『blank13』 佐藤二朗の仕切り芸が光る!

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eiga.com 作品情報 『blank13』
■解説:俳優の斎藤工が「齊藤工」名義でメガホンを取った長編監督デビュー作。放送作家のはしもとこうじの実話を基にした家族の物語が描かれる。13年前に突然失踪した父親の消息が判明した。しかし、がんを患った父の余命はわずか3カ月。父と家族たちの溝は埋まることなく、3カ月後にこの世を去ってしまう。葬儀に参列した人びとが語る家族の知らなかった父親のエピソードの数々によって、父と家族の13年間の空白が埋まっていく。父親が失踪した主人公を高橋一生、主人公の彼女役を松岡茉優、失踪した父親役をリリー・フランキー、母親役を神野三鈴がそれぞれ演じ、斎藤も主人公の兄役で出演。
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■スタッフ:/監督 齊藤工 /原作 はしもとこうじ 脚本 西条みつとし /製作 板東浩二 富永正人 藤本款 余田光隆 /企画プロデューサー 佐久間大介 /エグゼクティブプロデューサー 小林智 /プロデューサー 小林有衣子 小川貴史 /協力プロデューサー 宮野敏一 /撮影 早坂伸 /照明 田島慎 /録音 西岡正己 /美術 中谷暢宏 衣装 藤山晃子 /ヘアメイク 伊藤里香 辻有見子 /編集 小川弾 木村悦子 /音楽 金子ノブアキ /音響効果 桐山裕行 /ミキサー 桐山裕行 /主題歌 笹川美和 /スチール レスリー・キー /助監督 桑原周平 /ラインプロデューサー 大川裕紀
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■キャスト:高橋一生(松田コージ) 松岡茉優(西田サオリ) 斎藤工(松田ヨシユキ) 神野三鈴(松田洋子)大西利空 北藤遼 織本順吉 村上淳 神戸浩 伊藤沙莉 川瀬陽太 岡田将孝 くっきー 大水洋介 昼メシくん 永野 ミラクルひかる 曇天三男坊 豪起 福士誠治 大竹浩一 細田香菜 小築舞衣 田中千空 蛭子能収 杉作J太郎 波岡一喜 森田哲矢 榊英雄 金子ノブアキ 村中玲子 佐藤二朗(岡宗太郎) リリー・フランキー(松田雅人)
■作品データ:/製作年 2017年 /製作国 日本 /配給 クロックワークス /上映時間 70分 /映倫区分 G
オフィシャルサイト
※父親の葬儀を、長男として体験済みの自分には、身につまされる作品となった。

●予告編

※回想シーンの陰鬱さと、葬儀シーンのコミカルさを、意図的に好対照に配置
する巧みさは、タランティーノの『フロム・ダスク・ティル・ドーン』をも髣髴させる!!

映画ナタリー 「blank13」公開決定 齊藤工 コメント
『☆齊藤工 コメント:オブラートくらいペラッペラな私には、“監督”と言う重厚な響きが未だしっくり来ませんが、この作品への関わりとしてそれ以外の役職名が今の所無いので、偉そうに名乗ってしまっています。
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私がこの作品に対してした事と言えば、はしもとこうじ氏のとっておきの物語を映画にしたいと言い、身に余るスタッフ方・キャスト方に集まって頂き、それをワクワクしながら特等席で見ていた、ただの我儘おっさん傍観者です。 映画とは、やはり映らない部分にも沢っ山のドラマがある事を、身を以て体感しました。まだ先ではありますが、皆様のお陰で無事に来年公開が決まりました。本当にありがとうございます。派手にではなく、じっくりと手渡しの様に劇場にてこの作品を届けて行きたいと思っています。同時にここから公開までが最も大事な時間です。恩着せがましいですが、この作品を一緒に育てて頂きたいです。かつて映画少年だった私には、この瞬間も含め、夢の様な映画の時間の進行形を過ごしています。』
※文字通り「役者は揃っている」ので、確かに演出の余地は無かったのかもしれ
ない・・・。まぁ、葬儀シーンなんて、ほとんどネタ見せ番組のMC状態でしたしw
でもこのスタイルって出たとこ勝負なところが大きいから結果オーライだよな~。
佐藤二朗がいなかったら、相当グダグダになってたんじゃないかと思う。佐藤二朗
のあのフザけた仕切りがあってこそ、一人一人の個性の博覧会が楽しめた。

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※きっと何回も噴出してしまったんだろうなー、と思わせる葬儀シーンでの3人。
松岡茉優さんはお笑い番組のゲストによく出て、ゲラゲラ笑っているところを知
っているもんで余計にそう思う。よく見ると笑いをこらえて鼻の穴が広がってる
ようでもあり「緊張と緩和」が発動。なんとも微笑ましいシーンが完成した♪

斎藤工、日本映画の現状に憂い

・俳優で映画監督も務める斎藤工さんが(2016年)9月19日、東京・不忍池水上音楽堂で行われた「第9回したまちコメディ映画祭in台東」内のイベント「齊藤工 新作発表会」に登場。「齊藤工」名義で4Kオリジナル映画「blank13」を監督した斎藤さんは、同作の公開について「来年を目指している」としつつ、「その前に映画祭。世界中にたくさんの映画祭があるので、いろんなところで勝負したい」と意気込みを語った。

eiga.com 映画ニュース 高橋一生主演、齊藤工監督作「blank13」ウラジオストク国際映画祭で快挙!
『俳優・斎藤工が「齊藤工」名義でメガホンをとった長編監督デビュー作「blank13」が9月16日、東京・台東区で開催中の「第10回したまちコメディ映画祭in台東」(通称:したコメ)のオープニング作品として上映され、齊藤監督をはじめ主演の高橋一生、共演の神野三鈴、金子ノブアキが浅草公会堂での舞台挨拶に出席した。/放送作家・はしもとこうじ氏の実話を基にした家族の物語。13年間行方不明だった父親と心の溝を埋められずにいた家族が、父の死後、葬儀の参列者が語る思い出話を通して“13年間の真実”を知る。高橋が主人公・松田コージ役を演じ、齊藤監督はコージの兄役で出演もしている。
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4人が登壇するなり場内は大歓声に包まれ、高橋が「よろしくお願いします」と挨拶するだけで女性客から大声援が飛び交うなど、改めてその人気の高さを見せつけた。1分間限定で観客による写真撮影も許可され、登壇陣は客席に向かってにこやかに手を振り続けていた。この日は齊藤監督の口から、コンペ部門に出品されたウラジオストク国際映画祭(ロシア)で、快挙を達成したことが明かされた。「昨日の深夜、ウラジオストック国際映画祭で、今作の高橋一生さんとリリー(・フランキー)さん、そしてなぜか僕もベストアクター賞を受賞しました。ロシアの方たちが奇妙な愛着を持ってくださったみたいで、何か賞をあげたい、と。心でキャッチしていただいたと、報告を受けました」と述べると、場内は祝福の拍手。従来、同賞は1人のみに贈られるが、3人が同時受賞という異例の結果に。齊藤監督は「最後(自分)はおまけなんですけどね」と謙そんし、高橋は満面の笑みで喜びを表現していた。
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今作は昨年の第9回したコメで製作発表されており、「この場に戻ってこられて、感慨深いです」と目を細めた齊藤監督は当時の様子を「金子くんが音楽を担当してくれていますが、(昨年の)登壇ギリギリまで楽屋で曲をつくってくれていた」と振り返る。当の金子は「監督が『木魚でトランスをつくれ』と言ってきた(笑)。煩悩の数、108のビートをつくってやろうと思った」と語り、客席を沸かせていた。』
※名俳優イコール名監督、とはなり難いが、映画好きイコール映画監督として成功、
 の図式は意外と成立するような気がするんだなぁーーー。

シネマカフェネット 上海国際・新人監督賞に!「チームの皆様に感謝」
『齊藤工が、第20回上海国際映画祭「アジア新人賞部門」で最優秀監督賞を受賞! 俳優としても活躍する日本人が最優秀監督賞を受賞するのは、日本で初めての快挙となる。本年度のゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて観客賞にあたる、ゆうばりファンタランド大賞(作品賞)の受賞に続く快挙となった。
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6月18日に行われた本作の舞台挨拶では、超満員の会場で拍手喝采を浴び、「昔から中国映画を沢山観てきて、中国と日本との違いを映画によって越えてきました。同じことで感動して泣いて笑って感じてきた人間として、一映画ファンとして自分の大事な作品を持ってここに立てていることが本当に嬉しいです」とその胸中を明かし、「日本と中国が映画でつながれることを願っています」とも語っていた齊藤監督。/上海国際映画祭は、1993年から行われているアジア圏最大規模の映画祭で、世界12大映画祭の1つにも数えられている。アジア新人賞部門はアジア圏の新人監督作品を対象とし、これからの映画界を担う才能に各賞が授与される。第18回の同部門では『0.5ミリ』で安藤桃子監督が受賞、他部門では岩井俊二監督『リリイ・シュシュのすべて』、山田洋次監督『武士の一分』、内田けんじ監督『鍵泥棒のメソッド』など日本でもヒットした話題作が各賞を受賞している。』
※監督・齊藤工!35歳。今後が楽しみなクリエーターである!

●主題歌 「家族の風景」笹川美和

※「深夜食堂」の挿入歌にも使えそうじゃね?

お笑いナタリー 舞台挨拶、永野が質問にまさかの「パス!」ウケる気がしなくて
『冒頭では、永野がカッコつけて挨拶しながら「すみません、役が抜けきれなくて。(撮影から)2年経ってるんですけど……」と語り、周りから「逆にプロ失格ですよ!?」とツッコまれる。またベティ・ブープで統一した自身の衣装については「大宮のドンキで売ってた“みちょぱ福袋”っていうのを買いまして。それに入ってました」と説明した。印象的な共演者を尋ねられた高橋は「僕は1人には絞れないですね……」と言いつつも「永野さん」と回答。それを受けた永野は「高橋さんと雨の中で語り合うっていう難しい芝居をやったら全部カットされて。(自分が映ってるのは)7秒しかなかったんですけど、その7秒……信じられないくらい、いい芝居してましたよね」「『芸人が賑やかしで来たんだ』とか舐めてる客もいると思うんですけど、そういう人が見たら「あっ、すごい芝居だ」ってなる、と自画自賛してみせた。
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舞台挨拶中、永野は果敢にボケ続けたが、ところどころ不発に終わる場面も。齊藤から「楽屋ではウケたんです」とフォローされると、すぐさま「そうなんです、楽屋ではウケたんです!」と乗っかり、さらに「だからテレビ業界で残ってるんです。本番で結果出さないのに、前室と反省会では面白いの!」とまくしたてる。/父の衝撃の姿が明らかになるという映画のストーリーにちなみ、司会がキャスト陣に「最近知った衝撃の事実は?」と質問する場面では、永野が「パス!」とまさかの一言。「ごめんなさい、いろいろイメトレしたんですけど、何言ってもウケる気がしなくて。『お前らー!』とか言いながらここら辺を走り回ってもスベる気がしちゃって(笑)」と語る。そして最後は、映画をPRする齊藤にピタリとくっつき「こうでもしてないと存在を消されるというか、なかったことにされるんじゃないかと思って……。これはもう『永野をどう消すか』っていう、マスコミの人との戦いだと思いますよ」と述べて、会場の笑いを誘っていた。』
※永野の出演シーンはまったく記憶にない。ミラクルひかりさんは冒頭で、意味なく
宇多田ヒカルのモノマネしてたアノ人だろうかーーー。

★中でも、母親役の神野三鈴の演技は、神懸り的だった!!
FIGARO 神野三鈴「圧倒的な肯定、愛情で野放し」
『Q:齊藤監督から、どのような準備をしてほしいなど、リクエストはありましたか?/神野:何もなかったです。/Q:齊藤監督から人物像の指示はありましたか? 監督に言われたことに対し、どんなことをオリジナルで加味しようと思われましたか? ほかの映画の引用、どんな映画のどんなシーンを連想してほしいなど指示はありましたでしょうか?/神野:「(家族が暮らす)アパートの部屋の雰囲気は映画『浮雲』のイメージがあります」と言われました。あとは本当に不思議なのですが、イメージや大切なことはすべてテレパシーで会話していました。これ、本当なんです。衣装合わせが初対面だったので、お互いいろいろ自己紹介含めお話をした覚えがあります。私たちの言葉はBGMのようでしたが、ハッキリと監督の撮りたい世界が伝わってきました。あの方はテレパスなんです。
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/Q:ラストに近いシーン(作品内の亡くなった父親の葬儀と同時進行のシーン)で、神野さん演じる母が喪服姿で吸う「タバコの煙が部屋の中に(まるで夫の魂のように)戻ってきた」エピソードを、浅草で行われた「したまちコメディ映画祭」の上映舞台挨拶の時にお話なさっていました。齊藤監督は、そういう小さな奇跡のような「映画的なコト」を、大切にする人物だと思われますか? 煙の件以外にもそのようなエピソードはありますか?/神野:監督が「カット」をなかなかおかけにならないので、その役で相手役の方と紡ぐ時間が贅沢にありました。その中で最初から小さな奇跡のような瞬間が撮影中にはたくさん生まれていたので、その集大成が、夫を弔うタバコの煙が無風のスタジオの中で何度も家の中に戻ってくる、彼の帰還、というところまで行ったのだと思います。だから答えはずーっと撮影中ありました、かな。
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/Q:今度、齊藤監督の指揮の下、こういう映画でこういう役を演じてみたい、という希望はありますか?/神野:それもテレパシーで……多分。言葉でうまく伝えることができません。/Q:齊藤監督との何げない会話の中で、映画やクリエイションへの渇望や熱いものを感じられた瞬間はありましたか? 覚えているエピソードを教えてください。/神野:撮影のラストカットを終えられた時(それは監督のシーンだったのですが)、花束を受け取った監督が若いスタッフの方たちに、「夢を実現させてください。とにかく行動してください。それが本気なら必ず誰かが集まってくれます」とおっしゃったのです。それを陰で聞いていた私は、若い方々の目が変わったのを見ました。それは批評や憧れという外に向けられていた眼差しから、それぞれがベクトルを自分に向けた瞬間に見えました……私も含めて。「コイツ、スゲーな」と思いました。』


☆書籍「元気が出る言葉」&サライ「日めくり漱石」をお届け♪

(詳細は、1月2日の日記を参照のこと!)

☆さ~~て、本日2月26日(月)の、「元気が出る言葉」は~?

『最高の法は良心です。』
出展:「レ・ミゼラブル」(岩波文庫
発言者:ヴィクトル・ユーゴー (フランスの小説家 1802年2月26日~1885年5月22日)
『解説:代表作「レ・ミゼラブル」はフランス革命を背景に、人の再生を描いたロマン主義を代表する大河小説で、繰り返し映画化、ドラマ化、アニメ化されている。1本のパンを盗んだために19年間、監獄に追いやられたジャン・ヴァルジャン、彼の人生は、実は大人になってこそわかるものかもしれない。』

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※「google」トップに登場した時のヴィクトル・ユーゴー氏!!

◎関連書籍、楽曲、映画(ドラマ)などなど・・・

Amazon.co.jo ああ無情 (講談社青い鳥文庫) 新書 ビクトル=ユーゴー (著),‎ 篠崎 三朗 (イラスト)
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『■内容(「BOOK」データベースより):たったひとつのパンをぬすんだ罪で、19年間も、ろうやにいれられた、ジャン・バルジャン。身も心もすさんだジャン・バルジャンですが、マリウス神父とであい、正しい道を、しっかりとあゆみはじめます。/■登録情報:/新書 286ページ / 講談社 (1989/4/10) /言語 日本語 /ISBN-10: 4061472615 ISBN-13: 978-4061472617 /発売日 1989/4/10 /梱包サイズ 16.8 x 11.4 x 2 cm /おすすめ:5つ星のうち 4.1 /■カスタマーレビュー:ちゃる 5つ星のうち4.0やはり名作! 2016年1月27日・・・小学生の頃読んだ印象がとても強く残っており、大人になった今、また読んでみたいと思い購入しました。色々考えさせられるとてもせつないお話…。●噂話を鵜呑みにせず、まず自分の目で相手を見る知る大切さ。●人を見ためだけで判断してはいけない。●思いやりの大切さ。(以下略)記憶にないですが、小さい頃無意識にこの本から学んでたのかな?この本はとても読みやすかったですが、記憶の中ではもっと長かったような気が…?少し物足りなかったので、他の訳者さんの本も読んでみたいです。』

●映画『レ・ミゼラブル』予告編


GakuSha 世界で一番短い手紙のやり取り
『この手紙を書いたのは「レ・ミゼラブル」の著者として有名なヴィクトル・ユーゴー。フランスの通貨である5フラン札の肖像にも描かれた、フランスを代表する小説家です。1862年に『レ・ミゼラブル』を出版した彼は、疲れを癒やすためか海外旅行へと旅立ちます。しかし一流の小説家といえども本の売れ行きは気になるもの。海外から出版社に宛てて彼は手紙を送るのでした。出版社に届いた手紙を開いてみると、便箋の真ん中に「?」とだけ書かれていました。ユーゴーの伝えたかったことを瞬時に読み取った出版社は、同じく便箋の真ん中に「!」とだけ書いて返信をしたのです。
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/たった一文字の中に、「本の売れ行きはどうだい?」「順調に売れています!」といった会話がなされていたのです。非常にユニークで、ユーモアのある手紙。実際に現代の日本でも使える機会は多いのではないでしょうか。例えば結婚式の招待状に、たった一文字「?」と書かれて送られてきたら。考えてみると少し笑えてきませんか?』

☆本日の、『日めくり漱石』は・・・
サライ 「夏目漱石」の記事一覧

“我は我の行くべき道を勝手に行くだけで、そうしてこれと同時に、他人の行くべき道を妨げない(『私の個人主義』より)”

【1911年2月26日の漱石】贅沢だからと電灯を引くのを拒んでいたが…

今から105年前の今日、すなわち明治44年(1911)2月26日、数え45歳の漱石は久方ぶりに自宅へ帰った。胃潰瘍のため転地療養した伊豆・修善寺で倒れ、東京・内幸町の長与胃腸病院に舞い戻り、しばし入院していたのだった。この日を退院日と決めたのは、漱石の妻・鏡子。日頃から信奉する占い師(通称「天狗」)によって「この日がよかろう」と進言されたためだった。漱石本人は占いを信奉していたわけではないが、鏡子が占いに凝ることまでは否定しきっていなかった。

自宅に帰って、漱石はびっくりした。なんと、部屋に電灯が引かれていたのである。それまで夏目家では、夜は石油ランプや行灯(あんどん)で明かりをとっていた。子供が倒したりすると危険なので、鏡子は以前から電灯に切り換えたいと言っていたが、漱石は「贅沢だ」と受け入れなかった。一向に埒(らち)があかないので、鏡子は漱石の入院中にさっさと電灯を引いてしまったのである。料金は一灯1円だった。漱石はただ呆れたように、「うちの細君は御大名だよ」とつぶやくのであった。

このあたり、漱石が明治の厳父らしく威張っているようで、その実、鏡子が財布の紐と家庭生活の実権を握っていることがうかがえて、なんだかおかしくも微笑ましい。とはいえ、便利で明るいのは漱石も嬉しかったのだろう。長女の筆子は、『夏目漱石の「猫」の娘』と題する一文の中で、こんなふうに回想している。
《今から思えば十燭光かそこいらの手洗や廊下につける程度の明るさなのですが、私達はその明るさにびっくりしたものでした。スイッチ一つひねればつくという簡便さと、何よりも上からぶら下っているという事が魅力でした。(略)喜んで部屋中走りまわっている私達を、眺めながら、にこにこしている父をなつかしく想い出します》

結果として、妻の決断と実行を大らかに受け入れ、ご満悦の漱石先生なのだった。

細かすぎて伝わらない関連動画など

(「他人を気にしない」「個人主義」で動画検索してみました!!)

堀江貴文が他人を気にするバカへ送る言葉「もっと自由に生きろ!人の目なんか気にするな!」


香里奈主演「嫌われる勇気」散りばめられた"名言"に反響


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ジョニーAのつぶやき:意思をはっきり表明する、ってーのは日本人の美学に反することだったわけだからな~~。個人主義は日本の良さを放棄する部分も持つ、両刃の剣だという気がする・・・