『ペンギン・ハイウェイ』 ゲームの「ペンゴ」じゃん!!
■スタッフ:/監督 石田祐康 /原作 森見登美彦 /脚本 上田誠 /キャラクターデザイン 新井陽次郎 /演出 新井陽次郎 亀井幹太 /監督助 手渡辺葉 /作画監督 永江彰浩 加藤ふみ 石舘波子
山下祐 藤崎賢二 /美術監督 竹田悠介 益城貴昌 /色彩設計 広瀬いづみ /CGI監督 石井規仁 /撮影監督 町田啓 /音響監督 木村絵理子 /音楽 阿部海太郎 /主題歌 宇多田ヒカル /制作スタジオ コロリド
■キャスト(声の出演)・・・北香那(アオヤマ君) 蒼井優(お姉さん) 釘宮理恵(ウチダ君) 潘めぐみ(ハマモトさん) 福井美樹(スズキ君) 能登麻美子 久野美咲 西島秀俊ア(オヤマ君のお父さん) 竹中直人(ハマモトさんのお父さん)
■作品データ:/製作年 2018年 /製作国 日本 /配給 東宝映像事業部 /上映時間 119分 /映倫区分 G /備考 ODS
オフィシャルサイト '''
※ハードルを高くしすぎて「ありゃりゃ?」だった『未来のミライ』とは
真逆で、ほとんどハードルを上げずに気楽に観に行った結果、「お、なか
なか」と思わせてくれる秀作劇場アニメだったなぁー、という第一印象。
→ 『森見登美彦原作による劇場アニメ「ペンギン・ハイウェイ」の新たなトレーラーが公開された。
約2分間の新トレーラーにはキャラクターボイスを入れず、宇多田ヒカルが書き下ろした本作の主題歌「Good Night」とともに、情緒的な夏の風景や、ペンギンと共に街中を滑走するアオヤマくんとお姉さんなど、本作のさまざまなシーンを映し出した内容となっている。「ペンギン・ハイウェイ」は少し生意気な小学4年生のアオヤマ君と、彼の初恋相手でミステリアスな歯科助手のお姉さんが織りなすひと夏の青春ファンタジー。自身が住む街にペンギンが出現するという、謎の出来事を調査すべく研究を始めたアオヤマ君の成長が描かれる。アニメーション制作は「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」のスタジオコロリドが担当。映画は8月17日より全国公開される。』
→ 『8月17日、アニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」が、TOHOシネマズ日比谷にて初日舞台挨拶を開催した。主演の北香那をはじめ蒼井優、西島秀俊、竹中直人ら声優陣、そして原作者・森見登美彦と石田祐康監督が一斉に登壇すると、会場から大きな歓声が上がった。
冒頭、アオヤマ君役・北は「今日この日を無事に迎えられ、そして皆さんに素敵な作品が届くのを楽しみにしていたので、嬉しいです」と挨拶。お姉さん役・蒼井は「こうして壇上に立たせていただけるのも、皆さんの努力が積み重なった上のもので、私達はここにいられます。そんなスタッフの方たちの情熱が皆さんに届けば良いなと思います」との思いを述べる。また石田監督は「本当に色んなことがありました。スタッフの皆さんと苦労を共にしてきました。キャストの方々を始め、原作の森見登美彦さん、皆さんのおかげだと思っています。このご恩をお返しできるように頑張ります」と意気込み、森見は「私が好き勝手に書いた、お気に入りの作品を素晴らしい映画にしていただいて、感謝しています。絶対に忘れられない映画になると思います」と喜んだ。/初日を迎えた心境については、北が「初めて声優をやらせていただいて、不安や緊張はあるのですが、ものすごくワクワクしています!とても新鮮な気持ちでいます。なによりもすごく嬉しいです!」と笑顔を見せ、蒼井は「石田監督おめでとうございます。本当に愛らしい方で、全カットに愛情を込められて作られている作品なので、皆さんに気に入っていただけたら嬉しいです」とコメント。すると石田監督は照れながら「恐縮ながら、今日は蒼井さんからプレゼントしていただいたものを着てきております」と明かし、「監督ぽくて、ペンギンらしいデザインを選びました」とはにかむ蒼井に「新たなお気に入りができました!」と感謝を伝えていた。
石田監督は初の長編デビューについても聞かれ、これには「とにかく“長い”というのが大変でした。多くの方と関わる楽しさとプレッシャーがありましたが、なんとかここまでこられました!」と返答。森見は自作でも“特別な存在”と評する『ペンギン・ハイウェイ』の映像化に、「原作を書く際、自分が子供の時に見たかった風景をイメージして書いたのですが、映画では、それがうまく再現されていて、小学生の頃の自分が見たら、すごく感動するだろうなと思いました。10回ぐらい見ているのですが、毎回新たな発見があって、飽きないです」との感想を語った。そして北は8月23日、蒼井は当日8月17日が誕生日ということで、イベントではバースデーサプライズも。ペンギンが彩られた誕生日ケーキに加え石田監督描き下ろしの似顔絵イラストが贈られ、北は「すごく可愛く描いていただいて、嬉しいです!」、蒼井は「本当に知らなかったので、驚きました、嬉しいです!」と感激していた。
最後にはこれから作品を観賞するファンに向けて、蒼井が「見終わって、ものすごく昔の“自由さ”を思い出しました。今は、色んなことがわかることに慣れすぎていますが、わからないことがたくさんあった時代の“自由さ”を本作を見て感じていただけたらと思います」、北が「あの時のキラキラした世界を映画を見て、思い出しました。昔の自分に会いたくなりました。是非皆さんの視点で楽しんでください!」とメッセージ。石田監督は「アオヤマ君に本当に惚れ込んで、こんな少年なら応援したいと純粋に思え、なんとかここまで来れました。アオヤマ君の真っ直ぐな瞳に映る風景をこの映画で描きたいと頑張りました。最後まで見届けてやってください。宜しくお願い致します!」と熱い想いを述べ、イベントは大盛況のまま幕を閉じた。』
※予備知識を一切入れずに観たので、声優に蒼井優ちゃんや竹中直人さんが入ってた
ことはラストテロップで初めて知った形。。。あまり違和感なく演じてたんじゃマイカ?
※「おっぱい」連呼で、フェミニストさんには評価が低い?原作だが・・・
→ 『「わっ、もうビックリ!! 何とキュートで魅力的なアニメーションだろう。街にいきなり出没するようになったペンギンの謎と不思議をそのまま楽しんでもおつりがくる面白さだが、謎と不思議をあれこれ推理するのもスリリングで、しかも絵も実に美しい。キーワードはガラクタを宙に投げてペンギンに変えてしまう歯科医院のお姉さんだが、日常にひょいと超自然的非日常が入り込んでの悩ましい展開は、クセになる面白さ。草原に浮かぶ〝海〟に「惑星ソラリス」的な哲学的神秘を連想。」by北川玲子 ☆5つ /「アニメというものがおおきいおともだちのためのソフィスティケイトされたポルノのように感じられてノレないことが多いが、本作では主人公少年がさんざん憧れのおねえさん(蒼井優が推定身長百七十センチ超で胸の豊満な女性に変身してる)の乳房を話題にするにもかかわらずそれがきっちり精通前の少年の不能的感性の物語としてつくられており邪念なくセンスオブワンダー冒険を追って観られた。レムとタルコフスキーの〝ソラリス〟、「ゾンからのメッセージ」に通じるものがあった。」by千浦僚 ☆3つ /「〝少年の手描き研究ノート〟という面倒な作画を実践している本作。ノートには〝お姉さんのおっぱい〟に関する考察が確認できるが、〝胸の揺れ〟に対する作画も丁寧に実践されている。〈メタモルフォーゼ〉は本作の重要な要素だが、お姉さんが物体の変形・変態の鍵を握ることは〝お姉さんのおっぱい〟と無縁ではない。そして夏であるため、お姉さんが薄着であることや水の形状変化とも無縁ではない。つまり、形の定まらない〝お姉さんのおっぱい〟は単なるスケベ描写ではないのである。」by 松崎健夫 ☆4つ』
※批評のプロ、キネ旬さんでの評価は高い・・・。
※やはり、歯科医のお姉さんの(おっぱいの)魅力がこの作品のキモなのだ!
→ 『「夜は短し歩けよ乙女」、「有頂天家族」など、数々のベストセラー作品をもつ森見登美彦氏が描く小説「ペンギン・ハイウェイ」(KADOKAWA刊)。少年の一夏の成長を独特の世界観で瑞々しく描き、多くのファンに支持され続けている作品が、気鋭のアニメーションスタジオ・スタジオコロリドによりアニメーション映画として生まれ変わる。/本作の監督を務めるのは、同スタジオに所属する石田祐康氏。学生時代に"デジタル"によるアニメーション制作に惹かれ、今でもこだわり続けている新進気鋭のクリエイターが、本作で劇場長編作品の監督デビューを飾る。今回マイナビニュースでは石田監督にインタビューを敢行。作品にかける思いのほか、監督が感じる"デジタル"の魅力と可能性を訊いた。(監督のプロフィールについての会話省略)
――そもそもなぜこの作品を映画化したいと思われたのでしょうか?/石田:鳥が好きで、以前も鳥がたくさん出てくる短編アニメーション作品『陽なたのアオシグレ』を制作しましたが、唯一飛ばない鳥・ペンギンは描いていなかった。そういう背景があるなかでこの原作と出会い惹かれていき、これを映画にしたいと思うようになったんです。――では、原作を忠実に描いている?/石田:原作を尊重しつつも映画ならではの解釈に変えている部分もあります。例えばオープニング。ペンギンが町の中を歩いているところをただカメラが追っているという表現は完全にオリジナルです。また後半でペンギンが走り回るシーンも独自のものですね。そういう映画なりのアイデアが入っているので、原作を知らなくても楽しめるものにはなっていると思います。――原作では難しい用語が多々出てきますがこの点は?/石田:用語については原作の森見登美彦先生が「わからない部分も大切にしたい」とおっしゃっていましたし、僕自身もそこは重要だと感じていましたので、ある程度分かりやすくしているところもあれば分からないままの表現にしているところもあります。説明をつけるとつまらなくなると思い、あえて絵だけで勝負したシーンもあります。そこは映画の見どころでもあると思うので、どこを変えて、どこが変わっていないのかは劇場でチェックしていただければと思います!
――それ以外の見どころについてもぜひ監督の口から語っていただければと思います。/石田:ひとつは主人公であるアオヤマ君の変化が挙げられると思います。今回自分は重点的に表情をチェックしていたので、作品全体を通した変化や線一本分の差レベルの描き分けに挑戦しています。本当にほんのちょっとのことで変わりますから。キャラデザイン、作画監督ともにみんなで苦労してますよ。アオヤマ君は感情の起伏が少なめの中で頑張ってます。あとは細かいところで言うと、ラストのほうではアオヤマ君の髪の毛が若干伸びていたり……そういう細部までこだわっているのでぜひ注目していただきたいですね。――アオヤマ君は声優に北香那さんが起用されています。北さんはアニメーション映画への声の出演は初となると思うのですが、彼女を起用した理由は?/石田:まずシンプルにオーディションでの北さんのお芝居が上手だったのと、また少年の純真なまっすぐさも表現できていたことです。選ぶときの意見としてはもうちょっとひねくれていても、とか、マニアックな変態性も欲しいという意見もありましたが、純粋にまっすぐ突き進む少年像をいちばんに求めていたので、彼女を起用しました。――お芝居の面でいえばお姉さん役の蒼井優さんの演技も絶妙です。語尾だけで変化をつけるなどはさすがの演技力だと感じました。/石田:そうですね。演者としても女性としても惹かれる方だと感じたので、今回お姉さん役を演じていただけて本当によかった、バッチリだったなと感じています。
――作り終えたいまは率直にどのようなお気持ちですか?/石田:よく分からないというのが正直なところです。というのも、規模感がでかくて自分の目に見えないところ、手に届かないところもあったので、実感を咀嚼するのにも時間を要するのかなと……。ただ、一生大切にしたいと思える作品にはできたと思っています。あとは蓋を開けてお客さんに見ていただかないとわからないですね(笑)。――ここまでお話いただきありがとうございました。最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。/石田:子供が見たらわけがわからないシーンや言葉などがあるかもしれませんが、わけがわからなくても見てもらいたいというのが僕の気持ちです。そのわけのわからなさからくる未知感や怖さなど、酸いも甘いも描きたかった。そういう作品も必要だと。ぜひお子さんにも見ていただきたいです。また、少年時代を謳歌したお父さん世代にもいろいろと感じる部分がある作品に仕上がっていると思うので、親子で劇場に足を運んでみてください。
/また、本作は原作を尊重しつつも自分の作品にできたかなと感じています。原作者の森見先生からは先ほどの「わからない部分も大切にしたい」ということと、実際の要望としては「アオヤマ君は天才少年」ということのみで、あとはほとんどお任せいただいておりました。その点は本当にありがたかったです。自分が大切にしたいと思える作品に仕上がったので、ぜひ皆さんに見ていただけると嬉しいです。感想もお待ちしております!』
※アオヤマくんのキャラが微笑ましかったッスわ。ちょっと頭デッカチの
ナルシストくん。塾に通ってて普通以上に知識を持ってるガキんちょに多いタ
イプだ。実際の塾生たちは憎たらしいことが多いんだけど、アニメのキ
ャラになると、不思議な魅力が立ち上がってくるモンデスなぁーーーー。
→ 『――森見先生の作品は何度かアニメ化されていますが、石田監督が森見作品を知ったのは小説が先ですか?/石田:大学生の頃、「森見登美彦の小説が面白いよ」と勧めてくれた人が何人もいたんです。それがきっかけで「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」など次々と読んでいって。僕自身が京都精華大学に通っていて、大学時代を京都で過ごしているので、京都の光景とか街並みとかすごく浮かんできて。森見さんの京都小説のおかげで自分の京都生活に彩りを添えてもらったような気がします(笑)/森見:それは良かった(笑)。そういえば、『ペンギン・ハイウェイ』の舞台は僕が育った奈良の街がベースになっているのですが、関西の都会ではない普通の住宅街というのが見事に表現されていて、それが嬉しかったです。/僕は子供の頃、この普通の住宅地のどこかに、世界の果てみたいなものがあるんじゃないかと妄想していて、主人公のアオヤマ君は、「僕が子供の頃に見ていた世界が見える人」なんです。あの時に見えていた風景や妄想を小説に描きたい気持ちがずっとあって、小説デビューする前からずっと試みていたのですが、どうやって書けばいいのかなかなか分からなかった。自分の思うような、キラキラした、ドキドキした不思議な感じにならないんです。色々考えて、「じゃあどんな主人公ならばあの風景を再現できるのか?」と発想を逆転することで、アオヤマ君の像が浮かび上がってきたんです。
/石田:森見先生の原体験の様なものがつまっているからこそ、僕も他の作品とはまた違う面白みを感じたのかもしれません。先生の「僕が子供の頃に見ていた世界が見える人」というのがすごく素敵な表現だなと思います。僕はアオヤマ君の瞳を”高感度センサー”のつもりで描きました。アオヤマ君の目には、世界がクリーンに映っていて、自分が気になるものをとてつもないレンジと周波数帯でパッと感度良くキャッチする。アオヤマ君ってそういう子だろうなと思って描いてみたら、なんだか自分の中で腑に落ちました。/森見:そう感じ取っていただいて嬉しいです。実は僕の父は、僕の作品では「太陽の塔」と「ペンギン・ハイウェイ」しか好きじゃないんです(笑)。/石田:ええっ!? そうなんですか?/森見:「夜は短し歩けよ乙女」とか、全然好きじゃないみたいです(笑)。なので、父はこの映画化をすごく楽しみにしていて、絶対に映画館で観るとはりきっていました。――お父様ももちろん、この映画を大スクリーンで観たら、絶対忘れられない夏の思い出になると思いました。/森見:きっと子供達は、夏休みの終わりにこんな映画を見たら一生忘れないと思います。「あれはなんだったんだろう?」って、ずっと心に引っかかるはず。「自分の周りに不思議なものがあるんじゃないか?」と考えている子供達に観て欲しいです。僕が見たかった風景や妄想をしっかりと映像化していただいているので、子供の頃の僕が見たらすごく衝撃を受けると思う。/石田:少年時代に観て今も心に残っている好きな映画って、楽しいだけではなくて怖いシーンがあったり、謎が多いものだったりするんです。『ペンギン・ハイウェイ』もそんな感覚があると思います。原作小説を読んで「ここがステキだな」「こういう絵が見たいな」と思ったところをシンプルに映像化して作ったつもりだったのですが、潜在的に好きなものって、子供の頃からそんなに変わっていないのだと思います。子供達はもちろん、元子供だった大人達にも楽しんでいただけたら嬉しいです。
――ちなみに、石田監督は現在30歳ですが、森見先生が「ペンギン・ハイウェイ」を執筆されたのも30歳前後ですよね。/森見:確かにそうですね、言われてみれば!/石田:わあっ、そんな30歳でこんなに素晴らしい小説を……(監督、恐縮しきり)/森見:いやいや、監督だって素晴らしい映画を作っているじゃないですか。次の楽しい作品も期待しています。/石田:こちらこそ、これからも楽しみにしております!――今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!』
※子供には、思い出に残るいい映像体験になったことでせう。
※5ちゃんねる拾い画像。素敵なイラスト~~~♪
※ペンギン号に「キュン♪」 /青春の象徴ですワァーーーー。
※たくさんのペンギンが発生して、ブニョブニョした物体を潰してゆく、
3つのアイテム(お姉さん&ペンギン&海)を連結させることで新たな
展開に突入できる、、、などなど、ゲームとの共通項がいくつかある。
原作者はペンゴゲーマーだったのではなかろうか、と推測してまう~!
『わたしの絵本の登場人物たちは、いつでも視線を読者のほうに送っています。たとえ、体が横を向いていても 顔は正面向きです。正面向きの絵というのは、嬉しいときにも悲しいときにも、目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたいという気持ちのあらわれなのです。』 |
出展:「ディック・ブルーナのデザイン」(新潮社) |
発言者:ディック・ブルーナ (オランダのグラフィック・デザイナー 絵本作家 1927年8月23日~2017年2月16日) |
→ 『解説:ミッフィーの画像検索をしてみた。確かに、後ろ向きはあるが横向きはない。いつも正面を見ていてくれたんだと改めて気づく。「ちいさなうさこちゃん」(福音館)が翻訳出版されたのが1964年なので50年以上あの簡単な色づかいとシンプルな線、そして正面から見つめる目で、子どもたちに愛され続けている。うれしいときはもちろん、かなしいときでも誰かの視線を感じる。ブルーナは温かい。』
→ 『今年2月16日、D・ブルーナさんの訃報が飛び込んできた。『カーサブルータス 2001年7月号』のインタビュー時に語ってくれた彼の哲学を回想する。「絵本作家ではなく、グラフィックデザイナーとしてのディック・ブルーナさんの取材を」という命を受け、ブルーナさんのアトリエを訪問したのが2001年の春。ちょうどユトレヒトのセントラル・ミュージアムで彼のペーパーバックの仕事を中心とした大きな展覧会を開催中で、その機会に、日本ではまだほとんど知られていなかった、彼のデザインの仕事について取材したのである。
ユトレヒトの市街地にあるブルーナさんのアトリエは、木の梁の見える、白と青を基調とした、機能的な仕事場と呼ぶにふさわしいスペースだった。いくつもの書架に整然と並んだ本。なかでも『ナショナル ジオグラフィック』誌と『グラフィス』誌のバックナンバーが揃っていたのには驚き、そして納得がいった。作画用のテーブルの上はピシッと片付いていて、鉛筆が長さ順に並べてある。「整理整頓が大好きなんです」ビスケットとお茶をいただきながらのインタビューは、たっぷり2時間半。あまりにも面白くて、時間が過ぎるのを忘れてしまった。彼がデザインした本の表紙を一緒に見ながら、ひとつひとつ、どのように考えて作ったのか、流暢なフランス語で語ってくれた。「コラージュを多用したのはマティスが手がけた南仏ヴァンスの礼拝堂を見て、“これだ! この世界が好きだ”と思ったからです」「グラデーションは嫌い(笑)。空は青、太陽は黄、とこないとね」
若い頃は画家を目指したが、戦時中は絵画に触れる機会はめったになく、戦後フランスに来て、マティス、ブラック、レジェ、クレーなどの近代絵画に感動したという。デザインは独学。パリの街で見たサヴィニャックの大きなポスターに感動し、商業美術にも惹かれるようになった。アートディレクターズクラブに参加し、ポール・ランドやソール・バスとも交流があった。オランダの「デ・ステイル」に参加していたユトレヒト出身の建築家リートフェルトについては偉大、と尊敬。彼にデザインを褒められたときは、嬉しくて雲の上にいる気分だったという。「ダイレクトな表現で、シンプルに心を打つデザインを心がけています。本の表紙にはなるべく主人公を出さず、小説の空気、雰囲気を見せるようにしました。読者のイマジネーションの場を多く残したいのです」「私の絵本はデザインの本でもあると考えています。常に構図に気を配っています。たまたま子供向けの本になっただけで、基本的には自分のために描いているのです。私がいつまでも4歳児のような部分を持っているからでしょうね」大胆で朗らか、そして本質を直感的に捉えた、力強いグラフィックデザイン。ブルーナさん、たくさん残してくれて、ありがとう。これからも、私たちのデザインの師匠であり続けるでしょう。』
※ブルーナ作の「ペンギン」さんも発見だっ!!
※西原理恵子さんの口裂けウサギ“みっひー”ネタはさすがに封印しよぅ。
→ 『お笑い芸人・鉄拳が23日、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 2Fスペースで開催中の『シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展』に来場。パラパラ漫画の執筆で多忙を極める鉄拳は、おなじみの衣装について「着るのは今年で4回目。今年はまだ一回もテレビ出演がないですね。比率は“9(作家業):1(芸人業)”です」と笑いながら明かした。現在も作業に追われる日々を過ごしており「年間で1万枚以上は描いている」と語る鉄拳は、あまりの熱中ぶりに「とうとう右手首が腱鞘炎になってしまいましたし、首もヘルニアになってしまいました」と告白。満身創痍の様子に記者が驚く一方で、鉄拳は「奥さんに誕生日に指圧マッサージマシーンを買ってもらいました」と幸せそうな表情を浮かべていた。
同展は、絵本『ミッフィー』シリーズなどで知られる絵本作家のディック・ブルーナ氏にスポット。9月3日まで同所で開催され、ペーパーバックやデザイン・絵本原画、スケッチなど約500点の作品が公開されている。 /鉄拳は「ブルーナさんのすごさを改めて実感しました。計算した余白の使い方がお上手。僕は余白が怖くていろいろと書き足しちゃう」と、すっかり“作家の顔”。「シンプルに書くことの重要性を知れて、すごい勉強になりました」と刺激を受けている様子だった。 』
☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
※意外な動画が検索出来た~~。