【現世は夢 ~人間椅子25周年記念ベストアルバム~】

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ビースト 和嶋慎治 浪漫派宣言 最終回
──新曲について──

「地獄への招待状」
 鈴木君が用意してきた曲は、モーターヘッド風の疾走感のあるものだった。詞は僕が担当することになった。人間椅子には地獄が舞台の楽曲が数多くある。ベスト盤の新曲にも入っていて然るべきだし、それにはこの曲がふさわしく思われた。
 地獄とはいかなる所か。人類誕生以前にはなかっただろう。そこは神が準備したところというよりも、スウェーデンボルグがいうように、人間の地獄的想念が作り上げたものと見るのが至当ではないか。同様のことはロバート・モンローも語っている。
 不潔な環境にいる人は不潔を好んでいる。享楽に耽る人は享楽が好きなのだ。いかに他人から見てそれが地獄的様相を呈していようと、人は本人が選んだところに留まっている。そのことを、笑いのめすように歌ってみたかった。だってもしかして、地獄にいる人は地獄を楽しんでいるのだろうから。
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悪徳の栄え
 退廃、がコンセプト。基本的な部分は、夏の暑い盛りに思いついた。フリーのようないなたいリフで、不謹慎なことを歌いたい‥‥レコーディング直前に、キーをC#m(指板上の)に変更、アルバート・キングの「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」やロビン・トロワーの一部の曲のように、沈鬱な暗さを加味することが出来た。
 サドの小説をジュンク堂書店で購入し、読んでみる。たちまち具合が悪くなる。僕がいいたいのは、放縦な性の奨励ではない。産業革命が始まった頃、多くの知識人がこのまま物質文明が進めば人間性は喪失せざるを得ないと警鐘を鳴らしたわけだが、確かに現代はより巧妙に人間の隷属化が行なわれているように思える。所有することが人間の幸せなのではない。安定を求めるのが生きているということではない。そもそも安定などこれまで存在したことがないし、生きるのをやめた時からどんどん人間はつまらなくなっていく。──常識から外れたことをいえば現代では悪にあたるだろうから、以上のことをいう僕は悪人と呼ばれるだろう。常識は捨てた方がいい、それが僕のいいたい悪徳の栄えだ。
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「悲しき図書館員」
 アメリカの古いテレビ番組「ミステリーゾーン」に、次のような回がある。銀行員の某氏は無類の本好きである。満たされない現実の埋め合わせをするかのように、本の中に人生の素晴しさを見ようとしている。ある時地下室に閉じ込められ、これ幸いと読書に耽る。折しも核戦争が勃発、しばらくして某氏が地上に出てみると、一面の焼野原、すべては死に絶えていた。某氏は悲嘆にくれるよりも、むしろ心置きなく読書できることを喜んだ。早速本を手に取るが、誤って眼鏡を落として割ってしまう。極度の近眼である某氏は、もう二度と本を読むことが出来ないのだった。──人間の卑小さと悲しさを描いて、名作の誉れが高い回である。
 鈴木君がミドルテンポの曲を準備してきた。哀愁のあるメロディーで、親しみやすさもある。この曲に、非日常的でダークな歌詞は合わないように思われた。日常に垣間見える人の寂しさを、普遍的に描けないかと思った。この寂しさは、僕がアルバイトをしていた頃、しばしば他人に抱いた感情でもあった。悲しき‥‥悲しき‥‥悲しき鉄道員でまず詞を書き出したが、すぐにショッキング・ブルーに同名曲があったことを思い出し、慌ててやめる。「ミステリーゾーン」のあの教訓のように、書を捨てよ町へ出よう、でいくことにした。
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「宇宙からの色」
 作曲に最も時間を費やした曲。『無頼豊饒』が出てしばらく経った、あれも夏のうだるような蒸し暑い日のことだった。散歩をしていて、とある大学に差し掛かった。学生が熱心にピアノの稽古をしているらしく、淀みのない音色が路上まで漏れ聞こえてくる。おそらく現代音楽だろう、十二音階のひと塊のフレーズが、半音ずつ上昇していく。聴いたこともない音楽だった。真夏の陽炎の中それはまるで白昼夢のようで、思わず僕は足を止めてしばし聴き入っていた。何という幻想的な音階だろう。「その曲名を教えてください」幾度となく僕は塀の向こうの学生に問いたい衝動に駆られたが、そこは門番がしっかりと見張っている、部外者立ち入り禁止の学校なのだった。何分も何分も、僕はじっと佇んで音楽に耳を傾けた。そして大急ぎで走って家に帰り、その印象をギターでなぞって、テレコに録音した。
 夏の終わり。死の臭いのする曲を作りたく思った。ゾンビ物のDVDを大量に借り、空いている時間に立て続けに見た。ゾンビはただの死体ではなく、人間の究極の奴隷状態に違いない、などと妙に興奮しながら鑑賞する。最近のホラー映画にはよくヘヴィーメタルが使われており、救いのない状況を表す上での相性がいいようだ。かなりの本数を見てだいぶ脳内がゾンビに毒された頃、これはなかなかホラーだろうというリフを思いつく。
 秋口。某誌の記事の取材のため、キャンプに出掛ける。野外の開放感を味わいつつも、やはり頭の中は新曲制作のことでいっぱいだ。明け方、ゾンビが夢に出て来て、汗をびっしょりかいて目が覚める。しかもBGM付きという念の入りよう。がばと跳ね起き、持参していたギターでその悪夢の挿入曲を憑りつかれたように弾き続ける。
 結局、ゾンビという形では日の目を見なかったが、「宇宙からの色」の骨子は以上の経緯で出来上がった。学生のピアノはイントロに、ゾンビ映画は中間部に、キャンプの悪夢はサビのメインリフにそれぞれ使われた。
 H・P・ラヴクラフトの小説をモチーフにした楽曲は、これからも作り続ける所存だ。受けようと受けまいと、それこそしつこく。喜ぶべきは、ここ最近海外からメールや問い合わせが来ていること。世界中にラヴクラフトのファンがいることを勘案すれば、地獄の歌同様、ベスト盤にラヴクラフト関連曲を入れたのは機を見るに敏だったと思う。
 結論はなく具体的でもなく、恐怖のほのめかしのみに終始する──ひとまず、狙い通りのホラー・アンド・テラーな曲を作ることが出来たのだった。

●「宇宙からの色」MV

※転調してから以降の鈴木パートが特に痺れる~~~ぅ!
ゾンビを主題にした、ゴリッゴリの鈴木研一作詞作曲の楽曲が聴きたいゾ~~ット♪

ロケットニュース24 活動25周年の集大成! ロックバンド「人間椅子」がベストアルバム『現世は夢』を12月3日に発売 / 音に込められた気迫に身体が震える
『◎円熟味と切れ味:人間椅子は2014年6月に、アルバム『無頼豊饒』(ぶらいほうじょう)をリリースしている。このアルバムは、長年ロックし続ける彼らの円熟味あふれるサウンドが余すところなく詰め込まれており、なおかつこれが熟年バンドマンの音か!? と思うほどエッジがきいている。およそオジサンたちが演奏しているとは思えないほど、切れ味が鋭いのだ。/◎0枚目から2曲:特筆すべきは、これまで音源に入っていなかった、インディーズ盤人間椅子』の楽曲が2曲収録されていることだ。通称0枚目といわれるこのアルバムは現在入手困難になっている。当時の音を聞きたいと願うファンも少なくないだろう。今になってなぜ、このアルバムから「陰獣」と「神経症I LONE YOU」の2曲を入れることになったのだろうか? ギターボーカルの和嶋慎治氏は次のように語っている。→和嶋「25周年ということで、人間椅子の最初から最新までの楽曲を届けたかったんですよ。初期の2曲は現在入手困難になってしまったので、やっぱり入れたかったですよね。我ながら、当時の音を聞いて驚きました。自分たちは全然変わってないって」「全部通して聞くと、僕たちの足跡を知ることができると思います。活動初期から現在に至るまで、ぶれずに変わっていないということを表せたベスト盤じゃないかな。初期の曲を入れたDISC1は僕たちのルーツですよね。それでDISC2は人間椅子のこれからですよ。非常にクリエイティブなことをやれたベストだと思います」
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/◎0枚目の秘話:実は、インディーズ盤を出した時の秘話を、ベースボーカルの鈴木研一氏が教えてくれた。メジャーデビュー前の当時、1989年インディーズ盤人間椅子』をリリースした時と、現在とでは音がまったく違うというのだ。それには理由があった→鈴木「昔の音は今と全然違うんだよね。あの頃、アンプとか楽器とか全然わからなかったから、勧められるものを勧められるままに使ってたんだよね。それから、やたら褒められたことを良く覚えている。何やっても「いいね! いいね!」って。新人だったし、持ち上げてくれたんだろうね」/◎目盛りを1つ上げて:とにかくベスト盤、DISC2に収録された新曲4曲を聞いていただきたい。熱量の高さに驚かされるはずである。しかも驚きなのは、この4曲はこのベスト盤だけのための曲で、ほかの作品に反映はさせないそうである。それだけ強い思いをもって、作りこんだ曲なのだ。→和嶋「今、勝負するときだと思って、出せる力の目盛りを1つ上げたんです。メンバー全員の底力が出ていると思います。音源を心待ちにしている人、皆さんに、楽しんでもらいたいですね」/これまでの25年間、そしてこれからが詰め込まれたベストアルバム、それが『現世は夢』である。25年の歴史のなかで培った人間椅子の夢が、今まさに現世に顕現(けんげん)した秀逸な作品だ』

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※てぬぐい付き、、、のヴァージョンは買わなかったので、手元にはない
のだが、、画像としては保存しておきたかったので貼っておくものなりー

VIF NEWS 人間椅子、渋公前に名阪のワンマンライブも開催決定!
『ベスト盤の初回盤の2大特典が発表された。1つは、「人間椅子25周年記念手ぬぐい」でメンバーの顔がコミカルに描かれたデザインとなっている。もう1つは、渋公のライブの楽屋に終演後、楽屋挨拶にご招待入れるというものである。こちらは、初回盤のみに封入される応募券で応募できる。ちなみに「無頼豊饒」の初回盤(ライブDVD付)は発売後の数週間で完売になったので予約しておくことがおススメである。また、リリースイベントも東名阪で予定されているのでそちらもチェックしてメンバーに会いに行こう。現在、人間椅子はベスト盤に収録される新曲の制作中である。まだまだ攻め続けている3人組から目が離せない!』

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※アルバム記念ツアーも行きたいもんだが、1月は受験で忙しいからナァーー
無っ理かなぁ~~~~、やっぱりー?

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※ディスク1の、「平成名物TV いかす!!バンド天国」の自主レーベルから発売
されたインディーズ盤人間椅子」に収録された楽曲、「陰獣」「神経症 I Lo
ve You」の2曲が楽しみダァーーーーー(←現時点でまだ聴いてないという・・・)

ギターレーダー インタビュー動画あり
『最初に収録曲「悪徳の栄え」イントロ部分の開放弦を使ったアルペジオを弾いてもらった。こちらではトレモロフェイザーの合わせ技で音作りをしたそうだ。トレモロだけでは物足りないので、不気味さを加えるためにフェイザーを加えたという。もちろん、エフェクターはいずれも基盤からご本人が作られたものだ。/続いてファズを使った「宇宙からの色」イントロをプレイ。和嶋さんは「Fuzz Face」や「BIG MUFF」のようなゲインを上げるもの、1オクターブ上の音を出す「Upper Octave」系といった2種類のファズを愛用されているが、ここでは後者を使っている。「SHOCKER」と名付けられており、「キッチュな感じ」と「仮面ライダーのショッカーが登場する時」のようなサウンドがお気に入りだという。ちなみに、リアとフロントの音をダビングしてあるそうだ。

●「現世は夢〜25周年記念ベストアルバム~」リリース! Part1


●「現世は夢〜25周年記念ベストアルバム~」リリース! Part2


後半の動画の最初ではこれまでのギター歴についても触れている。和嶋さんといえば「SG」がトレードマーク。しかし、意外にも中学生の頃に初めて購入したのは「Les Paul」で、ジミー・ペイジに憧れて選んだという。その後「単純に形がカッコ良かった。そして、ちょっとB級な感じが良い」ということで「SG」を手にしたそうだ。レスポールに比べ1フレットが体から遠く感じるが、今では慣れたそうで「他のギターがあまり弾けない」という。現在使用しているGibson「SG」は1ボリューム/1トーンという仕様。これは和嶋さんがミックスされたサウンドが好みで、そこから出るクリーントーンをすぐに出したいことを理由に挙げている。その反面、スイッチング奏法ができなくなってしまうので、そのためだけのスイッチを新たに搭載したが、あまり使わないそうだ。/そして、最後に自作の「BIG MUFF」も紹介してもらった。こちらは正規の「RAM'S HEAD BIG MUFF」が大き過ぎてボードに入らないということで1からユニバーサル基盤で作ったそうだ。エフェクターの電源供給をACアダプターではなく電池で行なっている理由についても聞いてみたところ、電圧を上げているアンプに対して、9VのACアダプターを使うと「ブー」というような「リップルノイズ」が乗ってしまうことが原因で電池に切り替えたそうだ。しかし、繋いだままでは消費してしまうので、フットスイッチでON/OFFをコントロールしているという。最後に、今後の予定についても聞いてみた。来年1月はアルバムリリースを記念した東名阪ワンマンツアーを開催予定。なんと1月24日には約20年振りとなる渋谷公会堂でのライブも予定されているので是非とも足を運んでもらいたい』

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オマケ動画&ニュース


人間椅子‐1991/9/20‐Egg-Man(11)ゲスト:みうらじゅん


オリコンスタイル ふなっしー、憧れのオジー・オズボーンと初対面
『千葉県船橋市非公認のご当地キャラクター・ふなっしーが、日本テレビ系『行列のできる法律相談所』(毎週日曜 後9:00)で“憧れの存在”である米・ロック歌手のオジー・オズボーンと初対面していることがこのほど、わかった。高いジャンプやヘッドバンギングなどそのパフォーマンスをオジーから影響を受けているというふなっしー。実際に11月にオジーの邸宅のあるロサンゼルスに向かい、2人の夢のコラボレーションも実現させた』
※これは、ちょっと人間椅子の面々、黙っちゃいられないんじゃないでしょっか~?
ふなっしーごときに、アッという間に先越されて、オジーと仲良くなっちゃうなんて!
フザけんな、ふなっしー!「梨汁ぶしゃー!」じゃなくて、今度、ボコボコに殴りまく
って、「血しぶきぶしゃー!」にしてやるぞ~~~う(椅子の代弁してミマシタッ!シャキーーン)

12月8日の雑学問題は・・・?(簡略解答は一番最後に!)

Q:ミカンが次々に腐っていくわけは?

(解説)植物はエチレンというホルモンを作り出しており、発芽、伸長、結実、成熟、落葉などをコントロールしている。このホルモンは植物体内で水に溶けて働いているが、気体にもなり、植物体の外にも放出される。/また植物体にストレスが加わると、葉や茎などで活発に作られる。ミカンが腐るとエチレンを大量に放出し、その作用で他のミカンも次々に腐っていくのだ。

オコタエ~(o ̄∇ ̄)σ エチレンというホルモンの作用である



関連雑学

・上記のエチレンの働きを、逆に利用している例もある。例えば、バナナなどは、まだ青いうちに収穫することで知られている。南の国で収穫したバナナは、船で日本に運んできてから、熟して黄色く甘くなるのだが、まだ青いバナナを早く熟させる方法がある。それは「同じ倉庫にリンゴリンゴを置いておく」というもの。リンゴは特にエチレンを多く出す果物として知られており、その働きでバナナは通常よりも早く熟すというわけだ。果物の不思議な力にも、すべてタネや仕掛けがあるのだ。

関連動画

●「俺は 機械やミカン作ってんじゃねえ。俺は人間作ってんだ!」
・「3年B組金八先生」腐ったミカンの方程式(14分28秒からの台詞)


●♪~中学行ったらスクールウォーズ 腐ったミカンの方程式
      金八気取りの新米先生 パンツ取られて ガッコ来ねえ~♪
アナーキー・イン・AK ARAKAWA RAP BROTHERS(伊集院光&久保こーじ)