『万引き家族』コンフィデンスマンJPの疑似家族編にも通ずる・・・

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eiga.com 作品情報 『万引き家族』

■解説:「三度目の殺人」「海街diary」の是枝裕和監督が、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ。2018年・第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画としては1997年の「うなぎ」以来21年ぶりとなる、最高賞のパルムドールを受賞した。東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。息子とともに万引きを繰り返す父親・治にリリー・フランキー、初枝役に樹木希林と是枝組常連のキャストに加え、信江役の安藤サクラ、信江の妹・亜紀役の松岡茉優らが是枝作品に初参加した。

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■スタッフ:/監督 是枝裕和 /脚本 是枝裕和 /製作 石原隆 依田巽 中江康人 /プロデューサー 松崎薫 代情明彦 田口聖 /アソシエイトプロデューサー 大澤恵 小竹里美 /撮影 近藤龍人 /照明 藤井勇 /録音 冨田和彦 /美術 三ツ松けいこ /装飾 松葉明子 /衣装 黒澤和子 /ヘアメイク 酒井夢月 /音響効果 岡瀬晶彦 /編集 是枝裕和 /音楽 細野晴臣 /助監督 森本晶一 /キャスティング 田端利江 /制作担当 後藤一郎 /ラインプロデューサー 熊谷悠

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■キャスト:リリー・フランキー(柴田治) 安藤サクラ柴田信代) 松岡茉優(柴田亜紀) 池松壮亮(4番さん) 城桧吏(柴田祥太) 佐々木みゆ(ゆり) 緒形直人(柴田譲) 森口瑤子(柴田葉子) 山田裕貴(北条保) 片山萌美(北条希) 柄本明(川戸頼次) 高良健吾(前園巧) 池脇千鶴(宮部希衣) 樹木希林(柴田初枝) 毎熊克哉 堀春菜

■作品データ:/製作年 2018年 /製作国 日本 /配給 ギャガ /上映時間 120分 /映倫区分 PG12

オフィシャルサイト

※仲の良い家族に見えて、実は全員が他人を利用してやろうという悪意に満ちた

疑似家族。でもそんな中でこそ垣間見える本当の人と人との絆・・。どこかで

最近感動したテーマだなぁー、と思っていたが、作品のジャンルが真逆だったせ

いで永らく気づかずにいた。こちらはリアルを追求した是枝監督の職人の技!!

かたや、コミカルなドタバタ劇「コンフィデンスマンJP」(脚本はさすがの古沢良太先生)。

印象は違えど、両者とも笑って、泣いて、そして最後はジンワリと感動が残る、

「いい作品を見せてもらった~~~!」と大満足できる傑作だったと思うナリヨ~


●『万引き家族』大ヒット上映中!/本予告(パルムドール受賞)



eiga.com 「万引き家族」は納豆ごはん!? 樹木希林は松岡茉優の“恋人”を酷評

『[映画.com ニュース] 第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを獲得した是枝裕和監督作「万引き家族」の公開記念舞台挨拶が6月9日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、是枝監督をはじめ、リリー・フランキー安藤サクラ松岡茉優池松壮亮樹木希林、子役の城桧吏くん、佐々木みゆちゃんが出席した。/6月8日に全国329館(334スクリーン)で封切られた本作は、万引きで生計を立てながら暮らすある家族の姿を描く。パルムドール獲得という快挙を果たした是枝監督は「『(本作は)小さく産んで、小さな声で届けよう』ということでスタートしました。それが結果的に、広く、遠くまで作品を届けることができたのは、スタッフ、キャストがとても良い形で支えてくれたおかげだと思っています」と深い謝意を示した。

「是枝組で過ごした時間は、短くて穏やかなのに、所々でとんでもない興奮、そして爆発が起こる感じ。ちょっと感覚がおかしくなりそうだった」と言葉を紡いだ安藤は「監督に限らず、ここにいる皆さんは物凄い方々。納豆ごはんみたいな感じなんです」と独特な言い回し。「これはいつも通りのトークですね」というリリーのツッコミに慌て始めると「なんて言えばいいんだろう…キャビアを食べているような感じなのに、いつも納豆ごはんのような(笑)。監督の器の大きさと深さは見ていると恐ろしくなるくらい。その器が納豆ごはんを食べるお茶碗のように、心地よく受け止めてくれる」と必死に意図を説明していた。

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松岡は、劇中で唯一共演シーンのあった“4番さん”役の池松に対し、「今日はカンヌ以来“家族”に会えるということで嬉しかったんですけど、なんで池松さんが来てくれるんだろうと。今まで紹介できなかったんです。“家族”にようやく紹介できました」とニッコリ。場内からは温かい拍手が巻き起こったが、樹木の「将来に見込みがなさそう。幸せにならない相手だね」という発言には、観客も笑いを禁じ得なかった。酷評されてしまった池松は「図々しいと思いながら、ここに立っています」と謙そんしながらも、「カンヌからとんでもないお土産を持って帰ってきてくださった。平成の終わりにこんなことが起こるとは思ってもいなかった」と喜びを爆発させていた。/樹木は「(パルムドール獲得は)偶然じゃない。この前、河瀬直美さんから電話がかかってきて『長いこと貯めていたものが一挙に花開いた。本当に素晴らしい』と仰っていた。あんなに“わたくしが”という方が人を褒めるなんてね」とエピソードを披露。「9歳から28歳にかけて団地にしか住めなかった監督の貧しさ(の表現)に関しては右に出る者はいない! それが世界に認められたのは快挙。これが作家性じゃないかと思う。皆、感謝しています」と“毒舌”を交えながら是枝監督を絶賛していた。

みゆちゃんがテレビ画面に映るパルムドール像を見ながら作ったという“手作りトロフィー”を受けとった是枝監督は、締めの挨拶で「納豆ごはんのような映画です」と改めて強調して笑いを誘った。そして「毎日食べられると思います。見るたびに味わい方の変わる映画になったはず。みゆちゃん、桧吏くんの目線でも見られるし、大人は大人でちょっと切ないかもしれませんが、自分を超えていく子どもたちを遠くに見ながら、それでも“親”になっていく、そういう物語としても見ることができると思います。長く公開を続けていきたいので、また劇場に足を運んでください」と言葉に力を込めていた。』


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※若いころからお婆ちゃん役をやってらした樹木希林さん。

コント婆ちゃんから、リアル婆ちゃんへ。もう別人にしか見えんよ。

共演の女優が“化け物”と呼ぶのも解るネェーー。


Movie Walker 『万引き家族』の是枝裕和監督がリリー・フランキーを絶賛「バケモノです」

『リリーは、是枝監督が第66回の同映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』(13)をはじめ、『海街diary』(15)、『海よりもまだ深く』(16)と3本の是枝組を経て、本作で遂に俳優のクレジットでトップに躍りでた。是枝監督が治役をリリーにオファーしたのは、『そして父になる』でリリーが演じた、子煩悩で味のある電気屋のオヤジ像がとても印象深かったからだそう。/今回の治も、ちょっぴり小ずるいけど憎めないお調子者の父親だが、そこに哀愁というスパイスが加わり、非常に人間味に溢れた父親像となった。是枝監督はリリーについて「お芝居というものとはちょっと違う感じの仕草をされる。リリーさんは、そういう演技が絶妙に上手いんです」と感心する。「『そして父になる』の時に希林さんがリリーさんに『あんたみたいなのが出てきたら、私たち俳優は困るのよ』と言っていました。どういうことかと言うと、『プロじゃない』というスタンスを確保しながら、『なにもしないことが映画においては一番強い』という一番難しいことをさらりとこなしてくる。彼はまさに “バケモノ”なんです」。

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そして父になる」がハリウッドでリメイクされることになり、是枝監督はその映画を手掛けるスティーヴン・スピルバーグに会いに行ったが、そこでも開口一番にリリーの話題を切りだされたとか。「最初にスピルバーグ監督と握手をして座ったあと、『彼は一体何者だ?役者なのか?』と聞かれました。あのスピルバーグから見ても、リリーさんの有り様は異質だったらしくて。僕は、『彼はイラストレーターで、エッセイも書いていて、お芝居もするけど、役者じゃないのかもしれない』と言いました。そういう不思議なところがリリーさんのおもしろさだと思います」。

リリーが俳優として一気に注目を浴びたのは橋口亮輔監督作『ぐるりのこと。』(08)で、彼は鬱病の妻を支える夫を演じ、第51回ブルーリボン賞新人賞などを受賞した。もともと自身の強烈な個性をミックスした名バイプレイヤーとして活躍していたリリーだが、第37回日本アカデミー賞では、『そして父になる』で最優秀助演男優賞を、『凶悪』(13)でも優秀助演男優賞をW受賞するなど、すでに俳優として高い評価を受けていた。しかし是枝監督はリリーについて「世間的には役者として捉えられているけど、彼自身はそうじゃない気がするんです」と言う。「リリーさんについては “役者”という表現すら違う気がする。きっと彼は、なにかになってしまうことを良しとしない。偉くなっていかない感じがいいのかなと、僕は思っています」。/本作ではリリーもすばらしいが、是枝組初出演の安藤サクラ松岡茉優、リリーと同じく是枝組の常連にして名女優の樹木希林、子役の目利きである是枝監督がオーディションで選んだ城桧吏と佐々木みゆと、“万引き家族”を演じた6人全員の個性がそれぞれに際立っている。彼らは世間的に見れば、社会の底辺にいる弱者たちだ。でも、1つの部屋で集っている彼らの明るい表情を見ると、心がとても満たされているという印象さえ受ける。

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これまでいろんな形で“家族”を描いてきた是枝監督に、「家族のあるべき姿とは?」と問いかけてみると「答えはないんじゃないですか。わかっていたら撮らないと思います」と答えが返ってきた。「『万引き家族』は、多くの人から僕の集大成的作品だと言われるけど、自分のなかで“集大成感”はまったくなくて。むしろ今回、新しいカメラマン(近藤龍人)と組んだり、安藤さんや松岡さんに入ってもらったりと、自分としては初めての試みをした感覚が現場では強かったです。ただ、10年以上撮ってきた家族というモチーフがいろいろと形を変えて反復されている部分もあるでしょうし、そういう意味では、将来的にそういう位置づけの作品になるのかもしれません」。』


●メイキング・オブ・万引き家族



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※そして、相変わらず、子供を魅力的に撮ることにかけては、世界一

ですぁ~ねーー、是枝さんって。。。


Real Sound 安藤サクラ×松岡茉優『万引き家族』対談 初参加となった是枝組の現場で感じたこと

『ーー安藤さんも松岡さんも今回が是枝組初参加となりましたが、最初に役の話を聞いたときの心境を教えてください。/松岡茉優(以下、松岡):今回、私は監督との面接からスタートしたのですが、もともと最初にいただいていたプロットでの役と私自身が全然違う人間だったので、きっと決まることはないだろうなと思っていました。ただ、他の作品でご挨拶させていただいた是枝監督と久々にお会いできるのはうれしいなと思って、会いに行ったというところがあって。なので、結果的に私がこの役に決まったと聞いたときは、ものすごく不安になりました。もちろん是枝組に入るのは夢でしたし、うれしかったのですが、私はあの役をどうすればいいのだろう……と。

ーー亜紀はもともと「とりえのない太った女の子」という設定だったそうですね。それを是枝監督がキャラクター設定も含め、松岡さんに合わせて脚本を書き直していったと。/松岡:そうですね。撮影が始まってからも、撮っている途中で台本が次々に変わっていきましたし、前日に「明日のことなんだけど……」という感じでメールが来たりするくらい、日々変わっていくことも多かったです。/安藤サクラ(以下、安藤):私も自分に話がきたのは意外でした。でも、産後初めての仕事がこういった家族の話で、しかもそれが是枝組というのは、ものすごくありがたい環境だなと思いました。しかも、是枝組の独特の空気感は、産後の私にはとても優しくて。この作品を通じて、自分のいろいろな変化に改めて気付くこともできました。産後のだらしない体をフィルムに焼き付けることもできましたし(笑)。/松岡:(笑)。/安藤:すごいタイミングでこの役柄を演じさせていただけたなと。

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ーーリリー・フランキーさんとのラブシーンはとても印象に残りました。/安藤:サラッとした“事後”みたいな感じと言われていたんですけど、実際当日になってみたらかなりガッツリで。「しょうがねぇや」という気持ちで望みましたね(笑)。ーー松岡さんが演じた亜紀も、JK見学店で働いているというなかなか挑戦的な役柄でした。/松岡:役作りのために実際にお店にもお邪魔したのですが、働いている女の子たちの表情がすごく明るかったんです。勝手に暗いイメージを抱いていたのですが、全然そうではなくて。だからあのシーンは、カラッとした感じを出したいなと思いました。普通に同世代の女の子たちが集まった、学校のような雰囲気といいますか。池松(壮亮)さんとのシーンは、他のシーンに比べてカット数も多くて、何度もテイクを重ねたので大変ではありましたが、時間が止まっているような、ゆっくり時間が流れていく感覚がありましたね。/安藤:深夜から朝まで撮影してたんだよね?/松岡:そうでした。JK見学店のセットと家のセットが近くにあったので、あの家から移動してすぐに池松さんに膝枕するのも恥ずかしかったですし、その後に家のセットに戻るのも恥ずかしかったですね。/安藤:私とリリーさん、2人がテストしている場にいたんだよね。イヤだろうなと思ったから私は見てはいなかったけど。/松岡:いましたよね? お2人がいるから、「やだ! なんでいるんですか!」って聞いたら、リリーさんに「別に見に来たわけじゃないよ」と言われて。「ちょっと自意識過剰だったかな」と思っていたんですけど、やっぱり見てたんですよね、リリーさん(笑)。

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ーーそんなリリー・フランキーさんと樹木希林さんという是枝組常連の2人と、子役の城桧吏さんと佐々木みゆさんの2人との、現場の雰囲気はどうでしたか?/安藤:超楽しかったです。すごいくだらない話ばっかりして、ずっと爆笑していた印象しかないですね。/松岡:そうでしたね。子役の2人も、あんなに樹木さんの近くで騒げる子供は全国であの2人だけだと思えるくらいでした。作品の内容とはまた別で、本当に楽しい気持ちで毎日撮影に来ているんだなという感じで、それに引きずられて私もすごくハッピーな気持ちになりました。

ーー是枝監督の演出はどうでしたか?/松岡:是枝さんのファンとして、これまでの作品は全て好きなので、素直に「あぁ、こんなふうに撮っていたんだ!」と思いながら納得しました。友達の役者さんが是枝さんの作品に出演しているのを観たときに、全然見たことのない顔になっていたので、「こうやって撮っていたのか、なるほど!」と。子供たちの演出も、私は台本を読んでなんとなく「こういう言い方をするんだろうな」とイメージしていましたが、実際は全然違う言い方だったりして。/安藤:是枝さんはそういう子供たちの素直で本能的な部分を引き出して、それをどう受け止めるかをものすごく考えているんですよね。私も単純に「あぁ、すごいな……」と思いました。だからこそ私たち大人も、カメラの前で変に気を張らずにいられるというか。普段の呼吸の仕方でいられる空間を作ってくださっていましたね。

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ーー2人は今回初共演になるんですか?/安藤:共演はそうだよね?/松岡:同じシーンはなかったですが、子供のときに出演した『愛のむきだし』でご一緒したことはありました。ちょうど私が今の桧吏くんくらいの歳で、サクラさんが今の私くらいの歳だったと思うんですけど、ずっとおしゃべりしながら遊んでくれていました。私はあのときもう既にすっかり大人の気持ちで、自分も大人としてみなさんと話していた記憶がありましたが、桧吏くんを見ていたら全然そうではなかったのかなって(笑)。/安藤:いや、でもあの当時は私も大人としてしゃべってたよ(笑)。ーー今回実際に共演してみてお互いどんな印象を受けましたか?/松岡:ご本人を前にして言うのは恥ずかしいですけど、サクラさんは私と同世代の女優のひとつ上の世代の女優さんの中でも、すごく憧れているお1人だったので、今回がっつり一緒に共演させていただけてうれしかったです。現場での佇まいもそうですし、何が起こってもニュートラルに対応されていて。20代の女優の1人としては、すごく学ぶことがありました。/安藤:松岡さんはすごく内にエネルギーを秘めている方。そのエネルギーがどんどん強くなって、形を変えてパァっと発散されるときがあるんです。普段はめちゃくちゃ面白くて、楽しく話せるんですけど、そういう強さがあるので、現場でもすごく助かったし、ありがたかったですね。(取材・文=宮川翔/写真=伊藤惇)』


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池脇千鶴さんも、池松壮亮クンも、出演していることを知らなかった

ので、出てきたときビックラこいた。特に池松クンのシーンでは、思わず、

「み、宮本、なに風俗行っとんねぇ~~~ん!!」って脳内で叫んでモタw


★いろいろとバッシングされていることに関して・・・。

miyearnZZ Labo 町山智浩 映画『万引き家族』を語る

町山智浩:とにかく「万引き家族」がカンヌ映画祭でグランプリをとったというところから、日本でものすごいバッシングなんですね。/(山里亮太)そう。「日本の恥をさらすな」みたいなことを言われているっていう。/町山:そうなんですよ。だから「万引き家族」なんていうタイトルの映画だからということで。中身を見ないうちからタイトルだけで……「万引きをする家族を素晴らしく描いているんじゃないか?」みたいなことを察したんでしょうけど。タイトルのみで、映画を見ないでね。で、さらに福祉に関しての政府のやり方に対して異議を示したりするような監督の映画であるにもかかわらず、この映画を作るのに国の助成金をいただいているということで、「国を批判するなら助成金なんかもらうな!」ってまた叩かれているんですよ。/赤江:うーん……。/町山:「ちょっと待て!」って思いますよね。本当にね。というのは、この「万引き家族」の是枝裕和監督はもともと、ある家族が自分の親が死んだことを隠して、その親の年金を受け取り続けてきた家族がそれが発覚した時に、その年金を不正受給した家族たちのことをものすごくテレビのワイドショーを含めて普通の人たちが叩いたということがあって。「こいつら、許せねえ!年金を不正受給しやがって!」みたいな感じで。で、是枝監督はそれを見て「なんだろう?」って。「親の年金に頼らないと生活をできないような状況にある人がいるっていうことに対してそれを徹底的に叩く。いちばん弱い人たちを叩く。これは、なんなんだろう?」っていうところからこの「万引き家族」を作ろうとしたとインタビューで言っていますんで。/赤江:うんうん。/町山:そしたら、実際にその映画を作ったら「助成金だけ取りやがって!」とかね、言って叩いている。その通りじゃないかという(笑)。監督の思ったとおりにハマっていてどうするんだ?って思いましたよ。だから、是枝監督は政府を批判しているんじゃなくて、「そういう弱い人……上手く生きられなかったから、すごく変な形でしかお金を得られない、生活をできない人たちを叩く。いちばん弱い人たちを叩くっていうのはなんなのか?」って言っているのに、それを描いた映画を叩くっていうね。日本はどこまで弱い者いじめの人たちばっかりになっちゃったんだ?って思いますよ。/山里:たしかに、そうだよな。/赤江:ねえ。それはまあ、本当に一部の人だとは思いますけども。

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/町山:まあ、もちろんそうだと思います。映画を見ないで言っているわけだから……まあ、映画を見ないで言うっていうのもあれだけど。/赤江:そうなんですよ。/町山:なんなんですけどね。で、映画を見るとまず、どういう映画か?っていうと、ものすごくこの家族が愛おしくなる映画でしょう?/赤江:はい。そうなんですよ。/町山:あの子たちが本当にかわいくてしょうがないでしょう?/赤江:そうそう。/山里:だから何が正解かがわからないんだよね。もうこうなってくると……。/赤江:ねえ。なにかきれいなものを見たわけじゃないのに、すごく美しい映画だったなって思っちゃう感じがあるんですよね。/町山:まあ、きれいなものを見たんですよね。見た目は汚いけどね。だからいつも言っているように、写真には写らない美しさがあるんですよ。/赤江:うん。/山里:「リンダリンダ」だ。/町山:ねえ。あと、その映画を見ないで攻撃している人とかはね、「そんな万引きなんかで生活をしているやつらはクズだ!」みたいなことを言って、ひどいことを言っているんですけど、あの家族は働いているんですよ。実際に映画の中でこのリリー・フランキー演じるお父さんは建設現場で働いているんですよ。安藤サクラさん演じるお母さんもクリーニング屋さんで一生懸命働いているんですよ。働いているのに、それでもご飯を食べるのが大変なんですよ。それで、「万引きする」って言っているけどなにを万引きしているのかっていうと、食べ物ですよ。/赤江:うん。

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/町山:スーパーでほんの少し、家族全員が食べるご飯をとっているだけなんですよ。それで「万引きなんかしやがって! 万引きなんか犯罪じゃないか!」って……ちょっと待て。彼らは働いていてもご飯が食べられなくて、わずかな食べ物がほしくて万引きをしているんですよ。この映画の中でね。それ、スーパーとかで年間、どれぐらいの食料が賞味期限切れということで捨てられていると思いますか?/山里:ものすごい量なんですよね。/赤江:そうなんですよね。廃棄率がね。/町山:600万トン以上ですよ。600万トン以上の食料が廃棄されているんですよ。それをたとえば食べれない人たち、ホームレスの人たちに行き渡ったら、それだけで相当救われるでしょう? そういうことをしていないじゃないですか。/山里:アメリカはそういうこと、していますよね。たしか。/町山:アメリカやヨーロッパはしています。そういうのが無駄にならないように、全部タダで配っていますよ。/赤江:うんうん。/町山:日本はまだ、始まったばっかりですよね? だから「万引きが!」って言うよりも、まずはそれをやれよっていう話ですよね。で、そのシーンっていうのは僕、この映画を見ていて思ったのは、この前の前の年にカンヌ映画祭でグランプリをとった映画があるんですけども。「わたしは、ダニエル・ブレイク」っていうイギリス映画があって。そこでもシングルマザーのお母さんが飢えて廃棄というか寄付された食料にかぶりつくっていうシーンがあるんですよ。/赤江:うんうん。/町山:で、この「わたしは、ダニエル・ブレイク」っていう映画は「万引き家族」とすごく似ているんですよ。ポスターとかも似ているんですけども。/赤江:ええ、ええ。

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/町山:これはずーっと働いてきたおじさんが60近くになってケガをして働けなくなるんですよ。同じでしょう? リリーさんと。それで政府の失業手当みたいなものを受けようとすると、いろいろと難癖をつけて手当を支給しないんですね。お金を政府が払わないんですよ。そのうちにどんどんどんどんヤバくなっていくっていう話なんですけども。それは実際にイギリスであったことで、その当時の保守党政権が緊縮、緊縮っていうことで福祉を削っていく中で起こっていったことを描いたんで。この「わたしは、ダニエル・ブレイク」がカンヌ映画祭で賞をとった時にもイギリス政府の保守的な人たちは「国の恥だ!」って言っていたんでそっくりなんですよね。/赤江:えっ、そうなんですか! そういうところの世界共通というか。/町山:世界共通なんですけども。もう全然時間がないですね。続きは来週やろうかな? とにかく、いわゆる「弱者利権」っていう言葉を作って弱者を叩いているような人が問題であって。政府よりもこの「万引き家族」が問題として見すえているのは――見えないんですけども――そういう、いちばん弱い人に攻撃を向けるようになってしまった日本人の心というものが問題なんだなって僕は思うんですよ。/赤江:うんうん。/町山:それで……もう全然時間がないんで、話せないな(笑)。/赤江:大丈夫。町山さん、この話しきれない部分は引き続き、来週やりましょう。/町山:そうですね。はい。来週もじっくりやりましょう。』


★高須院長は否定派かな?

高須院長、「万引き家族は日本人の発想じゃない」就職率100%の日本で貧困を捏造する是枝監督の自己矛盾

『高須院長「そもそも”万引き家族”って、日本人の発想じゃないですよ。日本は”恥の文化”なんです。日本の美徳とは対極です。/是枝監督はインタビューで「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している」と発言してますが、これはその通り。核家族化して、大家族がなくなったことが現代の混乱を招いているのはたしかです。でも、万引きを通じて家族の絆を深めたというのは、まったく(日本の社会とは)別の話でしょ? 万引き家族は近代都市の底辺にうごめく、すごく特殊な家族なの。日本では、万引きは”家族”単位では成立しないですよ。教育が行き届かなくて万引きに走る少年少女とか、家族から見捨てられて認知症になってコンビニで窃盗してしまう老人とか、むしろバラバラになった個人です。こんなの映画祭で賞を取っちゃったら、日本で”万引き家族”というものが社会問題になってるみたいじゃない? 日本で集団窃盗罪を働いて問題になってるのは、むしろ外国から来た人たちでしょ」

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ーー先日、中国人漫画家・孫向文さんも本サイトで「中国から移住した私から見れば、現在の日本はそれほど過酷な格差社会ではない」「本当に過酷な格差社会である中国では、親が自分の子供に窃盗行為をさせるのは、日常茶飯事」と主張しています。/高須院長「そうそう、中国で”万引き家族”だったらいっぱいいる、大昔から。代々受け継いでる、エジプトの盗掘一家とか。それは文化だから。日本では家族単位では成立しません。それに、日本はいま就職率がほぼ100%だから、贅沢さえ望まなければ、普通に就職して給料もらった方が、万引きしながら暮らすより安定した生活できるからね。外国人を騙してる。これはファンタジーというか、いや”捏造”に近いです」

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ーー監督自らホームページで「(左右ではなく)作品そのものを論じてほしい」と語りながら、海外のプレスに対しては、あたかも”現代日本が抱える社会問題”を作品に匂わせる発言を繰り返す。多くの人が違和感を持ち、バッシングが頻発したのは、是枝監督のそんな矛盾した姿勢が透けて見えたからかも知れない。では、是枝氏の言動には意図的な思惑があったと考えるべきでしょうか。/高須院長「(カンヌの)審査員が反体制に偏ってると媚びなきゃならない。だから賞を獲るものって暗いものが多いじゃない。ボクはもっと明るいコメディ作品が観たいけど、コメディ色が強いと賞を獲るのは厳しい。最近では、社会問題を扱った作品なら「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017・韓国)が良かった。タクシーの運転手が多数の死傷者を出した光州事件(1980年)の現場に、ドイツ人記者を連れて行く実話を元にしてる。シャレた作りでとても面白かったですよ。あっ、もっと面白いコメディがあった! 『のみとり侍』(鶴橋康夫監督)です。高須クリニックはコラボしたんだけど、折り悪く大きなニュースが重なり、さらに「万引き家族」を批判してたらそっちに話題が行っちゃった(笑)。「万引き家族」より面白いよ。ぜひこちらを観てほしい!」』


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※ばらっちは万引き家族に共感すると思うけどねーーー。


●【万引き家族松岡茉優 早稲田大学の人気講座に登場 -ロングバージョン-(26分32秒)


※『愛のむき出し』で安藤サクラさんと松岡茉優さんが共演していたと聞き、

もう一回観てみようかと、重い腰を上げようとしているワチクシがいるーーー

(とにかく長いから二の足踏むんだよー、あの作品は。。。)




☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日6月9日(土)の、「元気が出る言葉」は~?


『人生とは 畢竟(ヒッキョウ)運命の玩具箱だ。人間とは その玩具箱に投げ込まれた人形だ』
出展:「迷路」
発言者:有島武郎 (小説家 1878年3月4日~1923年6月9日)

『解説:有島武郎は矛盾だ。小説「小さき者へ」や評論「惜しみなく愛は奪う」、童話「人房の葡萄」などは白樺派の作家らしく、人生を真正面から肯定する作品がある。一方で、有島は「婦人公論」記者、波多野秋子と心中をして果てた。あまりに正直すぎる人生だったのかもしれない。人生とはつまりおもちゃ箱に投げ込まれた人形なのか。これを厭世的ととらえるのか、肯定的にとらえるのか、これは人形次第だな。』


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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・


ヤフー知恵袋 h19********さん

『Q:情死で自殺した有名作家で、有島武郎という方がいますが、太宰治とは違い、「白樺派」で作品じたい、前向きな内容が多いと思います。高校生の頃、意外だなぁと思い、そのままでした。情死の理由とか、この方についてくわしい方おしえれください。/A:ベストアンサーに選ばれた回答 jun********さん 2009/10/6・・・質問者さんの意見と同じく私も、太宰と違って有島武郎の一部の作品には「希望」を感じます。「生まれ出づる悩み」や「小さき者へ」など、人情を捉える感性にすごく感心させられた記憶があります。有名な「カインの末裔」や「或る女」などは、どちらかというと太宰よりの「醜さ」をテーマにしている作品ですが、前者二作も含めると全体的に「人情の機微」という面でとてもバランスよく書き散らしています。有島が心中した理由には2点あると言われています。①不倫した相手の夫に脅されていたこと ②自身の創作力に限界がきていたこと。/有島は遺書で、「愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかつた」と言っていますが、相手の夫が恋路に立ちはだかる限りは、死以外に道はないと踏んだのでしょう。夫を殺す選択をしなかった分、有島が人格者であったことが伺えます。後者については詳しいことは知りませんが、妻には先立たれ、さらには創作できず絶望の淵に立たされていた頃に出会ったのが、心中相手の波多野秋子だったようです。生きがいが「書くこと」から「秋子」に変わっていったということだと思います。』


有島武郎,「或る女」 朗読 (13分11秒)



Amazon.co.jp 小さき者へ・生れ出づる悩み (新潮文庫) 有島武郎(著)

『■内容紹介:病死した最愛の妻が残した小さき子らに、歴史の未来をたくそうとする慈愛に満ちた「小さき者へ」に「生れ出づる悩み」を併録する。/■登録情報:/文庫 160ページ /出版社 新潮社; 改版 /言語 日本語 /ISBN-10: 4101042047 ISBN-13: 978-4101042046 /発売日 2003/03 /梱包サイズ 15 x 10.6 x 0.8 cm /おすすめ度 5つ星のうち 4.1

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/■カスタマーレビュー:TATSUYA 5つ星のうち5.0 「何度も読むほどに武郎に、胸中に問いかけたくなる」・・・初読は新学社文庫、再読は岩波文庫、3回目は新潮文庫。「小さき者へ」は妻を亡くした武郎が、愛おしい子供たちに語りかけるように書いた掌編。武郎は「子を思う親の心は日の光世より世を照る大きさに似て」と詠じた妻へどのような思いをよせていたのか。想像することは決して無駄にはならないと思った。/何度も読んだ「生まれ出づる悩み」は、武郎と木本の出会いと再開が北海道という厳しい自然の風景描写とともに書かれる。後半は、漁師として労働しながら、絵を描きつづける木本への温かいメッセージで溢れていることを感じた。武郎が信仰を持ちながら、キリスト教の「愛」を理解せずに信仰を捨てたことには疑問を抱いた。内村鑑三を驚愕させたことは事実なのであろう。コリントの信徒への手紙1・13章に「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。」というパウロの言葉がある。武郎はなぜ不義をしたのか。何度も読むほどに武郎に、胸中に問いかけたくなる。』


☆本日の、『日めくり漱石』は・・・

サライ 「夏目漱石」の記事一覧


“形式だけ美事(みごと)だって面倒なばかりだから(『三四郎』より)”


【1896年6月9日の漱石】熊本の借家で小さな小さな結婚式を挙げる


今から120年前の今日、すなわち明治29年(1896)6月9日、夏目漱石は結婚式を挙げた。花嫁は、見合いをして東京から迎えた。貴族院書記官長をつとめる中根重一の長女・鏡子である。広島・福山で生まれ、父の仕事の関係で5年ほど新潟で過ごし、その後は東京で育った。年は数えで20歳(満19歳)。漱石より10歳年下。結婚式の会場は、熊本市下通町(通称・光琳寺町)にある漱石の自宅離れの6畳間だった。この家は、漱石熊本市内を探し回って、ひと月前、ようやく見つけた借家だった。花嫁の父たる中根重一から、「あんまり汚い家では、若い娘がいやがるかもしれない」と注文をつけられたため、漱石は慌てて家探しをし、引っ越しをしたのである。


間取りは、玄関に続いて10畳、6畳の部屋、4畳の茶の間、湯殿と板蔵もついていて、他に、6畳と2畳の離れがあった。家賃は8円。庭には青桐と椋の木が植えられていた。漱石は、中根重一に新居を見つけたことを報告し、「なかなかいいところはないが、亭主の私でさえそれで辛抱するのだから、細君もそれで辛抱してくれなければ困る」と付言していた。/実はこの家は、旧熊本藩の家老か誰かの妾宅だったらしい。しかも、嘘か真か、その妾が他の男と通じたために殺されたとの噂もあった。あまり気持ちのいい噂ではないから敬遠されて、市内の借家が払底している中でも、空き家となって残っていた節がある。わずか3か月後には、ここから熊本市合羽町へと引っ越している辺り、漱石の中にも、余りいい気持ちの家ではないが、当座とにかくの間に合わせ、という考えがあったのかもしれない。


結婚式では、漱石は暑さをこらえて冬用のフロックコートを着用していた。一方の鏡子は、夏の振袖で畏(かしこ)まっている。親族の出席者は、鏡子の父親の中根重一ひとり。三三九度のお酌をしながら仲人役も兼ねるのは、東京から鏡子についてきた老女中だった。しかも、三つ組であるべき三三九度の盃が、上か下かがひとつ足りなくて、二つしかない。婆やと俥夫が台所で働いたかと思うと、式に列席する客に早変わりするのも、傍(はた)から見れば可笑(おか)しな光景だった。


名義上の媒酌人は、中根重一が旧知の地位ある人に頼んでいた。内閣の恩給局長をしていた井上廉(れん)という人物だった。この人は故実に通じていて、古式にのっとった目録儀式などを書いた「御婚礼式」という文書をつくって中根の家へ送ってきた。そこには結婚式における座敷飾りのこと、着座の次第および式三献(しきさんこん)、色直し、さらには岩田帯は足利将軍がどうしたこうしたとか、出典その他の故事来歴が詳細にしたためられていた。中根重一がこれをそのまま漱石に送ったところ、もともと格式ばったことの苦手な漱石はびっくり仰天して、「どうか一番手数のかからない略式で勘弁していただきたい」と願い出た。そんな経緯があって、こんな形の結婚式となっていたのだった。/もちろん、賑やかな披露宴などもない。あとで仕出屋の勘定書を見ると、婆やと俥夫の分も含め、しめて七円五十銭。これが漱石夫妻の、小さな小さな結婚式にかかった総費用であった。


ジョニーAのつぶやき:結婚式は女性のためにするものなり。鏡子さんはあまり意見を言えなかったのかしらん?