる薄弱の紙を用いて再使用できないようにしたらどうかなどと真剣に議論していました。
ここで前島にイギリスへの渡航のチャンスが訪れます。イギリスの郵便制度を実際に見た前島はその進歩の具合に愕然としました。それは、飛脚がまだ郵便物を運んでいた日本にいては想像できない光景でした。市街では郵便馬車が優先通行を認められ、郵便列車が走り、郵便汽船が運行していたのです。これを見た前島は、日本に帰国すると早速郵便改革を実施し、それから一年後の1872年7月1日には、全国に一千カ所を超える郵便取扱所を開設し、北海道の北半分や南西諸島をのぞく全国に郵便網を築き上げました。今日の特定郵便局の多くは、それを前身としています。
☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
“叱られたとて、己の値打ちが下がったと思う必要はない。褒められたとて、値打ちが上がったと得意になってはいけない(『愚見数則』より)” |
【1909年2月4日の漱石】やっと実現した門下生の新聞連載に心を悩ます
※参考になりまーす。
※遠回しの感情表現。平泉成はお手本かも~♪