【大日本人】松本人志ワールド♪

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ネット関連で評判をチェックしていた段階では、賛否の比率が3:7ぐらいで、結構意見を参考にして
いる業界関係者の方のブログでも、「いや、正直ちょっとワカランかったかな~」という感想が目立ち、
ビクビクもんで観に行った。で、ビジュアルバム(もう10年前になるのか~、早いナァ~)のような
テイストだったらいいな、と思ってたそのまんまの造りだったので、かなり個人的には楽しめた。
松本さんの、日常に潜むニヤッとする笑いの類が好きな人、そして特撮ファンの人は必見!と、言って
おきたいと思う。

eiga.com 新作映画評 大日本人
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抜粋
ダウンタウン松本人志が映画監督デビューを果たした注目作。松本自身が主演と脚本も務め、構想に5年の歳月を費やしたオリジナリティ溢れるストーリーが展開していく。共同脚本は、松本の幼なじみでもある放送作家高須光聖。共演には竹内力神木隆之介、ミュージシャンのUA、お笑い芸人の板尾創路ら個性的なメンバーが顔を揃える。07年のカンヌ国際映画祭では監督週間部門に正式招待された。

監督:松本人志 脚本:高須光聖松本人志 撮影:山本英夫
音楽:テイ・トウワ川井憲次
出演:松本人志竹内力UA神木隆之介板尾創路
2007年日本映画 /1時間40分 配給:松竹
●公式HP
大日本人 公式ホームページ

ごっつええ感じ」のショートコントだけが好きな人は、きっと面食らうのではないだろうか。
松本さんのネタは、そういう短距離走的な笑いは比較的万人に解り易かろうが、時間をたっぷりかけた
ラソン的な作品(先述の「ビジュアルバム」とか「ひとりごっつ」とか「頭頭(とうず)」とか・・・)
は、初見では解りづらい造りになっているものが多いのだ。いや、でもその部類にしては、今回の『大
日本人』はまだ理解しやすくなっていると思ったが。。。世間の評価は「?」が大勢を占めている。
延々、意味のなさそうなインタビューシーンが続くわけだが、松本節が如何なく発揮されていて、観て
いるうちにえも言われぬ可笑しさが込み上げて来る。重箱の隅をつついた様な瑣末な笑いが好きな人に
はタマラン魅力だとは思う。

大日本人 予告



獣と闘うCGシーンは、もう圧巻!特撮ファンなら、あの巨大化した松ちゃんの姿だけで、この映画に
オッケイを出す事だろう♪劇場での反応は、確かに薄かった。あぁー、ビジュアルバム・ファンだけを
集めた限定試写室みたいなところで、心置きなく笑ってみたかったニャ~~~。
で、最後のオチというか、終わり方に関してだが・・・あ、っとここからネタバレをきつく書こっかな。
未見の方は、この下の「次でボケて!イラスト」の下まで飛んでチョ!


●最後の「ここから実写」の部分は、挿入される形になっていて、そのあとはてっきりCGシーンに戻
るもんだとばかり思ってた。だもんで、それがそのまま終わってしまって、肩透かしな気分だったよ。
総じて、前半は完璧。後半(板尾さん演じる臭うの獣登場あたりから)やや「ごっつ」のコントっぽく
なってしまって違和感あり、という印象だったなぁ。
でも、後から考え直してみるに、アレは松本さんの作戦だったのかな、と。いわゆるCG全盛の映画界
に警鐘を鳴らす、的なネ、意味合いがあったのかな~、と。でもそれだったら、実写の部分の映像を、
もっと魅力的なモノにして欲しかったナァー。どう観ても、CGの方がスゴス!っていう読後感しか残んな
い。マラソンに喩え直せば、「24時間TVのマラソン企画で、最後疲れてタクシー乗っちゃった~。で、ゴール寸前で降りて、感動のゴール!となるはずだったのに、そのままタクシーでゴールテー
プ切っちゃったよ~!!」みたいなw

ただ、ビジュアルバムもそうだったが、この手の長丁場のコントって、何回も鑑賞に堪え得る作品になっているとも言えるわけで・・・。観れば観るほど、味わいが出てくるって面もあるんである。『大日本人』、意外と2回3回と観直すと、また違った面白さが湧き出てくるかも知んない。次また観に行く公算
高し♪♪♪

●高須&松本でやっているラジオ「放送室」の音声を聞いた。編集前の放送で、松本人志自信満々の巻!
という内容の回だったが、キャストの話とかオモロかった。獣の一匹としてCG出演している竹内力さんが
かなり真剣に役作りしてくれた話とかw あわよくば、海原はるかさんのエピソードも聴きたかったが・・・そこはノーコメントだった。CGでもって再現したはるかさんの髪の毛ネタは、それだけを観るためにもう一回劇場へ足を運ぼうという気にさせてくれるに十分な、すげえクオリティの高さだったンダワー。ああいうアフォなシーンに10億もかけたのかー、と考えると実に感慨深い。
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最後に、水道橋博士のコメントが興味深かったので引用させてもらう。
博士の悪童日記
「映画は自分に身についたものしか撮れない」そして、「自分の撮りたいものしか、撮らない」タケシ映画のポリシーは、松本映画にも、通低しているし、本人が主役として画面に登場し、過剰なるやりたい放題や、映画を覆う本人への言及、暗喩が、強烈なテーマになってしまうことも、二人に共通する。/松本さんは、最近のインタビューでも、しきりと、「6年前のフジテレビの「ごっつ特番」が、視聴率9%に終わったことを口にする。あの番組が、テレビコントの作品性として、一種の到達点とも思える出来であったのは間違いないだろう。その賞賛がありながら、逆に言えば、91%の"大方日本人"に、無視されたことの恨みを、忘れないのだろう。/俺が出演した『すべらない話』の打ち上げの時、もう大方、撮了した段階で、松本さんに対し、俺は、 10年前の『ビジュアルバム』で、既に世界でも通用する映像作家であることは、 証明済みであること、映画の才能とは作品の点ではなく作品群の線であることを、伝えると、「でも今回の映画が、それでも、無視されたらどうする?」と問い掛け、二人同時に「次に撮ればいいんですよ」「次を撮ればいいんやな」と同時に答えた。/きっと、この時の思いは、どんなに映画が上出来でも、91%の"大方日本人"に、無視されることがわかっていたからだ。確実に映画は当るだろう。しかし、それだけ多くの人が見れば、公開後の評価は、"否"の大合唱も大きくなるだろう。/カンヌで、殿は松本さんに、「3本くらいは、めちゃめちゃ叩かれる。そんなことは気にするな。そして映画を撮り続けることが大事。最低5本は撮ってくれ!」(週刊プレイボーイ誌より)とアドバイスしたという。きっと、松本監督は、確信を持って、次回作へと進むだろう。選ばれた才能を持つ人の永久運動が始まる。映画は、本来、宿命的に選ばれた才能が生み出すタモマノだ。その『監督(誕生)バンザイ』を俺は思うのだ。』

ウマイねぇ~、博士の文章は。惚れ惚れするやー。
あ、もう一人、同じ感性を持っている気がする、シンデレラエキスプレス渡辺さんのブログのコメント
もついでに載せたくなったー。今回は、自分が言葉足らずな分、人様に頼ってしまうんだワナ~ww

新作映画鑑賞記
『要となるのはこの映画における松本人志監督のインスパイアの源がなにかということである。主人公が住み、歩き、飲む・・・下町。一見それは何処にでもありそうな下町ではあるが、実はこれこそ監督が生まれ育った尼崎をイメージしたに違いない。そこで松本人志という人は育った。その過程で笑いのポイントが形成されていった。だから、ダウンタウンとしての初期にはそういう影響がかなり出ていたように思う。/今から20数年前に、ラジオ大阪ダウンタウンとしてメインのラジオ番組をしていて、当時高校生だったボクはよく聴いていた。とても好きな番組だった。番組タイトルは『おっとモモンガ』だったと思う。この番組の中で松本さんはよく地元や仲間内、身内の話をしていた。それは放送コードぎりぎりだったが最高に面白かった。そして、番組内でとんねるずの『雨の西麻布』に対抗して『二人の西梅田』という歌を共演者のおかけんたさんに作ってもらって歌っていたのだが、別にとんねるずに対抗せずとも松本さんのイメージはこういうムード歌謡だったはずだ。ムード歌謡は新地じやない、まさしく尼崎にこそあうのだ。/『大日本人』はその辺りのテイストに満ちている。家も駅前も歓楽街も尼崎のそれである。映画というのはその監督のルーツを知った上で観るとより理解できる。作品には監督のバックボーンの影響が出るからだ。だからどんなにつまらない作品でもその監督をとことん知れば発見は見えてくるはずなのだが、監督自身に魅力や興味を感じるからこそ観る側も探求しようとする。言い換えればとことんつまらないものを作る監督にはもともとそういう魅力は感じないので誤解なきよう。/ボクは松本人志という人に、自分が若い頃・・・自分がお笑い芸人を目指す前から興味を持っていた。だからその探究心で『大日本人』を観たから、物凄く面白かった。大いに笑った。/「ダウンタウン松本人志」が作ったから、けなせない・・・では駄目だし、「ダウンタウン松本人志」が作ったから、ほめる・・・はもっと愚かだと思う。特に同業者として末席にいるわが身にとっては、どこが面白かった・なぜ面白かったかを自分なりに整理しないと気持ち悪いだろうなと考えながら観た映画であった。そんな映画なんて初めてだ。でも、そういう宿命をもって生まれてきた作品なのだ。と言っても、それはボクだけのカセではない。その言葉をあらゆるメディアと数多の観客に投げかけたい・・・。』

月並みではあるが、松本人志の次の作品が早く観たい!!!これは偽らざる今の心境であり、そう思って
いる人がきっとたくさんいるだろう事を願う。「放送室」の中で松本さんはこんな発言をしていた。
『今度はもっと、サラッとした軽い映画撮りたいな』と。10億かけたからどうや、っちゅうわけでも
なく(まぁ、そういう予算的なことは、きっと松本さんの与り知らぬところで勝手に決められてるんだ
ろうしネ)、もっともっと自然体で、撮りたい素材を思うがままに撮る。映画監督としての松本人志は、
まだまだ未知数なだけに、逆にワクワクする。今度は一体何をやらかしてくれるんだろうか、、、って。

共通点が細かすぎて伝わらない動画シリーズ~~~~~~♪

なーんとなく『大日本人』ぽい?

●正義の見方


●ごっつ近畿防衛軍

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