【フォールームス】病室はオムニバス映画

まさかこんなところにメメクラゲがいるとは思わなかった
ぼくはたまたまこの海辺に泳ぎに来てメメクラゲに左腕を噛まれてしまったのだ

つげ義春さんの不条理漫画『ねじ式』の冒頭部分だ♪
なにゆえに、そんな文章から書き始めたかと言うと・・・点滴を打たれ続ける状況が、腕の血管を切除されて、ねじでつながれてる主人公の男にクリソツな状況だなぁ~~~、って思ったから。

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ねじ式』のあらすじを知りたい方はコチラへ↓
ねじ式の考察・あらすじ

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映画版では、浅野忠信が主人公を演じた。飄々とした感じがよく出ていたと思う。
ワケのワカラナサを楽しむことができない人には、お勧めできない。
賛否両論にサク~~ッと分かれる作品であろう。
気持ち悪いんだけど、逆になーんだか心地良い幻想世界。。。独特の言葉遣いも魅力的なのだ。

結構めんどくさがり~な自分は、出来ることならこのままモノを食べる無駄な時間をハショッて、点滴人生で残りを過ごしてみても、楽でいいかもナァ~、なんてマジで思っちゃったわw
今回特に、喉を悪くして入院し、病院のヘルシーな食事だけでも十分満足感が得られたことによって、ある種、確信できた。オイラは貧乏な食生活でも全然我慢できるゾ!!
趣味への費用は惜しまないが、「食」に関しては節約しまくったれ!!!と。
ダイエットは、今後はるかに易しくなって行きそう・・・・

●4人部屋は、オムニバス映画の舞台!

病室は4人部屋だった。聞くつもりがなくとも、看護婦さんとの会話や、時折見舞いに来る家族とのやりとりで、その人となりが除々に徐々に判明していく。人にドラマあり。普段あまり廻りの人間関係とかに興味ないんだけど、こうヒマだとついつい聞き耳立てたりしてw
さらに例の妄想癖も相まって、さながらタランティーノ映画『フォールームス』のような展開が繰り広げられるのだった。

①第一話 Y岡さん物語(耳鼻科患者)
・・・車椅子のオジさんがいた。気さくで陽気なナイスガイ。顔は、渡辺哲さんっぽい(ブルドッグ顔)。
どうやら、昔自転車をやっていた(?競輪選手か、はたまた趣味のサイクリングか?詳細は不明)という。で、自転車によじ登って(?)バランスを崩したとか何とか・・・。
足を鍛えるための道具で、足を壊してしまったのだろうか。皮肉なめぐり合わせやね~~~~~。
僕が入院した2日目の朝に、美人の奥さんがやってきて、さっさと退院して行かれた。第1話、終了~。

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②第2話 M山さん物語(眼科患者)
・・・「男はつらいよ」の寅屋のオイチャンみたいな風貌の人だったので、穏やか~な印象があったのだが、ある時を境に、グチの速射砲と化したw
「息子は3人、別れた妻んとこへ行ってもうた。死に別れた妻との息子は韓国へ行って消息不明。その2番目の奥さんは1年の命と言われてたのに8年ももって、そのせいで、いま借金地獄になっとる。誰も迎えに来てくれんわ~。さ、煙草吸うて来よ♪」
「院内は禁煙ですよ~!」と後を追う看護婦さん。さては、同情を請うて、タバコを吸う許可を得ようとするセコイ魂胆だったかw
3日目の朝に、淋しく退院された。。。第2話終了~~。

③第3話 S本さん物語(耳鼻科患者)
・・・「Gメン75」とかに出てらっした藤木悠さんっぽい風貌の御仁。一見コワモテだが喋ると穏やか。
「子供らはみーんなアレルギーなんやぁ。一番下は小児喘息持ちでな~。一回直ったんやけども、また中学入ってから再発しよった。。。」
しきりに頭痛と耳痛を訴え、薬漬けになってる。退院する気配もなし。大変だ。
新しく入ってくる病人たちにいろいろ細かいことを教えてあげてる。部屋の主、と化しているな~。
夜中に「クックックッ」と新野新みたいに忍び笑いをされていた。ラジオでも聴いていたんだろうか。
ラジオの話とか、振ってあげれば良かったかなぁ~。後悔。

④第4話 M田くん物語(眼科患者)
・・・白内障の手術で二泊だけして帰っていった22歳の若者。JJジャンプ(だっけ?懐かしいなぁーおい。ソニンの元相方だよw)のユウキっぽい、はっきりした目鼻立ちの子。敬語はまだ使えないw
「え?切るの?目玉取り出すの?」とか言ってビビッてた。んなわきゃあないやろW
ひょっとして喧嘩でもして殴られたんかなぁ?眼底の力が1しかない、などと医者と家族とで喋ってた。
小さい弟らしき子はずっとゲームしてた。会話なし。
いろんな部位の患者さんが、無造作に詰め込まれる4人部屋の人間ドラマ。自分はできるだけ情報を出さないように努めてた(チョット卑怯っぽいなぁ、こう書くと)。

その他にも、数人出入りがあったよ。ルームス・フォーは実際はルームスファイブorシックスだった。
病院を舞台にした映画とか、観たくなったよ。いろいろ確かあったよなぁ~。
「病院へ行こう」とか「大病人」とか。

とまれ、金曜に無事退院いたしました。
ご心配をおかけしまして。(へ?誰もしてないってか!)
いろいろ社会経験を積んだような気もする、人生の午後のひとコマでした。以上。