『オー・ルーシー!』寺島しのぶの個性が漏れすぎて・・・

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eiga.com 作品情報 『オー・ルーシー!』

■解説:第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門(学生部門)で上映された平柳敦子監督による桃井かおり主演の同名短編映画を、寺島しのぶを主演に迎え、平柳監督自身が長編作品として再映画化。近い将来やってくる「退職」と、いずれ訪れる「死」をただ待つだけの毎日を送る43歳の独身OL節子。ひょんなことから通うことになった英会話教室の授業で節子は、教室内では金髪のカツラをかぶり「ルーシー」というキャラになりきることを強いられた。アメリカ人講師ジョンによるこの風変わりな授業によって節子の眠っていた感情が解き放たれ、節子はジョンに恋をする。そんな幸せな時間も長くは続かず、ジョンは節子の姪の美花ともに日本を去ってしまう。主人公の節子を寺島が演じ、南果歩忽那汐里役所広司らが出演するほか、「パール・ハーバー」「ブラックホーク・ダウン」のジョシュ・ハートネットが参加。

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■スタッフ:/監督 平柳敦子 /脚本 平柳敦子 ボリス・フルーミン /製作 ハン・ウェスト 木藤幸江 ジェシカ・エルバーム 平柳敦子 /製作総指揮 ラズミグ・ホバギミアン メイリン・チュー ウィル・フェレル アダム・マッケイ /撮影 パウラ・ウイドブロ /美術 安宅紀史 ジェイソン・ホーハード /衣装 宮本まさ江 /編集 ケイト・ヒッキー /音楽 エリック・フリードランダー /音楽監修 マニッシュ・ラバル トム・ウルフ

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■キャスト:寺島しのぶ(節子/ルーシー) 南果歩(綾子) 忽那汐里(美花) 役所広司(小森/トム) ジョシュ・ハートネット(ジョン)

■作品データ:/製作年 2017年 /製作国 日本・アメリカ合作 /配給 ファントム・フィルム /上映時間 95分 /映倫区分 R15+

オフィシャルサイト

映画ナタリー 「オー・ルーシー!」ドイツの映画祭で大賞に、寺島しのぶは名誉賞贈られる

→『第18回ニッポン・コネクションにて、「オー・ルーシー!」が観客によって選ばれるニッポン・シネマ部門の最優秀作品賞にあたるニッポンシネマアワードを受賞。あわせて、主演の寺島しのぶがニッポン名誉賞に輝いた。

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第18回ニッポン・コネクションは、現地時間5月29日から6月3日までドイツ・フランクフルトで行われた日本映画専門の映画祭。クロージングに出席した寺島は「“観客賞”は作り手にとって本当にうれしい賞です。これはロスにいる平柳(敦子)監督にいただいた賞だと思いますので、すぐ連絡します」とニッポンシネマアワードの獲得を喜ぶ。/そして、寺島は日本映画界に特別な功績を残した人物へ贈られるニッポン名誉賞を受賞した心境を「まだ発展途上の私がこのような賞をいただいていいのかと思いましたが、これからの私への期待だと思い、ありがたくお受けしました」と語り、「ベルリン映画祭で銀熊賞をいただき、今回名誉賞をいただきました。ドイツで2度も素敵な賞をいただき心からうれしく思っています。ドイツ大好きです!」と笑顔を見せた。』

※伊藤さとりさんが大褒めしてたので観に行きたかった作品。

予告編だけで面白いことはひしひしと伝わってくる~しぃ~~~♪


●『オー・ルーシー!』予告編


※くたびれた中年女性が、英会話教室のイケメン外国人教師に

恋をする。少女の顔をする寺島さんの熱演が光る展開だが・・・。


eiga.com 10年ぶりの快挙!寺島しのぶ主演「Oh Lucy!」カンヌ批評家週間で上映決定

『[映画.com ニュース]寺島しのぶが主演し、新鋭・平柳敦子監督がメガホンをとった映画「Oh Lucy!(オー・ルーシー!)」が、第70回カンヌ国際映画祭批評家週間で上映されることが決定。日本人監督作品としては、第60回カンヌ国際映画祭の同部門に正式招待された吉田大八監督作「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」以来、10年ぶりの快挙となった。

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第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門(学生部門)で上映された桃井かおり主演の同名短編映画をベースに、同作を手がけた平柳監督が新たな物語を書き加えて長編映画化。何事にも満たされない日々を過ごす43歳の独身OL・節子(寺島)がふと立ち寄った英会話教室アメリカ人講師に恋をし、東京とLAで大騒動を巻き起こす様を描いている。寺島のほか、南果歩忽那汐里役所広司ら豪華キャストが結集し、「パール・ハーバー」「ブラックホーク・ダウン」などで知られるジョシュ・ハートネットが参加している。短編映画「もう一回」が「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)2012」のジャパン部門最優秀賞&東京都知事賞を獲得し、さらにグランプリにも輝いたことで注目を集めていた平柳監督。念願の長編デビュー作を手がけたことについて「二つの文化で構成された素晴らしいスタッフとキャストの皆さん、そしてこの映画の完成に貢献して頂いた全ての方々に感謝の気持ちで一杯です」と感動しきり。「現在の混沌とした世界情勢の中、カンヌという場で“映画”を通して少しでも色々な国の皆さんと繋がりが持てることを何よりも嬉しく思います」と思いの丈を述べている。

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「日米合作ということもあって、撮影中は苦労もたくさんありました」と振り返る寺島。世界三大映画祭(独ベルリン、仏カンヌ、伊ベネチア)に名を連ねるカンヌ国際映画祭での上映については「主人の母国であるフランスの映画祭なので、家族共々喜んでおります。海外の方々に、この映画を見ていただけることが嬉しくてなりません」と語っている。同じく南、忽那、役所も今回の快挙に喜びの声。「平柳敦子監督の情熱、経験、ユーモアがあふれる『Oh Lucy!』がカンヌ国際映画祭に出品されるという知らせを監督から直接受け取りました。カンヌでどんな風に受け止められるのか、ドキドキしながらも楽しみでなりません」(南)、「とにかく一生懸命に、どんな環境でも真剣にみんなで向き合えた作品なだけに、今回のカンヌ国際映画祭の出品は本当に嬉しく思います」(忽那)、「きっとカンヌ国際映画祭のお客様に愛される作品だと信じています。平柳敦子監督おめでとうございます!」(役所)と歓喜のコメントを寄せている。』


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※ピン球インの瞬間の「あ・・・」のタイミングとか、思わず笑っちゃうw


映画ナタリー 寺島しのぶが主演作引っさげカンヌに、フランス語で挨拶し会場沸かせる

『フランス現地時間5月22日、日米合作映画「オー・ルーシー!」が第70回カンヌ国際映画祭批評家週間に出品され、キャストの寺島しのぶジョシュ・ハートネット、監督の平柳敦子が舞台挨拶に登壇した。本作では、満たされない日々を過ごす43歳の独身OL・節子が英会話教室アメリカ人講師に恋をし、 東京と米ロサンゼルスで大騒動を巻き起こすさまがユーモラスに描かれる。金髪のカツラを装着し“ルーシー”になりきる節子に寺島が扮するほか、南果歩忽那汐里役所広司らが出演している。

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平柳は、桃井かおり主演で製作した短編「Oh Lucy!」が2014年のカンヌ国際映画祭シネフォンダシオン(学生映画)部門第2位を獲得したことに触れて「その短編を長編としてカンヌに戻ってこられることをずっと夢見ておりました」とコメント。寺島は「ボンジュール!」とフランス語で挨拶して会場を沸かせ、「敦子さんと仕事ができて本当に楽しかったです。とても才能のある監督なので、明るい未来が待っていると確信しています。皆さん映画をぜひ楽しんでいってください」と続ける。ハートネットは「皆さんにご覧いただけることをうれしく思います。レビューも楽しみにしているので、お手柔らかに(笑)」と観客に語りかけた。

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上映後には客席からスタンディングオベーションが。そして寺島は「脚本をいただいたときから監督は『この作品でカンヌに行こう!』とエネルギッシュでモチベーションが高く、この人について行こう、と思えた監督でした。この作品に出演でき、とても光栄です。ここを始まりとして、カンヌのコンペに選ばれるような作品にもチャレンジしていきたいと思います」と、ハートネットは「観客と映画を観るのはめったにない経験なので、緊張しました。ルーシーにとても感情移入してしまいました」と心境を述べた。』


寺島しのぶインタビュー


※きっと、予想していた主人公女性(節子)のキャラが、もっと純粋で

ヲタ系のもの(『勝手にふるえてろ』のパターン)だったので、けっこう

肉食系なガツガツっぷり(なにせイケメン外人をレイプしちゃうんだか

らw)に引いてしまったところがあるーーー。素の寺島さんが漏れてしまっ

たかのようでー。あ、ブラピ命!の鳥居睦子さんもちょっと想起したワ。


eiga.comニュース 寺島しのぶVS南果歩&忽那汐里!「オー・ルーシー!」バトルシーン集独占入手(動画あり)

『公開された本編映像は“節子VS身内”の3番勝負を活写。最初は姉・綾子(南)との一戦で、舞台はアメリカにあるジョンのアパートだ。ジョンの家賃未納問題をきっかけに、姉妹は火花を散らす。第2戦も同じく節子VS綾子。夜遊びをして忍び足で宿泊先のモーテルへ帰って来た節子に対して、綾子が「どこに行ってたのよ」「本当に自分勝手なんだから」とキツめの言葉を投げかけたことで、バトルスタート。寺島は同シーンについて「このシーンのカットが掛かった後、海外のカメラマンさんがグッドポーズをしてくれて…言葉は分からなくても演技を通して通じ合えた感じがしてとても嬉しかった」と振り返っている。

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終戦は、綾子の娘・美花(忽那)との戦い。ジョンと交際している美花は、自分を可愛がってくれる節子に懐いていた。だが、2人の仲を引き裂いたのは、恋のいざこざ。「何で私が叔母ちゃんに嫉妬するのよね」という美花の“ジャブ”をくらった節子は、唐突に笑い出し「信じられる? 私がもしジョンと寝たつったら」と強烈な“ストレート”を放つ。やがて2人は波の音だけしか聴こえない静かな砂浜で、声を張り上げて大ゲンカを繰り広げる。』


ジョシュ・ハートネットから監督・キャストへのメッセージ (4分49秒)



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※対する、姉役の南果歩さんも同様。多分だけど、設定上は妹が付き合っ

てた彼氏を、美貌で奪い取ったという因縁があるのだろうが、果歩さん本

人の我が強く出ていて、やはり「料理の腕で渡辺謙を略奪したが、結局

はまた裏切られてしまった」という事実が見え隠れしてしまって、映画の

筋が頭に入ってきにくかったというのはネックだったー(あくまで個人的

事情デスケドネ、コレハ・・・)


Cinema Art Online 平胗敦子監督インタビュー

『主人公の節子に実在のモデルはいるのか?という質問をよくされます。『オー・ルーシー!』は、大学院の授業の「自分の身近な人物について書きなさい」という課題から始まった短編映画が前身なので、たしかにモデルはいます。でも、脚本にした時点で私自身の体験や考え方も入ってくるし、今まで会った日本人の方々とか。例えばアメリカに来た当初はすごく静かだったけど、3年後に帰国する時にはたくさんタトゥーを入れていた人とか、そういう人から受けたインスピレーションなども入り「節子」になっています。私は、アメリカには私たち日本人を解放するような魔力のようなものがあるような気がするんです。

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アメリカは、日本に比べると歴史の浅い国なので、「当たり前」と言う感覚があまりなく、全てゼロから始まることが多いので、きちんとコミュニケーションをとり、説明しなければならないところがあります。気軽に「そんなの当たり前でしょう」と言えない。それは良いとも言えるし悪いところもあるけれど、私は全てを「当たり前」で済ませてもいいのかと思います。何かに疑問を抱くことは、大切なことでもあると思います。/私にはフィルムメーカーとして「声を出さない人の声を伝えたい」という思いがあります。始まりは6歳のとき。同じクラスに全然しゃべらない女の子がいました。病気とかではないのですが、一言もしゃべらない。先生もそのことを知っているから質問もしないのですが、その女の子が実は家で「大暴れ」している、ということを聞いたとき、強烈な衝撃を受けました。あの静かな女の子が一体どんな「暴れ」方をしているのか、想像もつきませんでした。でも17歳になってアメリカに留学した時、その子のことをふと思い出したんです。というのも、英語ができない私が、まさに「静かな女の子」になったからです。そして、彼女のことが理解できました。ああ、あの子は一言を喋るのが、すごく怖かったんだなって。一方で、日本人で英語を喋り出すとなんか突然変わっちゃう人もいますよね。いつもよりフレンドリーになるというか、そういうところ、誰にでもあるような気がします。何がそうさせるのかわかりませんが、日本人って海外の人には意外とオープンになるという特徴があると思います。それで節子に「ルーシー」というアイデンティティを与えれば、彼女は自分の本当の気持ちを喋るのではないかと思ったんです。

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映画の序盤、節子が英会話の授業で口を大きく開けるため、ピンポン球を口に入れられるエピソードは、私の俳優としての経験からヒントを得ました。「アクセント矯正」という授業があり、ワインのコルクを口に入れられるんです。母音をきちんと発声するためのメソッドで、実際は映画よりもっと大きな口をあけさせられ、口の中にコルクを縦に詰め込まれ、そのままシェイクスピアソネットを朗読したりする。要するに、口の筋肉を鍛えるんですね。映画では、ビジュアルを考えて、オレンジのピンポン球にしてみました。これに限らず、俳優としての経験は、監督の仕事にも色々と生きています。例えば、晴天を想定したシーンを曇り空のもとで撮るなど変化の多い現場では、俳優さんは脚本に忠実であるだけではいい演技ができないことがあります。演技に何かぎこちなさを感じたとき、俳優さんに「今、本当はどう動きたかったのか」を聞き、よりナチュラルな動きにつなげたりもします。また、あまりテストを重ねず、1テイクか2テイクで撮影を終了しましたが、アメリカでは珍しいようで、スタッフは「本当に大丈夫?」と聞いてきます。でも俳優さん達の心理を踏まえれば、何度もテイクを重ねるのが良いとは思えません。俳優として経験の長いクリント・イーストウッド監督も、テイクが少ないと聞きました。(中略)

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日本に限らず世界全体を見ても、女性が主人公の映画は、主人公が強かったり、ゴージャスだったりしなくてはならないものばかりだと思います。男性だったら、欠点がたくさんあるような人物が主人公で、失敗しまくる人生をおもしろおかしく描く映画があるのに、女性が主人公になると、最初はさえないOLだったのに突然発明や開発をして社長になるとか、世界を救う勇敢なヒロイン、そういう夢物語のようなハッピーエンドが必ず用意されているような気がします。/今回、映画を観た人から「もっと節子は幸せになると思った」と言われたりもしますが、私としてはこのエンディングは、100%希望のあるハッピーエンディングだと思っています。節子はジョンと出会い、ピンポン球とハグによって自分自身を解放した。そして、初めて自分自身と向き合うんです。素の自分に近づくというか。未知の世界に自分を放り出さなければ人生が秘める無数の可能性のドアを開ける事は出来ないと思います。人生どんな時にどんな人と巡り会うかわかりませんからね。その「一歩」を踏み出した女性にエールを送るのが、この映画と言えるかもしれません。/インタビュー: 仲野 マリ / スチール撮影: 堀木 三紀』


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桃井かおり版「オー・ルーシー!」も面白そう♪






☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)


☆さ~~て、本日10月23日(火)の、「元気が出る言葉」は~?


『ボールが丸いことを意識しろ。』
出展:?
発言者:ペレ (ブラジルの元サッカー選手 1940年10月23日~)

『解説:大空翼は「ボールは僕の友達さ」と言っていた。ペレの言っていることもそれと同じかもしれない。それだけ、ボールというやつの性格・外見から雨の日の癖、蹴る・止める・渡すなど、とことん頭と体で知り尽くし、友達になったものが一流になれるのだ。ペレからメッシまで、一流選手ほど不思議とボールが、別の物体のような動きをして彼らに操られる。ボールが丸いことを知っているだけではだめなんだ。観察し、意識せよ!』


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◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・


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●映画『ペレ 伝説の誕生』予告編



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吉田麻也選手インタビュー映像



●ペレ スーパープレイ集 HD



☆本日の、『日めくり漱石』は・・・

サライ 「夏目漱石」の記事一覧


“死ぬという事はどんなものか、まだ経験した事がないから好きとも嫌いとも云えない(『吾輩は猫である』より)”


【1911年10月23日、44歳の漱石】能書家の友人に戒名を書いてほしいと依頼する


今から105年前の今日、すなわち明治44年(1911)10月23日、44歳の漱石は、鎌倉に住む友人の菅虎雄に戒名を書いてもらうべく、依頼の手紙を書いた。《拝啓 唐突ながら御願いがある。戒名を一つ書いて貰いたい。縁喜が悪いけれども是非願ひたい》/別段、近年はやりの「終活」ではない。門弟の松根東洋城の、父親と母親の戒名を書いてもらおうというのだった。このうち、鬼籍入りしてまもない母親の戒名「霊源院殿水月一如大姉」は、漱石がこの数日、東洋城と相談しながらつけたものだった。


菅虎雄は能書家だった。4年前の夏目家の引っ越しの際も、漱石は手伝いにきていた菅虎雄に頼んで、門札を書いてもらったほどだった。そんな姿を、東洋城も目撃していた。墓石に文字を刻み入れるための下書きとして、両親の戒名を筆文字にする必要に迫られたとき、東洋城の頭に、あの日の引っ越し当日の菅虎雄の筆を持つ姿と、立派な文字が、思い浮かんだのである。東洋城は、漱石に母の戒名選びを頼んだ時点で、同時に菅虎雄への仲介も願い出ていた。


漱石は菅虎雄宛ての依頼の手紙を書き終えると、間を置かず投函した。「これでよし」と漱石は思う。漱石宛ての手紙は方々から来る。そのひとつひとつに返事を書いたり、頼まれごとを処置したりする必要がある。それをつい保留してため込んでしまうと、後が大変になる。それがわかっているので、今回は迅速に菅虎雄への取り次ぎをすませた。漱石は内心いささか得意になって、胸をそらすような気分になった。ところが、その直後、東洋城から漱石のもとへ手紙が届いた。東洋城は自分で頼んでおきながら、ふと気が変わり、「やっぱり夏目先生に戒名を書いてもらいたい」と言ってきたのだった。


しかし、もうあとの祭り。漱石はこれにもすぐに返事の葉書を出す。《実は先刻菅に手紙を書いて頼んでしまったり。毎日手紙の返事をためて置くと大変故、今度はすぐ片づけた積(つもり)で大得意のところ、模様替には一寸困り候。今更よすと云うのも異なものではないか》/菅虎雄が、綺麗な楷書体で戒名を書き上げた数枚の厚手の用紙を携え、鎌倉から上京し漱石山房へやってきたのは、この依頼から8日目、10月31日のこと。見ると、さすが、いずれの文字もよい。当人の好みもあろう。漱石先生、自分で「これは」と思う候補に朱でしるしをつけながら、すべての用紙を封入し、手紙を添え東洋城へ送った。《拝啓 先夜は失礼 昨日菅氏参り戒名数通の楷書見せ候ところ、何れも棄てがたき故みんな御目にかけ申候》


のちのち菅虎雄は、漱石の戒名も書くことになる。


細かすぎて伝わらない関連動画など

(「戒名」「依頼」で動画検索してみました!!)


●いとしこいし 「わたしの好物」



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※いとこい漫才の金字塔である・・・。


●僧侶を困らせる変わった戒名 法事で思わぬ事態



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・亡くなった女性の法事の際に親族から依頼を受けて、命名された戒名をめぐり僧侶がとんでもない事態に巻き込まれた。


ジョニーAのつぶやき:「カフェイン」はなかなかいいセンスだと思うがな。